投稿日:2023.10.28
歯周病でも矯正できる?矯正中に歯周病を悪化させないポイントも解説
皆さん、こんにちは、池袋駅前歯科・矯正歯科です。
「歯周病と言われたから矯正できるのかを知りたい」
「矯正して歯周病を悪化させたくない」
上記のように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事では歯周病の概要と、歯周病で矯正をすると起こりうるリスクを解説します。
また、矯正中に歯周病を悪化させないためのポイントも合わせて紹介するので、「せっかく時間とお金をかけるから後悔したくない」という方も、ぜひ参考にしてください。
目次
歯周病の程度によって矯正できるかは変わる
矯正治療は歯周病の程度によって、すぐに進められるかが変わります。
軽度の歯周病であれば、矯正治療は可能です。
しかし、歯周病の治療をせずに矯正を始めるとリスクがあるため、まずは歯周病を治してから矯正を検討するのが理想的でしょう。
また重度の歯周病の場合は、矯正治療自体ができない場合があります。矯正治療では歯に力をかけ、歯根膜という部分に炎症反応を起こして歯を動かすためです。
重度の歯周病では、歯ぐきや骨が弱っているため、矯正を無理に進めると症状が悪化する恐れがあります。
歯周病は進行しても気づかないことが多いため、矯正を始める前に検査を受けることが大切です。
そもそも歯周病ってどんな病気?
歯周病は、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットに細菌が入り込み、歯ぐきに炎症を起こす病気です。
進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的には歯が抜けることもあります。
歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)という細菌の塊です。
歯磨きを怠ると歯垢が歯周ポケットに溜まり、毒素を出して歯茎を傷つけます。
歯周病の初期段階では、歯茎が腫れて出血する程度で、痛みが少なく気づきにくいため、ご自身が気づかないうちに進行してしまうことが多いです。
歯周病の原因
歯周病は前項で解説した通り、歯垢が原因で引き起こされます。
毎日しっかり歯を磨いても、歯のすき間や歯並びの影響で、磨きにくい部分に歯垢が残りやすくなります。数週間放置すると歯垢が石灰化して硬い歯石に変わります。
歯垢は柔らかく、歯ブラシや歯間ブラシで簡単に取り除けますが、歯石になると硬くなるため通常の歯磨きでは除去できません。
また歯石の表面はざらついているため、さらに歯垢が溜まり、歯ぐきに炎症を起こして虫歯や歯周病を引き起こす原因になります。
歯周病で矯正をすると起こりうるリスク
ここからは歯周病で矯正をすると起こりうる、以下のリスクを解説します。
- ・歯ぐきが下がるケースがある
- ・歯がぐらつく可能性がある
歯ぐきが下がるケースがある
歯周病で矯正をすると、歯ぐきが下がる(歯肉退縮)リスクを引き起こす恐れがあります。
特に「抜歯せずに歯列拡大を行った場合」や「無理に力をかけて矯正したとき」などは、歯茎が下がりやすくなるので、注意が必要です。
歯ぐきが下がると、「ブラックトライアングル」という歯間部に黒い三角形のすき間ができることがあり、見た目にも影響します。
歯肉退縮は矯正治療のリスクの一つであり、特に歯周病がある場合は注意が必要です。
歯がぐらつく可能性がある
歯周病で矯正を行うと、歯がぐらつく可能性があります。
ただし歯周病でない方でも、矯正を行うことで歯がぐらつくことがあります。
歯を動かす際に歯根膜に力がかかり、歯を支える骨が少し溶けるからです。
歯を支える骨が溶けることによって歯が動いていくのは自然な現象です。
ただし、重度の歯周病の方が矯正を行うと、症状が悪化する可能性があります。
最悪の場合は、歯が抜け落ちてしまう恐れもあるので、矯正するかは歯科医師とよく話し合って決めましょう。
矯正中に歯周病を悪化させないためのポイント
矯正中に歯周病を悪化させないために、以下のポイントを詳しく解説します。
- ・正しいブラッシングを徹底する
- ・清掃の補助用具を使う
- ・生活習慣を見直す
- ・歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける
正しいブラッシングを徹底する
矯正中に歯周病を悪化させないためのポイントの一つ目が、正しいブラッシングを徹底することです。
丁寧なブラッシングを行うことで、歯周病の原因となる歯垢を除去できるからです。
特にワイヤー矯正の場合は、装置が邪魔になりブラシの毛先が行き届きにくいため、より時間をかけて清掃する必要があります。
ただし、自己流でむやみにゴシゴシと力をかけてブラッシングすると、歯と歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあります。
正しいブラッシングの方法は歯科医院で教えてくれるので、スタッフに相談してみると良いでしょう。
矯正中の口腔ケアについてはこちら>>>
清掃の補助用具を使う
矯正中は、デンタルフロス・歯間ブラシ・タフトブラシなどの補助用具を使用することで、よりくまなく口内の清掃ができます。
ワイヤー矯正の装置で磨きにくいブラケットやワイヤー周りは、歯間ブラシやタフトブラシが便利です。
磨きにくいブラケットと歯の段差や、歯とワイヤーのすき間に歯間ブラシやタフトブラシを当てることで、食べ物の詰まりや歯垢が除去できます。
フロスは、ワイヤーが通っている上下からフロスを通すことで、くまなく歯と歯のあいだまで清掃できます。
ブラッシング後に補助用具で小回りのききにくい部分の清掃を行うことで、効率の良い歯の掃除が可能です。
生活習慣を見直す
生活習慣を見直すことで、矯正中の歯周病を予防できます。生活習慣の見直しには、以下のことを意識しましょう。
- ・質の良い睡眠をとる
- ・できるだけストレスや疲れを軽減させる
- ・禁煙する
質の良い睡眠は、免疫機能を強化して口腔内の健康をサポートします。7~8時間の睡眠が理想的です。
また、疲労やストレスがたまると、免疫力が低下し歯周病菌の活動が活発になります。
そのため、疲れを感じたときに歯ぐきが腫れて出血することがあるかもしれません。
そして喫煙も歯周病を悪化させる要因です。タバコに含まれるニコチンが歯茎の血管を収縮させて血流が悪くなることで、歯周病菌が増えやすくなります。
ストレスの軽減や質の良い睡眠を心がけて、生活習慣を改善することで歯周病の悪化を防げます。
歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける
これまで解説したようなブラッシングの徹底や生活習慣の見直しはもちろん、歯科医院でのメンテナンスも大切です。
ご自身でのホームケアだけでは、完全に汚れを落とせない傾向にあるため、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。
歯科医院でのメンテナンスでは、ご自身では落とせない歯石や歯周ポケットの汚れを除去できます。
歯周病は自覚症状が起きにくい病気とされており、ご自身が知らないあいだに進行する恐れがあります。歯科医院での定期的なメンテナンスで歯の状態を確認してもらえるため、早期の虫歯・歯周病の発見が可能です。
矯正と歯周病でよくある質問
矯正と歯周病に関するQ&Aにお答えします。
- ・歯列矯正は40代の歯周病でもできる?
- ・20代で歯周病の疑いになる人はどれくらいいるの?
歯列矯正は40代の歯周病でもできる?
結論から言うと、40代の歯周病の人でも矯正できます。
ただし、歯周病の程度(軽度・中等度・重度)によって矯正できるかが変わります。
矯正治療では、歯を支えている歯槽骨を溶かしながら歯を移動させていきます。
そのため、重度な歯周病の方は歯を支えている骨が少ない傾向にあるので、矯正治療ができない場合があります。
歯周病がどれくらい進行しているかは、ご自身では判断しにくいので、歯科医院で診断してもらいましょう。
20代で歯周病の疑いになる人はどれくらいいるの?
現在、20代では約2〜3割が歯周病に感染しており、高齢者では5割〜6割に増加している傾向にあります。
令和4年に実施された「歯科疾患実態調査」では、15~24歳で17.8%、25~34歳では32.7%にまで達していました。
歯周病は「歯を失う原因の第1位」と言われているので、できるだけ早急に治療することが大切です。
参考:令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要
矯正で歯並びが改善すると歯周病のリスクを減らせる
今回は歯周病と矯正の関係性について、お話しさせていただきました。
歯周病でも矯正治療ができるかは、歯周病の程度で変わります。
特に重度に進行している場合は、矯正によって歯を支えている骨に影響が出る恐れがあるため注意が必要です。
また、ワイヤー矯正の場合は矯正装置があるのでより丁寧に口内を清掃する必要があります。
矯正治療で歯並びや噛み合わせが改善することで、お口の清掃がしやすくなるため、歯周病のリスクが、グンっと下がります。
「歯磨きのときに出血する」「口臭が気になる」といった場合は、もしかすると歯周病にかかっているかもしれません。
当クリニックでは、歯周病のリスクが減らせる理想的な歯並び・噛み合わせになれる矯正プランをご提案いたします。
スタッフ一同お待ちしていますので、お気軽にご相談ください。
歯並びでお悩みの方はぜひ当院のカウンセリングでご相談くださいね。
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