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ブログ

投稿日:2023.2.20

非抜歯矯正ってどんなもの?

こんにちは!池袋駅前歯科・矯正歯科です。
皆さん非抜歯矯正というのはご存知ですか?
健康な歯を抜歯しないで治療できるというのは、とても良いことですよね!
ですが、中には非抜歯矯正で口ゴボになる、出っ歯になる、
など聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
今日は非抜歯矯正とはどのようなものなのか、
本当に口ゴボになってしまうのかなどお話したいと思います。

非抜歯矯正とは?

矯正治療で一番大切なことは「歯を並べるためのスペースをどのように作っていくか」ということです。
スペース作りの方法は色々ですが、よく知られているのが抜歯です。
矯正治療では第一小臼歯(歯の真ん中から数えて4番目の歯)を抜歯して並べていくのが、従来の矯正方法では一般的な動かし方でした。
ですが矯正治療の技術も進化し、抜歯以外にもスペースを作る方法が増えてきました。
それらを非抜歯矯正といい、治療の方法は何種類かあります。
次に、具体的な非抜歯矯正の治療方法についてご紹介したいと思います。

矯正 池袋

非抜歯矯正の治療方法

①IPR(ディスキング)

歯と歯の間を一層削ってスペースを作ることをIPR(ディスキング)と呼びます。
削るといっても歯の表面のエナメル質の3分の1程度(最大0.5mm程)になるため、
歯の形態が変わったり、虫歯になるリスクはありません。
下の図の赤丸のところを削ります。

非抜歯矯正 ディスキング
削るときは紙やすりのようなものや、電動のやすり、虫歯治療で使うような歯を削るための器具を用いて行います。
虫歯治療と違い麻酔をすることはありませんし、痛みもほとんどありません。
ただし何ミリでも削れるわけではないので、これだけでスペースが足りなければ他の方法も併用が必要です。

非抜歯矯正 ディスキング

②側方拡大(横に歯を広げる)

小児矯正では顎の骨ごと広げることもありますが、成人矯正では顎の骨は動かせないので、
歯を支える骨(歯槽骨)の範囲で広げるようになります。
歯槽骨に沿って歯が正しく並ぶと、上から見たときに歯はU字型に並びます。
それが外からの力で歯が内側に倒れてしまうと、歯はV字型となってしまいます。
これを本来の位置に戻すと、歯が横に広がりスペースができます。
この横に広げることを側方拡大と呼びます。

非抜歯矯正 狭窄歯列

側方拡大するときには、歯を動かすところに骨があるかどうかをCTで調べてから行っていきます。
骨がないところに歯を動かすと、歯茎が下がってしまう原因になり、歯の寿命を縮めることになってしまうので、
注意が必要です。

③遠心移動(後ろに歯を送る)

親知らずが生えていたスペースに奥歯を後ろに送ってスペースを作ることを遠心移動(えんしんいどう)といいます。
奥歯を後ろに動かすことで前歯にスペースができます。

非抜歯矯正 遠心移動
従来の矯正治療ではできなかった方法ですが、近年では可能となってきています。
たとえばマウスピース矯正(インビザライン・クリアコレクト・SureSmileなど)では歯を後ろに動かすのが得意です。
マウスピース矯正は動かしたい歯をピンポイントに動かす事ができるので、
奥歯から順番に歯を後ろに動かしスペースを作ることができます。
非抜歯矯正 遠心移動
またワイヤー矯正(表側矯正・裏側矯正)でも遠心移動は可能です。
ただし補助的な装置としてTAD(インプラントアンカー)などが別に必要です。
アンカースクリューを固定源として歯を後ろに動かしていきます。
下の写真のように歯茎にアンカースクリューを入れていきます。
入れる位置は上顎の真ん中や、歯茎の横などです。
麻酔を使用して入れていくので、痛みはありません。
このアンカースクリューとワイヤーの装置をつないで、歯を後ろに動かしていきます。

遠心移動 インプラントアンカー アンカースクリュー

マウスピース矯正でもワイヤー矯正でも、遠心移動するためには
事前にレントゲンで歯を動かすスペースがあるかどうか確認が必要となります。
また治療の前には親知らずの抜歯が必要です。

非抜歯矯正の失敗?!

非抜歯矯正ができるかどうかは歯のでこぼこの大きさによって決まります。
でこぼこが大きいのに、無理やり非抜歯矯正をすると歯は前に飛び出てしまいます。
前に飛び出ると出っ歯になり、口も閉じられなくなってしまい、いわゆる口ゴボになってしまいます。
非抜歯矯正を希望される方は、まずは詳しい検査を行い、歯のでこぼこの評価が必要です。
でこぼこが小さければ非抜歯矯正でもきれいに並びます!
でこぼこが大きければ、もしかしたら抜歯矯正が必要になるかもしれません。
せっかくきれいになるために始めたのに、矯正治療で失敗なんて絶対に嫌だと思います!
矯正治療で失敗しないためには、自分の歯並びにあった適切な矯正治療の選択が必要です。

非抜歯矯正 失敗