投稿日:2023.7.22
歯並びを1本だけ治すことはできるの?
池袋駅前歯科・矯正歯科です。
自身の歯並びで「この歯だけを治したい」「気になっているのはこの歯だけ」って思ったことはありませんか?
矯正をするほどでもないけれども、少しの歯の乱れが気になるという方の声を多く聞きます。
このような悩みをお持ちの場合、「部分矯正」について興味があるのではないでしょうか。
部分矯正は名前の通り、歯の一部分にのみ装置をつけてアプローチしていく矯正治療の一つです。
今回は、そんな部分矯正についてメリットやデメリット、さらにはどういった症例が適応されるのかについて詳しく説明していきます。
目次
部分矯正って一本だけって治せるの?
矯正治療は歯を適切な位置へ動かしていく治療方法です。
これが、部分的であるのか、全体的であるかによって治療方法が異なります。
「部分矯正」は決められた部分のみにアプローチし、歯を移動させる方法です。
歯の表面にブラケットの装置を接着し、ワイヤーを通じて歯を動かす方法とマウスピース型矯正で歯を治す方法があります。
動かす対象が数本のみであるため、装置の規模が小さく違和感が少ないのが特徴です。
また、歯の移動距離や本数も少ないことから全体矯正と比べて低コストである点も魅力的な点です。
「気になるここの1本だけ治したい」という場合、もしかしたら部分矯正で治療することが可能かもしれませんが、装置を装着するのは1本だけではありません。
なぜなら、歯は引っ張り合うことによって移動するため、1本だけでは引っ張る支点の歯がありません。
この支点の歯があるがために歯は移動することができるのです。
そのため、部分矯正であっても少なくとも6本程度は装置の装着が必要になる場合があります。
部分矯正が適しているケース
気になる歯並びが部分的であるからといって、すべての症例が部分矯正で治せるわけではありません。
部分矯正ができる症例にはいくつかの条件があります。
まずは、歯並びの乱れが軽度であることです。
歯が少しアーチからずれている程度や、歪んでいる場合は部分矯正が適応している可能性があります。
この歯も前歯であることが条件として挙げられ、奥歯の歯並びの乱れを改善する場合は、部分矯正では治すことが難しいと言えます。
さらに、歪んでいる歯が前歯であっても歯を並べるためのスペースが不十分な場合は抜歯をしてスペースを作らなければなりません。
抜歯を行う際は一般的に前から4番目および5番目の歯を抜歯します。
前歯がアーチからはみ出しているからといって前歯を抜歯することはできません。
また、抜歯を行う歯も患者さんが指定することができず、診査診断した上で歯科医師が抜歯に適切な歯を選択します。
抜歯を行うと部分矯正では並べることが難しく、全体矯正で治療をすることが推奨されます。
また、すきっ歯などでわずかに前歯に隙間が見られる場合も部分矯正で治療できるケースが多いです。
過去に一度矯正治療を経験し、後戻りによって再度歯並びが乱れてしまった場合も、部分矯正で修正できることがあります。
大きく乱れてしまった場合には部分狭背では困難なケースもあるため、一度検査を受けてみましょう。
もう一つ、矯正治療において重要なポイントが、歯周病や虫歯に罹患していない健康な歯であることが条件として挙げられます。
理由は、矯正治療がスタートして装置をつけると清掃がしにくくなり、磨き残しによって虫歯や歯周病を悪化させてしまう恐れがあるからです。
矯正治療で歯を動かす際に歯に圧力がかかると、その影響で歯周病がさらに進行してしまう可能性もあるため、矯正を始める前にむし歯および歯周病治療はきちんと終えておく必要があります。
また、矯正治療中も定期的に歯科医院を受診し新たに虫歯ができていないかや、既存の初期虫歯が進行していないか、歯周病のチェックを受けることをおすすめします。
部分矯正が適さないケース
部分矯正で治療による期待が持てない場合は、全体矯正で治す必要があります。
例えば、噛み合わせに問題があるケースです。
噛み合わせに問題がある場合というのは上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)、開咬(前歯の噛み合わせに隙間がある)が主な例として挙げられます。
こういった噛み合わせに問題がある歯並びの場合は、症状の改善に全体矯正が推奨されます。
また、治したい歯が奥歯に位置している場合も全体矯正が必要です。
部分矯正は前述したように前歯の叢生に適応しているためです。
さらに、顎の位置や骨格に問題がある場合も部分矯正のみでの治療は困難といえます。
顎の位置などを正しい位置へ導くためには、全体矯正で歯や顎の位置のバランスを整えながら治療をすすめていきます。
部分矯正はあくまでも局所部位の歯の並びのみを整えることが可能であることを覚えておきましょう。
対象歯がインプラントである場合も矯正治療の対象外です。
これは、部分矯正に限らず全体矯正である場合にも言えます。
歯が移動するためには歯根膜と呼ばれる歯と歯槽骨の間に位置する線維が必要です。
この歯根膜があることによって、歯は圧力が加わる方向へ移動することができるのです。
しかし、この歯根膜が存在するのは天然歯、いわゆるご自身の歯のみであり、インプラントには存在しません。
インプラントは顎の骨に直接固定されるため、矯正治療で圧力が加わっても動かすことは不可能です。
代わりに、周りの歯を動かし調整することで歯の並びや噛み合わせを整えることはできますが、部分矯正ではなく全体の噛み合わせを見ながら歯を動かす方がいいとされています。
部分矯正のメリット・デメリットは?
部分矯正の利点である、短期間で治療ができることや費用が比較的抑えることができるため非常に人気の治療法であるといえます。
しかし、良い点ばかりではないことを理解しておく必要があります。
部分矯正のメリット
メリットはやはり短期間で治療ができることが1番の魅力なのではないでしょうか。
全体矯正では治療完了まで2年から4年ほど要するのに対して、部分矯正は1年半程度で治療が完了します。
部分矯正では、対象の歯の本数が少ないことに加えて、歯を動かす範囲も狭いため長い治療期間を必要としません。
治療期間が短い点は、周りの人に知られたくない方やイベントを控えている方にとっては最大のメリットと言えます。
次に挙げられるメリットは、矯正費用が安く抑えることができる点です。
対象の歯の本数が少ないことにより、必要とする装置の数が少ないことや、複雑な治療を必要としないため、比較的簡易な矯正装置で十分であるためです。
また、矯正期間が短い分通院回数も全体矯正と比較して少ないため、費用が抑えられます。
矯正期間に感じる不快感も矯正装置が簡易かつ一部分のみに取り付けられるため軽減できます。
このことから日常生活への負担もかなり少ないことが分かります。
部分矯正のデメリット
部分矯正のデメリットは、治療による期待値が低いことが挙げられます。
局所的な歯並びの改善はできるものの、噛み合わせであったり顎の位置とのバランスなどは、部分矯正では改善することが不可能です。
また、部分的な歯並びのみを整えても、噛み合わせであったり、日常的な習慣を改善しない限り、「後戻り」のリスクがあります。
長期的な安定を得るためには、全体矯正で 歯や顎のバランスを整えながら治療することが最善です。
奥歯の歯並びを整える場合も部分矯正では、対処できないことが多いです。
まとめ
前歯の一部分のみの歯並びを整えたい場合は、部分矯正で治せる可能性があります。
ただし、適応される症例に限りがあるため、必ずしも部分矯正ができる訳ではありません。
顎の状態や噛み合わせに問題がない場合は、部分矯正で治療できる可能性がありますが、歯並びの状態や顎の位置を詳しく確認する必要があります。
そのためにそのためにも矯正専門の歯科医院を受診して、カウンセリングを受けてみましょう。
詳しく検査をし、きちんと治療するためには自身に適した治療方法を知る必要があります。
部分矯正のメリットとデメリットをきちんと理解した上で治療を受けましょう。
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