投稿日:2022.4.23
理想的な咬み合わせとは?
こんにちは!
池袋駅前歯科・矯正歯科です。
みなさんは、どのような咬み合わせが良い状態であるかを知っていますか?
一見するときれいな歯並びでも、咬み合わせのバランスが崩れていると、さまざまな影響を及ぼすことがあります。
正しい咬み合わせを保つことで食事や会話がスムーズになり、顎や筋肉への負担も軽減されます。しかし、咬み合わせが悪いと顎や歯に余計なストレスがかかり、頭痛や肩こりなど全身に影響が出ることもあります。今回は、正しい咬み合わせの基準や、不正咬合について解説します。
目次
咬み合わせってどこをみているの?
正しい咬み合わせは、食事の際に歯や顎関節に負担をかけず、発音や顔のバランスを維持することができます。咬み合わせを確認する際に使用する基準の一つに「アングルの分類」というものがあります。アングルの分類では「Ⅰ級」「Ⅱ級」「Ⅲ級」の3つに分類されます。噛み合わせを評価する際、前から数えて6番目の歯(第一大臼歯)の前後の位置関係が重要です。また、同様に3番目の歯(犬歯)の前後の位置関係も確認します。これにより、上下の歯が正しく噛み合って、噛み合わせのバランスが取れているかどうかの判断や、不正咬合のタイプを判断します。
【Ⅰ級】
第一大臼歯が上下で正しく咬み合っている状態を、正常な噛み合わせ(Ⅰ級咬合)と言います。この状態では、上の歯が正しく接触しており、上顎の歯列が調和しています。 見た目も美しく、しっかりと咬むことができます。
【Ⅱ級:出っ歯】
上の第一大臼歯より下の第一大臼歯が後ろに位置している状態。
- Ⅱ級1類
上顎の前歯が前に突き出ている状態で、いわゆる「出っ歯」に当たります。 咬み合わせ自体は安定していますが、上の前歯が下の前歯よりもかなり前方に位置しているため、見た目や発音が悪くなります。この状態では、矯正治療による改善が必要とされることが多いです。 - Ⅱ級2類
Ⅱ級1類とは異なり、上顎の前歯が内側に倒れている(後退している)状態です。これにより、前歯の見た目が不自然に感じられますが、咬み合わせ自体は比較的安定しているケースもあります。このタイプの咬み合わせも、矯正治療で見た目と機能の改善が期待されます。
【Ⅲ級:受け口】
下顎の第一大臼歯が上の第一大臼歯より前に位置し、下の前歯が前突している状態です。下顎が上顎よりも前に出ている「受け口」の状態を指します。骨格の問題がある場合には手術を伴う矯正治療が必要になることがあります。
引用元:医歯薬出版
問題:この人の噛み合わせは何級でしょうか?
正解は「Ⅲ級です」
Ⅲ級(受け口)の治療方法には、さまざまな選択肢があります。例えば、ゴムを使って下の歯を後ろに下げる方法や、親知らずや前から4番目の歯(第一小臼歯)を抜歯してスペースを作り、歯を後退させる方法などがあります。また、骨格に問題がある場合には、外科的な処置が必要になることもあります。そのため、治療を進める前に、精密検査を行ってから適切な診断を受けることが重要です。
不正な咬み合わせってどんなものがあるの?
噛み合わせが正常でない状態を「不正咬合」と呼びます。不正咬合には「浅い」や「深い」などの状態があり、それぞれ見た目や引き起こす問題が異なります。
①咬み合わせが「浅い」
奥歯で咬んでいる時に上の前歯が下の前歯に被っている状態が正常ですが、「咬み合わせが浅い」とは、上下の前歯の先端が当たる「切端咬合」や、奥歯は咬んでいても前歯は咬み合わず隙間が開いている「開咬(オープンバイト)」の状態となることがあります。
「切端咬合」は、前歯に負荷がかかりヒビが入ることや、欠けてしまいやすい可能性があります。「開咬(オープンバイト)」は奥歯への負担が大きく、歯のすり減り(咬耗)や顎関節症のリスクが高い咬み合わせです。
さらにこれらの不正咬合は、咀嚼機能が低下し、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
改善の為の矯正治療方法としては、「ゴムかけ」や「歯科矯正用アンカースクリュー」という補助装置を用いることがあります。
>歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正
②咬み合わせが「深い」
「咬み合わせが深い」とは、上の前歯が深く被さり、下の前歯がほとんど見えない状態のことです。この状態は「過蓋咬合(ディープバイト)」と呼ばれ、顎や歯に大きな負担をかけます。正常な咬み合わせでは、上の前歯が下の前歯に2〜3mm程度重なるのが理想ですが、過蓋咬合(ディープバイト)では、上の前歯の重なりが4mm以上になり、ほとんど下の前歯が見えなくなります。
この状態では、下の前歯が上の前歯の根元や歯ぐきに当たり、歯ぐきの炎症や歯の摩耗、さらに顎関節症のリスクが高まります。
◎出っ歯の原因は過蓋咬合(ディープバイト)
過蓋咬合(ディープバイト)の方は、上の前歯が押し出されて出っ歯になりやすい傾向があります。また、咬み合わせに問題がある場合、部分的な矯正だけでは効果が維持できず、数年後に元に戻る可能性が高いため、全体矯正で改善する必要があります。
不正咬合になってしまう原因
不正咬合が起こる原因には遺伝的要因による先天的な原因と、生活習慣や癖による後天的な原因があります。
①生まれつき(遺伝的要因)
両親や祖父母に体型や顔つきが似ることがあるように、骨格が遺伝して不正咬合になることがあります。
②生活習慣・癖
- 指しゃぶり
幼少期に続く指しゃぶりは、上顎や前歯に過度な力を加え、歯並びに影響を与えます。特に、前歯が前に突出する「出っ歯」になりやすいです。 - 唇や舌を咬む
唇や舌を無意識に咬む癖があると、歯の位置に影響を与え、歯並びを崩す原因となります。 - 頬杖をつく
頬杖をつく癖は、顎に偏った圧力がかかり、上下の顎や歯にゆがみが生じます。長期間続けると、咬み合わせや歯並びが崩れる原因となります。 - 偏った咀嚼
片側だけで食べ物を咬む癖があると、咬む力が偏ってかかり、歯の位置が左右でずれてしまうことがあります。また、顎の発育にも悪影響を与えるため、両側でバランス良く咬むことが大切です。 - 姿勢の悪さ
猫背や前かがみの姿勢が続くと、頭や顎の位置に影響を与え、咬み合わせが悪くなることがあります。 - 舌癖
舌を前に出す、舌で前歯を押す、口を閉じているときに舌が下顎に落ちているなど、舌の動きや位置の異常によって、咬み合わせが悪くなることがあります。特に開咬(オープンバイト)は、幼少期からの舌癖が関与していることが多いです。矯正治療をした後も、舌癖が治っていないと歯の後戻りを起こしてしまいます。舌癖は意識的に改善する必要があります。
矯正治療で骨格に適した咬み合わせに改善
不正な咬み合わせを放置しておくと、歯や顎の問題が悪化し、最終的には全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。そこで、矯正治療が有効な改善策です。
矯正治療は、歯並びだけでなく、咬み合わせを調整することで、機能的にも審美的にも理想的な口元を作り上げることができます。
特に成長期のお子様においては、顎の成長に合わせた治療が可能であり、将来的に不正咬合を予防することができます。
矯正治療では、理想的な歯並びと咬み合わせを目指しますが、骨格や症状には個人差があるため完全に改善することが難しいケースもあります。患者様それぞれの骨格や歯の本数に合わせて、最適な咬み合わせを目指しながら治療を進めていきます。
まとめ
正しい咬み合わせは、健康な歯や顎を保つためにとても重要です。悪い咬み合わせが体に与える影響を理解することで、早めに対処することができます。特に、今回ご紹介したような不正咬合がある場合は、将来、歯や顎のトラブルを引き起こす可能性があるため、放置せずに歯科医院で一度チェックすることをおすすめします。
心当たりになることがあれば、当院のカウンセリングにてお気軽にご相談ください。
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