投稿日:2023.3.11
MFTトレーニングとは?舌は鍛えたほうがいい!?
こんにちは。池袋駅前歯科・矯正歯科です。
きれいな歯並びと乱れた歯並び、どちらがいいですか?と聞かれたら、恐らくほとんどの方が「きれいな歯並びがいい!」とおっしゃると思います。
また、現在歯列矯正をされている方は「歯並びが整ったら、その状態を長く維持したい」とお考えではないでしょうか。
今回は、歯並びに大きく影響するお口の周りの筋肉である「口腔周囲筋(こうくうしゅういきん)」を鍛えるトレーニング『MFT(えむえふてぃー)』についてお話していきます。
きれいな歯並びにご興味のある方は、ぜひご一読ください。
目次
口腔周囲筋とは?歯並びにどう関係している?
口腔周囲筋とは、舌・頬・唇・顎などのお口の周りにある筋肉のことをいいます。
これらは会話や食事に関係しているのはもちろん、歯の位置もこれらの筋肉のバランスによって決められています。
なぜなら歯はずっと同じ場所に留まっているわけではなく、色々な力が加わることにより移動していくからです。
口腔周囲筋のバランスがとれていれば歯並びも整いやすく、反対にバランスが崩れていると歯並びが悪くなる可能性が高くなります。
矯正後の後戻りの原因に関係する口腔周囲筋
歯列矯正をした後も同じで、癖などの何らかの力が歯に力が加わっていると、せっかくきれいにした歯並びがまた乱れてきてしまいます。これを『後戻り』といいます。
例えば「口呼吸」をしていると、お口がずっと開いている状態のため歯を唇で押さえる力が加わりません。舌で歯を押す癖などがあり内側からかかる力の方が強くなると、筋肉のバランスが崩れ出っ歯になりやすくなります。
他に歯並びが乱れる原因として考えられる癖は、次のようなものです。
・指しゃぶり
・舌癖
・唇を巻き込んだり噛んだりする癖
・頬杖
このような癖を改善して口腔周囲筋を正しく使えるようにし、お口の機能を整えるものが『MFT』というトレーニングになります。
MFTとは
MFTは「口腔機能療法(こうくうきんきのうりょうほう)」とも呼ばれています。主に矯正治療中に行われることが多く、口腔周囲筋の機能を改善するために行われる訓練法です。
矯正治療とは関係ないように思われがちですが、口腔周囲筋を正しく使えるようにトレーニングすることで、歯並びが整いやすい環境に整えたり治療後の後戻りを防ぐことが可能になります。
また咀嚼・嚥下や発音・呼吸・姿勢などの正しい状態を習得することもできるため、口腔機能が低下している方にも有効でしょう。
舌側矯正学会でも注目されているMFT
以前神戸にて行われた『WSLO第9回世界舌側矯正歯科学会』でもMFTの講義がありました。
学会は2日に渡って開催され、同時通訳機をお借りしながら国内だけではなく海外の先生方の講義も聴けるという大変貴重な機会でした。色々な症例が紹介されてとても勉強になりましたが、その中でも特に興味深かったのがMFTです。
なぜ学会でも注目されているのかというと、
MFTをすることで得られる効果はたくさんあるからです。次の項で詳しくお話していきますので、ぜひご覧ください。
MFTにはどんな効果がある?
MFTトレーニングをすることで、具体的にはどのような効果が得られるのでしょうか。
例えば、下記のような効果が期待できます。
①矯正治療がスムーズに進む
歯並びの乱れの原因となるお口周りの癖を改善するため、矯正中の方は計画通りに治療が進みやすくなります。
②矯正治療後の後戻りを防ぐ
お口周りの悪い癖を取り除くことで、治療後のきれいな歯並びを維持しやすくなります。
③鼻呼吸ができるようになる
アレルギーがないのに口呼吸をしている場合、癖によるものであることが多いです。
トレーニングをすることにより、鼻呼吸がしやすい環境に整えていきます。
④きれいな発音ができるようになる
正しい発声ができるようになり、発音がきれいになります。
⑤嚥下機能の習得や維持ができる
正しい飲み込み方を身に付けたり、飲み込む時に使う筋肉を鍛えることができます。
加齢による嚥下機能の低下を防ぐことも可能です。
⑥風邪やインフルエンザなどにかかりにくくなる
舌の筋力が弱まり位置が下がると、口呼吸になり風邪・インフルエンザなどの細菌やウイルスが身体の中に侵入しやすくなってしまいます。
しかし舌が正しい位置にあることでお口をしっかり閉じられるようになるため、これらにかかりにくい状況を作ることができます。
MFTはこんな方におすすめ
MFTは矯正中の方だけではなく、以下のような症状が気になっている方にもおすすめです。
・むせやすい
・頬を噛みやすい
・錠剤を飲むのが苦手
・顔のたるみやほうれい線が気になる
・二重顎が気になる
上記に当てはまる症状のある方は、口腔周囲筋が上手く使えていない、または衰えているかもしれません。
MFTの基本となる舌の正しい位置を紹介!
MFTにはたくさんの方法があるため、患者様の癖やお口の状態に合わせて進め方をご案内していきます。
しかし、全ての人に共通して基本となるのは「舌の正しい位置」です。
ここでは「舌の正しい位置」についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
舌の正しい位置とは?「スポットポジション」を知っておこう!
ここで皆様にも確認してみていただきたいのですが、無意識の時に舌はどの位置にありますか?
上の顎についているでしょうか?
それとも真ん中に浮いていますか?
下に下がっていますか?
舌の正しい位置とは「上の顎についている状態」です。上の前歯の後ろの膨らみの辺りになります。
食事や会話をしている時以外は、舌はこの場所にあることが理想です。
詳しくはこちらの記事で解説しておりますので、合わせてご覧ください。
MFTは一度身に付ければいいものではありません。癖は直しても、知らぬ間に戻ってしまう傾向が高いからです。
MFTは習慣にすることによって効果が現れるものなので、始めたら途中でやめずに継続していきましょう。もし途中でやめてしまった場合、元に戻ってしまう可能性が高くなります。
無意識のうちに舌をスポットに置けるようになった後も、続けていくことが非常に大切です。
矯正後の後戻りを防ぐために
「矯正をしても、後戻りしてしまうのですか?」と患者様から良くご質問いただきます。冒頭でお話した通り、歯は様々な筋肉に囲まれているため一生動いていくものです。
せっかくきれいになった歯並びを維持するためにMFTも有効ですが、矯正装置を外した後の「保定装置(リテーナー)」もきちんとつけるようにしましょう。
保定装置とは
矯正治療を外した後は、骨がしっかり固まり歯並びが安定するのを待つために、約1~2年の間保定装置を装着していただきます。
この期間を「保定期間」といい、保定装置は『リテーナー』とも呼ばれています。
保定装置はずっと長い時間つけているわけではなく、徐々に装着時間は減っていくものです。しかし骨が固まった後も、舌癖などで歯
が動くことは十分にあり得ます。そのため、正しい位置に舌を置くことなどがとても重要です。
歯列矯正は患者様のご協力があってこそ成功し、維持できるようになるものだといえるでしょう。
MFTトレーニングも取り入れながら、矯正後の歯並びを保ちましょう!
今回は、歯並びに大きく影響するお口の周りの筋肉「口腔周囲筋」を鍛えるトレーニング『MFT』についてお話しました。
歯列矯正は、一度すればずっときれいな歯並びが維持できるというものではありません。しかしできるだけ後戻りを防ぎ、良い状態を保つために保定装置以外にもMFTトレーニングが役立ってくれます。矯正治療をしたいとお考えの方は、ぜひMFTトレーニングについてもお話を聞いてみてくださいね。
池袋駅前歯科・矯正歯科では、歯列矯正を検討されている方やご興味をお持ちの方に向けて無料相談を実施しています。MFTに関してのご質問にもお答えいたしますので、歯並びが気になっている方は気軽にご利用ください。