投稿日:2023.3.20
受け口でも歯並びは良い場合はあるの?
皆さん、こんにちは、池袋駅前歯科・矯正歯科です。
今回は、歯並びと受け口の関係性について詳しく触れていきます。
受け口という言葉を聞いたことがある方が多いと思いますが、それがどういったものなのかご存知ですか?
受け口とは、医学用語で「下顎前突(かがくぜんとつ)」もしくは「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれます。
顔の横顔を見たときに特徴的な形状をしています。受け口は見た目だけでなく、全身の健康に対しても影響を与えてしまう恐れがあります。
今回は、知ってそうで深くは知らない、受け口の原因やリスク、そして受け口と歯並びの関係性について触れていきましょう。
目次
受け口の定義とは?
受け口とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態を指します。
通常、口を閉じた時には、上の前歯が下の前歯より少し前に出ているのが正常な咬み合わせです。
しかし、受け口では逆に下の前歯が上の前歯よりも前に位置しています。
このように正常な咬み合わせとは逆になっているため「反対咬合」、もしくは下顎が前方に突出しているため「下顎前突」と呼ばれます。
どうして受け口になるの?
受け口には様々な原因がありますが、大きく分けて3つあります。
- 遺伝的要因
- 口呼吸などによる悪習慣
- 骨格的要因
遺伝的要因
受け口は、しばしば遺伝によって引き起こされます。
家族に同じような歯並びや骨格に問題がある場合は、遺伝的に引き継がれることが多くあります。
顎の大きさであったり、歯の大きさなどの特徴は遺伝の影響を受けやすいと考えられています。
必ず遺伝するわけではありませんが、似るケースが多いです。
口呼吸などによる悪習癖
口呼吸や低位舌、その他舌突出癖、咬唇癖などの悪習癖も反対咬合を引き起こします。
口呼吸と低位舌は下顎の過成長を促してしまう要因となります。
また、舌突出癖と咬唇癖は歯並びに悪影響を与えてしまい、受け口になる可能性があります。
口呼吸が習慣化すると、舌の位置や顎の成長に影響を与えるだけでなく、歯並びに悪影響を与える場合があります。
また、頬杖やうつ伏せで寝るなどして一定方向から力がかかることも要因のひとつとして考えられています。
骨格的要因
顎の成長のバランスが崩れることで下顎が過剰に成長したり、上顎の成長が不十分になり、受け口の原因となるケースがあります。
さらに先天性のものとして骨格に問題がある場合顎の位置や形が不自然になり反対咬合の原因となることもあります。
受け口と歯並びは関係あるの?
ほとんどの方が、受け口は歯並びが悪いことと同義だと考えがちです。しかし、実際にはそうとは限りません。
受け口は顎の位置の問題であり、歯並びは個々の歯の配置の問題です。
つまり、これらは別々の事象なのです。もちろん、歯の並びが原因で受け口になってしまっている場合もありますが、受け口であっても、歯並びが整っているケースは決して珍しくありません。
そして、歯並びがいい場合は矯正治療は必要ありません。しかし、受け口自体の咬み合わせにはさまざまな健康リスクが伴います。
歯のみに受け口の原因が限局している場合には、以下の2つが考えられます。
- 下の歯が前に出ている:上下の歯の咬み合わせに問題があり、下の歯が上の歯よりも前に出ている場合、受け口になります。
- 上の歯が内側に倒れている:上の前歯が内側に傾いて生えていると、正常な咬み合わせができず、下顎の歯が前に出た状態になります。
このように、受け口であるからといって必ずしも歯並びが悪いわけではないことがわかりましたね。
受け口は、様々な要因が複雑に絡んで引き起こしているケースが多いです。
何が原因で引き起こされたのかは、きちんと専門の機関で診査・診断をしてもらうことが大切です。
受け口が及ぼす影響
先ほど受け口自体の噛み合わせには様々なリスクが伴うことをお伝えしました。
では、受け口は一体どんな影響を及ぼすのでしょうか?解説していきましょう。
咀嚼機能の低下
上下の歯がしっかり咬み合わないため、食べ物を噛む能力が低下することがあります。
これにより、消化不良や胃腸に負担がかかる可能性があります。
特に硬い食べ物をうまく噛み砕くことが難しくなり、消化器官への負担が増加します。
食事の楽しみが減り、食生活に影響を与える要因にもなります。
歯や顎への負担
受け口では、上下の歯が正常に咬み合わないため、特定の歯や顎の関節に過剰な負担がかかることがあります。
咬み合わせの不正が原因で顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすリスクがあります。
顎関節症は、顎の痛みや違和感、開口時の音、口が開きにくいなどの症状が現れる事があります。
また、特定の歯のみに過剰に負担がかかると、歯がすり減ることにより形状が変わり、さらに咬み合わせが悪化することがあります。
発音への影響
反対咬合によって、舌や口の位置が正常でなくなると、発音が不明瞭になることがあります。
特に、「サ行」「タ行」などの発音に支障が出やすく、日常会話にも影響を及ぼします。
審美的コンプレックス
受け口は見た目に影響を与えるため、特に横顔のラインに違和感を感じる事があります。
子供や思春期の若者にとって自尊心や自信に悪影響を及ぼす事があり、自己評価が低下する要因ともなり得ます。
自分の外見に対するコンプレックスが原因で、心理的なストレスや社会的な不安を感じる大きなストレス源となる可能性もあります。
受け口の治療方法は?
受け口の原因が「歯由来」であるのか「骨格由来」であるのかによって治療方法が異なります。
歯並びや歯の位置が原因の場合は「歯由来」、一方で顎の大きさや顎の位置などが原因の場合は「骨格由来」のものとに分けられます。
さらに歯由来と骨格由来の両方が原因の場合もあります。
歯由来
歯由来では、下の歯が外側に向かって生えている場合や、もしくは上の歯が内側に向かって生えている場合、結果として下の歯が上の歯よりも前に出てしまうので反対咬合になります。
他にも下の歯が大きくて並びから外れてしまう場合も上の歯よりも前に出てしまうと反対咬合となります。
この場合の治療方法は主に歯科矯正治療で解決されます。
顎の位置や骨格には問題がなく、原因が歯のみに限局しているため、歯の位置や向きを正しく矯正することで受け口を治す事ができます。
歯に矯正装置を取り付け、徐々に歯を正しい位置に移動させることで、咬み合わせ及び見た目の改善に期待ができます。
骨格由来
骨格由来では、下顎が過剰に成長したり上顎の発育が不十分な場合、下顎が上顎よりも前に出てしまい受け口になります。
このようにアンバランスな骨格が原因で反対咬合となるケースのことを指します。
この場合の治療方法は、外科的な手術が必要です。
特に、顎の骨が大きくずれている場合や、歯列矯正だけでは改善できない場合に手術が行われます。
外科治療を行い、顎を正常の位置にすることにより正常な咬み合わせを得る事ができます。
ほとんどの場合矯正治療と併用して治療を行い、咬み合わせの改善と願望の歪みを改善します。
まとめ
受け口は咬み合わせの問題だけでなく、全身の健康や精神面にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、早期に矯正治療や診断を受けることで、これらのリスクを軽減し、健康的な口腔環境を保つことが重要です。
また、受け口であるからといって必ずしも歯並びが悪いわけではありません。
歯並びが良くても骨格に問題がある場合、反対咬合になる事があります。
もし、受け口で悩まれている場合は、自分の受け口は何が原因であるのかを明確にする必要があります。その上で、適切な治療を受けることをお勧めします。
歯並びでお悩みの方はぜひ当院のカウンセリングでご相談くださいね
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