投稿日:2023.4.5
出っ歯ですきっ歯が目立つ!どうしたらいい?
こんにちは。池袋駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます。
「出っ歯」とは、上の前歯が下の前歯よりも前に出ている状態のこと。
軽度の出っ歯の場合、上の前歯が少し前に傾いている程度ですが、重度になると下の歯と全く噛み合わなくなってしまうことも。
さらに、出っ歯の中には、前歯の間に隙間ができてしまう「すきっ歯」の状態になってしまうケースも。
今回は、出っ歯とすきっ歯が同時に起こる場合、どのような治療法があるのか、原因や予防法などについて解説していきます。
目次
出っ歯とは?
上の歯が下の歯よりも少し前に出ているのは、正常な歯並びであることをご存じですか?上の歯が2~3mmほど前に出ている状態が理想的とされています。
では、「出っ歯」とは、どんな状態を指すのでしょうか?それは、上の歯が下の歯よりも4mm以上前に突出している状態のことです。鏡を見て、自分の歯並びをチェックしてみましょう。
- 上の歯が下の歯をほとんど覆い隠してしまうくらい前に出ている
- 横から見ると、口元が前に突き出ている
- 口を閉じても、唇が閉じにくい
このような場合は、「出っ歯」の可能性があります。
原因
出っ歯の原因は大きく分けて、骨格と歯の2つの原因が考えられます。
【骨格性】
- 上顎の骨が過度に成長している
- 下顎の骨が十分に成長していない
- 上顎と下顎のバランスが崩れている
これらの原因により、上の歯全体が前に出ている状態です。
たとえば、顎の骨の成長に影響を与える遺伝的な要因や幼少期の指しゃぶり、口呼吸などの癖が骨格性の出っ歯につながる可能性があります。
【歯性】
- 歯の傾きが前方に向いている
- 歯が前に出ている
- 歯並びがデコボコしている
これらの原因により、歯だけが前に出ている状態です。
たとえば、舌で歯を押す癖や歯ぎしり、食いしばりなどが、歯性の出っ歯を引き起こす可能性があります。
どちらの場合も矯正治療で改善可能です。骨格性の出っ歯の場合、顎の骨の成長をコントロールする治療や、外科手術を併用する必要がある場合もありますが、歯列矯正によって改善が可能です。
歯性の出っ歯の場合は、歯列矯正によって歯の傾きや位置を調整することで、改善が期待できます。
影響
重度な出っ歯となると、下の歯とは全く噛み合わなくなり、見た目だけでなくお口の機能面でも悪影響がでてきます。
私たちの歯は、上下合わせて28本で噛む力を支え合っています。しかし、出っ歯によって前歯が噛み合わなくなると、奥歯に過度な負担がかかってしまうのです。その結果、虫歯でもないのに歯が痛んだり、最悪の場合、歯が噛む力に耐え切れずに割れてしまうことも。
さらに、噛み合わせの悪化は、顎関節症や頭痛、肩こりなどを引き起こす可能性も考えられます。また、発音が不明瞭になったり、食べ物をうまく噛み砕けなかったりと、日常生活にも支障をきたすことも少なくありません。
矯正治療では、歯並びを整えることで、これらの問題を解決することができます。噛む力のバランスが改善され、歯への負担を軽減することで、歯の寿命を延ばす効果も期待できます。つまり、矯正治療は、歯を長持ちさせるための有効な手段と言えるでしょう。
なぜ出っ歯だとすきっ歯になるの?
歯は前に出ると、歯が前に押し出される力によって、歯の根っこが傾斜し、歯冠(歯の頭)が前方へ移動するため自然と前に傾いて出てきます。
更に前に出ると歯と歯の間に隙間が生じて、いわゆるすきっ歯の状態となってしまいます。歯が前に傾くことで、歯と歯の接触点が少なくなり、隙間が広がってしまうのです。特に重度の出っ歯の方には、すきっ歯が多く見られます。
ただし、以下のような要因も考えられます。
- 歯が小さい
- 顎が大きい
- 歯の本数が少ない(先天性欠如)
そのため、すきっ歯だからといって必ずしも出っ歯であるとは限りません。
出っ歯やすきっ歯を予防するには?
出っ歯やすきっ歯は、遺伝的な要因もありますが、実は毎日の習慣が大きく影響していることをご存知ですか?後天的な要因で起こることも多く、日々のちょっとした心がけで予防できる可能性があります。
たとえば、頬杖をついたり、歯を押す癖はありませんか?これらの癖は、歯並びに悪影響を与えてしまうのです。気づいた時にすぐにやめるように意識してみましょう。
また、口で呼吸する癖がある方も要注意です。口呼吸は、口周りの筋肉の発達を妨げ、歯並びや顎の発育に影響を与える可能性が。鼻呼吸を意識することが大切です。
さらに猫背などの悪い姿勢は、顎の発育に悪影響を与えてしまうので、正しい姿勢を保つように心がけましょう。
出っ歯は矯正治療で治るの?
出っ歯は矯正治療で治すことができます。
矯正治療では、マウスピース型、裏側矯正、表側矯正など、さまざまな装置を用いて歯を動かし、出っ歯を改善します。
①軽度な出っ歯の場合
軽度な出っ歯の場合は、歯と歯の間をわずかに削るIPR(歯間削合)という方法で治療できることがあります。IPRは、歯を少しだけ削ることで、歯並びを整えるためのスペースを確保する方法です。軽度な症例であれば治療期間も1年前後で完了する可能性もあります。
②重度な出っ歯の場合
大きく前歯を下げる必要がある場合は抜歯が必要になります。一般的には前から数えて4番目の「第一小臼歯」という歯を抜いて、前歯を後ろに下げていきます。
抜歯すると歯を大きく動かす必要があるため、治療期間は2年前後かかることが多いです。
2年という治療期間は長く感じるかもしれませんが、前歯の見た目の変化は3~6ヶ月ほどで実感できることが多いです。
実際に治療するとどうなるの?
実際に矯正治療を行うと歯がどのように動いていくのか、写真を使って説明します。
こちらの方は上の歯が大きく前に傾き、歯と歯の間にも隙間がある状態でした。前歯で物が咬めず、口が閉じられないことがお悩みの方です。
また正面から見ると歯と歯の間に隙間があり、出っ歯とすきっ歯の状態です。原因は歯の傾きにあるタイプの重度の出っ歯です。
分析の結果、小臼歯を抜歯して歯を動かすスペースを作り、上が裏側・下が表側のハーフリンガル矯正で治療をすることとなりました。
下が装置をつけて6ヵ月後の写真になります。
飛び出ていた上の前歯2本が後ろに下がり、出っ歯が改善してきています。正面からみると、上の前歯の隙間は閉じており、すきっ歯は改善されました。
抜いた歯の隙間も少しずつ閉じていますが、これから大きく前歯が下がっていきます。
途中とはいえ、ここまで変化が出るのは嬉しいですね。矯正治療はここから大きく上の前歯を下げて、最後に上下の咬み合わせをあわせていくので、治療期間はやはり2年程度は必要になってきます。
まとめ
出っ歯とすきっ歯は、放置するとさまざまな悪影響を及ぼす可能性がありますが、矯正治療によって改善することができます。
軽度の出っ歯の場合は、歯と歯の間を削るIPRという方法で治療できることもありますが、重度の場合は、抜歯が必要になることも。治療期間は、一般的に2年前後必要です。
現在の歯の状態によって治療方法や期間は変わってくるので、それらを分析するためにも精密な検査が必要になってきます。
池袋駅前歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法をご提案いたします。
出っ歯やすきっ歯でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。