投稿日：2023.6.10

ゴムかけ（顎間ゴム）とインプラントアンカーどちらが効率的？

こんにちは。池袋駅前歯科・矯正歯科です。
歯科矯正治療では、上下の顎の位置や歯並びを整えるために「ゴムかけ（顎間ゴム）」が用いられることがあります。
この顎間ゴムは、歯を理想的な位置に動かし、顎のバランスを調整する役割を果たします。
しかし、取り外しが可能なため、装着方法を誤ると効果が十分に得られないこともあります。
今回は、顎間ゴムの種類とその役割、さらにゴムかけに代わる効果的な矯正治療方法について詳しく解説し、ご自身に合った治療方法を選ぶ際の参考にしていただければと思います。
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ゴムかけ（顎間ゴム）とは？その種類と役割

ゴムかけ（顎間ゴム）は、３〜８mmの小さな輪ゴムを上下の歯に引っ掛け、歯や顎の位置を調整する矯正治療の方法です。
ゴムが引っ張る強さと顎を開け閉めするときの負荷を利用し歯や顎の位置を調整します。
顎間ゴムを利用することで歯を正しい位置に導き、噛み合わせの改善や特定の歯の位置を細かく調整することができます。
特に、骨格や噛み合わせにズレがある場合に使用されます。
ワイヤー矯正の表側矯正や裏側矯正（舌側矯正）、さらにはマウスピース型矯正で補助的装置として使用されることがあります。
矯正治療の際に使用される顎間ゴムには、症例に合わせていくつかの種類があります。
主な3種類の顎間ゴムを説明していきましょう。

Ⅱ級顎間ゴム

上顎が前に出ている、いわゆる「出っ歯」のケースで使われるタイプのゴムです。
上の歯は犬歯に、下の歯は奥歯にゴムをかけることによって上の歯を後方に、下の歯を前方に引っ張り、上下の前後位置を調整します。

Ⅲ級顎間ゴム

下顎が前方に出ている、いわゆる「受け口」の場合に使われるタイプのゴムです。
下の歯を後方に、上の歯を前方に移動させ、上下の顎のバランスを整えます。

垂直顎間ゴム

上下の歯の高さを調整するために使用されるゴムです。
開咬（噛み合わせが開いた状態）や上下の歯の高さに不均衡がある場合に、噛み合わせを整えるために使用されます。
顎間ゴムは、患者の症例や治療目標に応じて異なる装着方法や位置が指定されます。
治療効果を得るためには、医師の指示に従い、決められた時間と頻度で装着することが重要です。

ゴムかけより効果のある矯正治療は？

ゴムかけより効果のある矯正治療方法は「歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正」です。
アンカースクリューは、特定の歯を動かすための支点として使われる小さなネジ状の装置です。
直径1.8mm〜2mm、長さ5mm〜10mmのチタン製のネジを顎の骨に固定することで、動かしたい歯に力を集中させ、確実に移動させるために用いられます。
アンカースクリューの特徴と、顎間ゴムとの違いについて詳しく見ていきましょう。

顎間ゴム

上下の歯に直接装着し、歯の位置を調整しますが、ゴムの弾力により力が分散されるため、細かい調整が難しい場合があります。
また、ゴムの伸びによって力が変わることがあり、安定性には限界がある点が特徴です。
さらには、自身で取り外しを行う必要があるため正しく装着ができていない場合、十分な効果が得られないでしょう。

アンカースクリュー

顎の骨に直接固定されるため、安定した支点を得られ、特定の方向に正確に力を加えることができます。
従来の方法では困難であった方向へ、歯を移動させることができるため、理想の歯並びを正確にかつ早く手に入れることができるようになりました。
このように、アンカースクリューを併用することで、計画通りに歯を移動させやすく、特に奥歯を引っ張るなどの精密な治療が必要な場合に効果を発揮します。
アンカースクリューは、顎間ゴムよりも高い精度で歯を動かすことができるため、治療がスムーズに進みやすくなります。
特に、広範囲の歯を動かしたり、特定の方向に歯を移動させたい場合に適しています。
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顎間ゴムよりアンカースクリューの方が効率的な理由

矯正治療において、顎間ゴムが一般的に用いられる一方で、アンカースクリューはより高い効率を提供できる方法として注目されています。
アンカースクリューが効率的な理由を以下に示します。
顎間ゴムはゴムの性質上、引っ張る力が分散されやすく、長期的に装着していると力が弱まることがあります。
そのため1日の中でも数回ゴムの交換を行う必要があります。
一方、アンカースクリューは顎の骨に直接埋め込まれているため、安定した支点を維持でき、計画通りの力を持続的にかけることが可能です。

顎間ゴムの場合は、上下の歯にゴムをかけるため、どちらか片方にのみ作用したい場合でも両方の歯に矯正力がかかってしまいます。
そのため、動いてほしくない歯が動いてしまう可能性もあり、その都度調整が必要になってきます。
しかし、アンカースクリューの場合は特定の歯のみに矯正力を与えたり、特定の方向に精密な力を加えることができるため、奥歯や難しい部位の歯の移動にも効果を発揮します。
これにより治療が効率よく進み、矯正期間が短縮されることも期待できます。
さらには、顎間ゴムでは難しい奥歯の移動や骨格的な位置調整にも対応が可能な点もアンカスクリューのメリットとして挙げられます。
上下の顎の位置を理想的な関係にするために、骨の支点を利用することで高い治療効果が得られます。
このことからアンカースクリューは、広範囲な矯正や難易度の高い矯正治療に対して、顎間ゴムに比べて効率が良く、より高精度な治療を提供する選択肢といえるでしょう。

アンカースクリューは痛くないの？

アンカースクリューの装着は、顎骨にネジを埋め込むため外科的な処置が必要です。
このため、「痛みが強いのでは？」と心配する患者さんも多いかと思いますが、実際には痛みが少ない治療方法が取られています。
施術時には局所麻酔を行うため、装着中の痛みはほとんどありません。
さらにアンカースクリューは直径1.8mm〜2mm、長さ5mm〜10mmの小さなネジですので、低侵襲であり、埋入に要する時間も15分ほどと短時間で済むため、処置中の不快感も少なく抑えることができます。
アンカースクリュー装着後には、違和感や圧迫感を感じることがありますが、通常は数日から1週間ほどで落ち着きます。
痛みが強い場合には鎮痛剤を処方してもらえるので、不安な場合は歯科医に相談しましょう。

また、アンカースクリューは顎間ゴムに比べ、装着後に頻繁に取り外す必要がなく、長期間安定した治療を続けられるというメリットもあります。
頻繁な装着や取り外しが不要なため、装置の管理が簡単で、患者さんの負担も軽減されることが特徴です。

まとめ

顎間ゴムとアンカースクリューは、どちらも矯正治療において有効な補助装置として役立ちますが、いくつか違いがあることが分かりましたね。
顎間ゴムは、噛み合わせの調整や歯の微調整に優れており、幅広い症例に対応可能です。
比較的手軽に装着でき、装置も小型ですが、毎日の自己管理が必要で、最低でも1日20時間以上の装着を求められます。

しかし、アンカースクリューは、顎骨に固定されるため安定性が高く、特に奥歯の移動や複雑な矯正治療が必要な場合に効果を発揮します。
外科的な処置が必要ですが、一度装着すると頻繁な調整が不要で、長期間にわたって安定した支点を確保できます。
矯正治療を進める際には、治療目的や口腔内の状態を相談し、最適な方法を選ぶことが重要です。
アンカースクリューとゴムかけ、どちらも優れた補助装置です。
自身の口腔内に適した方法を選択できるようにきちんとカウンセリングを受けましょう。
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