投稿日:2022.9.23
小さい顎は歯並びにどう影響する?矯正治療の必要性
皆さま、こんにちは!池袋駅前歯科・矯正歯科です。
「歯が狭い間隔でガタガタしている」「顎が狭くて前歯が出っ歯になっている」などのお悩みはありませんか?
多くの方は、歯そのものに原因があると思いがちですが、実は「顎」が歯並びに大きく影響しています。
整った歯列になるためには、土台となる顎のスペースが重要です。しかし、この顎の発達が、何らかの影響で妨げられると、狭いスペースに押し込まれて並ぶことになり、結果的にガタガタとした不規則な歯並びになってしまいます。今回は、顎と歯並びの関係について詳しく解説し、どのように改善できるのかをご紹介します。
目次
顎が小さく劣成長になってしまうのはなぜ?
顎の発達には、成長の過程での「先天性」と「後天性」の2つの要因が影響しています。以下にこの2つの原因について詳しくご説明します。
①先天性
先天性の要因は、生まれつきの性質や特徴によるもので、遺伝が大きく関与し、祖父母や両親から引き継がれることがあります。
②後天性
幼少期の食事や生活習慣が顎の骨格に影響を及ぼすことがあります。顎の発達が活発な6〜8歳の時期に、柔らかい物ばかり食べていると咀嚼回数が減り、成長が妨げられてしまいます。他にも、悪い姿勢や口呼吸、指しゃぶりなどの癖も要注意です。
スペース不足で歯がまっすぐ生えることが困難
歯が生えるための十分な顎のスペースが無い場合、生えてくる歯が不自然に密集することになります。特に、歯列が凸凹になる「叢生」や、押し出されて「出っ歯」などの症状が見られることが多いです。そのままにしておくと、歯周病や顎関節症などのリスクが高まる恐れもあります。
歯の大きさや骨格には個人差があり、必ずしも全員に問題が生じるわけではありませんが、実際に、多くの方が歯の重なりや歯並びに悩んでいます。
顎変形症の症状
顎変形症は、顎の発育や位置に異常が生じ、正常な状態からずれることによって起こる症状のことを指します。顎の骨格に問題がある場合、顎変形症と診断されることがあります。また、上下の顎の不均衡により、「出っ歯」や「受け口」になることや、顔に歪みが生じてしまうこともあります。また、顎の関節に痛みや違和感が出る顎関節症が起こるリスクもあります。顎変形症の場合、矯正治療と外科手術を併用することが一般的です。
床矯正で顎の成長を促進できる?
床矯正(しょうきょうせい)は、主に5〜10歳頃の子どもを対象とした矯正治療です。この治療は、成長期の子どもの顎の発育を促すことを目的としています。矯正装置を使って顎を広げることで、永久歯が正しく並ぶためのスペースを確保します。特に、永久歯が生えそろう前の時期は、顎が柔軟であるため、特に効果が得られやすいです。成長期の自然な成長を活かしながら、無理なく顎の成長をサポートすることができます。事前に歯列や骨の状態を検査して、効果が期待できる場合にのみこの方法が適応できます。取り外しが可能であるため、継続した装着の習慣が必要です。そのため、治療を中断しないためには、お子様の理解と協力が求められます。
成人の場合にも、「MSE」という上顎骨拡大装置を使用することで成長を促すことができる可能性がありますが、年齢や性別、代謝によって効果の差があります。
また、上顎骨を左右に割くように拡大を促す為、頭痛や鈍痛が起こることが考えられます。
拡大と同時に上顎前歯も左右に離れてしまう為大きな隙間が生まれたり、鼻の孔や鼻翼が広がってしまうという審美的デメリットもありますので日常生活に大きな影響はでやすいでしょう。
成人矯正の「抜歯」による対処法
上記に述べた拡大装置は考えられないという場合は、歯が正常な位置に並ぶためのスペースの確保が課題となります。特にスペースが狭く歯の重なりが強い場合には抜歯を考慮します。抜歯を避ける治療法もありますが、状況によっては抜歯が最善の選択肢となることがあります。
対象になる歯は、前から4番目の歯(第一小臼歯)を抜くことが多いです。
将来的な影響を心配される方もいますが、抜歯により歯列を顎の骨格に合わせて整えることで、咬み合わせた時の歯への負担を軽減できます。また、歯がきれいに並ぶことで口腔ケアがしやすくなり、結果的に歯の保存率が高くなります。
顎の発達不足が引き起こす咬み合せ
①出っ歯(上顎前突)
通常、上の歯が下の歯に軽く被さる程度が理想的ですが、出っ歯(上顎前突)はこのバランスが崩れ、上顎の前歯が大きく前方に出過ぎています。土台となる骨(歯槽骨)も狭くなると、前歯が出っ歯になることがあります。出っ歯は見た目の問題だけでなく、口呼吸になりやすいため、口の中が乾燥しやすく、口内環境が悪化しやすくなります。また、噛み合わせにも問題がある場合が多く、前歯で食べ物を噛みきれないことがあります。
②口ゴボ(上下顎前突)
口ゴボとは、上下顎の前歯が唇側に突出し、口元全体が前に出ているように見える状態です。
顎が狭いことで歯と歯が密集し、前歯が外側(唇側)に向かって動いてしまうことで、口ゴボになることがあります。また、開咬(奥歯が噛んでいても前歯が噛み合わない状態)が原因で口ゴボになっている場合もあります。唇が閉じにくいため、口の中が乾燥し口腔衛生環境が悪化しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、口で呼吸する事が多くなるため、口周りの筋肉が衰え、さらに歯並びが悪化しやすいです。
③重度の叢生(凸凹した歯並び)
叢生とは、歯が不規則に並んでいる状態のことを指します。歯が重なったり、ねじれたりして、まっすぐに生え揃わないことが特徴です。歯槽骨のスペースの不足や、歯が過剰に大きいことなどが原因で起こります。叢生が進むと、歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まるほか、噛み合わせの悪さから顎関節症を引き起こすこともあります。
④下顎位後退
下顎が正常な位置より下がっている状態が下顎位後退です。首と顎の境目がわかりにくく感じる方や、「下顎がない」と感じている方も当てはまります。上顎が正常な場合でも、下顎が引っ込んでいるため、上顎が目立ち出っ歯のようになることもあります。
また、横顔のEラインのバランスが悪いと感じる方も多くいらっしゃいます。また、骨格的な問題があるケースには先に外科手術をして、その後に矯正治療に移ることもあります。さらに、審美性を高めたい場合には、矯正治療に加えて審美治療が必要となる可能性があります。
矯正治療の種類と選び方
矯正治療を始める際には、治療方法の種類やそれぞれのメリット・デメリットを理解し、どれが自分に適しているかを見極めることが大切です。矯正治療の選び方では、見た目の問題や治療期間、ライフスタイルに合わせた選択がポイントとなります。また、顎のサイズや歯列の状態によって適した治療法が異なるため、事前に専門医と相談して自分に合った方法を選びましょう。以下にご紹介する治療方法は、あくまで参考にご覧ください。
※重度の叢生がある場合には、顎の位置や歯の状態に応じて推奨する治療が変わることがあります。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正とは、上の歯には歯の裏側(舌側)に、下の歯には表側にブラケットやワイヤーを付ける方法です。見た目の自然さと装着の快適さが特徴です。笑ったときに上の前歯の装着を目立たせないようにしたい方に適しています。また、下の歯には表側矯正の外向きの力がかかりやすいため、下顎位後退の方にも適しています。
>>ハーフリンガル矯正
裏側矯正(舌側矯正)
歯の内側(舌側)にブラケットやワイヤーなどの矯正装置が付く治療方法です。装置が目立たずに治療を進める事ができるため、見た目を気にせずに治療ができます。また、矯正装置が装着された方向に力がかかりやすいため、突出した歯を後ろ(内側)に下げたい「口ゴボ」や「出っ歯」の治療に適しています。
まとめ
綺麗な歯並びを保つために顎が正常に成長することは非常に重要です。しかし、親からの遺伝や、日常での生活習慣などのさまざまな要因で、顎の成長が妨げられることがあります。子どもは床矯正を用いることで顎の成長をサポートできるため、早期に専門医に相談することが重要です。一方で、大人になると顎の成長が止まるため、抜歯を行って骨格に合わせた歯列矯正をすることがほとんどです。矯正治療を始める際には、まず精密検査を行い、患者様の症状に適した治療法を選ぶことが重要です。当院では、治療を始める前に仕上がりや治療のメリット・デメリットをご説明し、患者様に合った治療方法をご提案しています。歯並びや噛み合わせでお悩みの方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
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