投稿日:2023.7.3
過去に矯正した歯並びの再治療はできる?
こんにちは。
池袋駅前歯科矯正歯科です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
「やっと綺麗になった歯並び、なのに最近またズレてきた気がする…」「昔矯正したのに、元に戻ってしまったみたい…」そんな悩み、抱えていませんか?実は、矯正治療できれいに並べた歯も歯は歯ぎしりや食いしばり、加齢、歯周病などによって常に変化するものです。
この記事では、「過去に矯正した歯並びの再治療は可能なのか?」という疑問にお答えします。後戻りを予防する方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
矯正後の後戻りとは?
長い時間と費用をかけて手に入れた美しい歯並び。元の状態に戻ってしまう現象、いわゆる「後戻り」が起こる可能性があるのです。
矯正装置を外した直後は、歯を支えている骨がまだ完全に固定されていないため、後戻りが起こりやすいと言われています。
程度は人によってさまざまです。ほんの少しだけ歯が動いてしまう場合もあれば、歯並び全体が大きく動いてしまう場合もあります。
後戻りする原因はさまざま
最も多いのが「保定装置(リテーナー)の装着不足」です。矯正後の歯は、元の位置に戻ろうとする力が常に働いています。リテーナーはこの力に抵抗し、歯を新しい位置に安定させるための重要な役割があります。
指示された装着時間を守らなかったり、正しく装着できていなかったりすると、せっかく整えた歯並びが徐々に崩れてしまう可能性が。リテーナーは、矯正治療と同じくらい大切なもの。面倒に感じても必ず指示通りに装着するようにしましょう。
また、「加齢による変化」も原因の一つ。年齢を重ねると歯を支える骨や歯茎も変化します。それによって、歯が動きやすくなってしまうことがあるのです。
さらに、「舌の癖」も意外な落とし穴。無意識に舌で歯を押す癖は、歯に持続的な力が加わり動かしてしまうことがあります。
過去に矯正した歯並びの再治療はできる?
結論から言うと、矯正した歯並びは再治療は可能です。たとえば、以前と同じようにワイヤーを使って歯を動かしたり、透明で目立ちにくいマウスピースを使ったりなど、患者さんの状態や希望に合わせた治療法が選べます。
気になる期間や費用ですが、たとえば範囲が狭い場合、部分矯正が適しているでしょう。全体を矯正する必要がないため、費用を抑え、治療期間も短縮できます。しかし、範囲が広い場合や噛み合わせに問題が生じている場合は、全体矯正が必要です。
矯正治療で歯が動きやすくなっている場合もあるため、治療期間や費用はケースバイケースです。
ただし、全員が全員再矯正可能なわけではありません。
矯正治療を1度でも行うと、「歯根吸収」という症状が起こり、歯の根っこが短くなります。
歯根が安全値よりも短くなっている場合、もしくは再矯正をすることで短くなる可能性が高い場合には、断られることもあります。
それでも再矯正をしたい場合は、「歯を抜けるリスク」を負いながら再矯正をすることになるのです。
再治療が可能かどうか、どのような治療法が適切か、期間や費用はどれくらいかかるかは、実際に歯科医師が口腔内の状態を診察してみないと判断できません。
さらに、再治療を考える際には、なぜ後戻りしてしまったのか、その原因を理解することも重要です。たとえば、保定装置の装着が不十分だったのか、舌の癖が影響していたのか、原因によって再治療後の注意点も変わってきます。
もし歯並びが後戻りした場合は、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。
矯正後の後戻りを予防するには?
長い治療期間を経て手に入れた美しい歯並びは、ずっとキープしたいものです。再矯正自体にもリスクはあるので、歯の為にも後戻りを防止したいですね。
後戻りを予防するためには、以下のポイントに気をつけましょう。
保定装置をしっかりと装着する
一番大切なのは、保定装置(リテーナー)をしっかりと装着すること。歯科医師から指示された時間、きちんと使い続けることが後戻りを防ぐための鉄則です。
治療内容や歯の状態によって保定期間は異なりますが、一般的には矯正期間と同じくらいの長い期間、使用が必要になることもあります。
そのため、「もう大丈夫だろう」と自己判断で装着をやめてしまうと、せっかく整った歯並びが少しずつ元に戻ってしまうかもしれません。
また、快適に使い続けるためには、「定期的なメンテナンス」も重要です。長期間使用していると変形したり、破損したりすることもあります。また、歯が動くことで合わなくなってしまうことも。
定期的に歯科医院でフィッティングをチェックしてもらい、必要に応じて修理や交換を行いましょう。
日々のケアを怠らない
歯周病は、歯を支える骨を溶かし、歯の移動を引き起こす原因の一つ。
正しい歯磨きで歯周病を予防することは、美しい歯並びを保つためにも重要です。歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスも活用して、歯の隙間や歯ぐきの境目まで丁寧に磨き上げましょう。
癖の改善を目指す
以下のような癖は、後戻りを引き起こしてしまう可能性が。
- 歯ぎしりや食いしばり
●爪を噛む
●舌で歯を押す
●頬杖
●口呼吸
●うつ伏せ・横向き寝
これらの癖は矯正中に改善するのが望ましいです。
中でも舌の癖や口呼吸は、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれるお口周りのトレーニングで改善を目指せます。MFTは、専門家指導のもと、舌や口周りの筋肉を鍛えることで、正しい舌の位置や機能を身につけるトレーニング。舌の筋肉を鍛え、正しいポジションを覚えさせましょう。
爪を噛む、頬杖をつく、口呼吸をするといった癖も歯並びに悪影響を与える可能性があります。これらの癖は、無意識のうちに行っていることが多いので、まずは「自分がどんな癖を持っているのか」を自覚することが大切です。そして、意識的に「やめよう」と努力してみましょう。
定期的にメンテナンスを受ける
定期的にメンテナンスを受けることで、歯の状態を把握し、問題点があれば早期に対処できます。
また、メンテナンスではプロによるクリーニングを受けられます。毎日の歯磨きをどれだけ丁寧に行っていても、どうしても磨き残しが出てしまうもの。蓄積した汚れや歯石は、虫歯や歯周病の原因となり、歯並びにも悪影響を及ぼしてしまうのです。
歯科衛生士による徹底的なクリーニングでお口の中を清潔に保ち、健康な歯を維持しましょう。
矯正した歯並びが後戻りしてしまったら?
まずは鏡で自分の歯並びをよく観察してみましょう。以前と比べて、どの歯がどのように動いているのか、噛み合わせに違和感はないか、などを確認します。写真と比較してみるのも良い方法です。
セルフチェックで後戻りの可能性を感じたら、歯科医師に相談しましょう。自己判断で放置すると状態が悪化し、最初と同じような矯正治療が必要になるかもしれません。
最初に矯正治療を受けた歯科医院に相談できればベストですが、転居などで通院が難しい場合は、新しい歯科医院を探しましょう。インターネットで口コミや評判を調べたり、周りの人に相談したりするのも良いかもしれません。
矯正歯科医に相談すると、精密検査を行い、原因や程度を診断してくれます。なお、一つの歯科医院だけでなく、複数の矯正歯科医の意見を聞く「セカンドオピニオン」も有効な手段です。異なる視点からのアドバイスを得ることで、納得のいく治療を選択できるでしょう。
まとめ
矯正後の後戻りは、保定装置の装着不足、加齢による変化、舌の癖など様々な原因で起こります。矯正した歯並びは再治療が可能です。軽度の場合、最初に矯正したときよりも短期間でリーズナブルに治せる可能性があります。
程度が軽度の場合も重度の場合も、まずは歯科医師に相談することが大切です。
当院では、後戻りの矯正を行っています。ほかの医院で治療を受けた方でも受診できるので、気になる方は気軽にご相談ください。