投稿日:2023.4.10
矯正中は食事制限があるって本当?
矯正治療をしたいけど、意外と気になるのが食事ではないでしょうか?
よく「矯正期間は食事を摂ることが大変」という声や「担当医に食事制限させられた」といった声まで聞こえてくるほど矯正期間の食事は一筋縄ではいかない…というイメージを抱く人が増えています。
しかし、実際のところ矯正期間中の食事に制限はあるのでしょうか?
そこで今回は、矯正をはじめたばかりの方や矯正を考えている方に向けて、矯正中における食事について考察していきたいと思います。
おすすめの食べ物や避けたほうがいい食べ物まで紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
矯正中の食事には制限がある?
結論からいうと、矯正治療中の食事に制限はありません。
基本的には、どんな食べ物であっても食べ方を工夫して食事するのであれば問題ないといえるでしょう。
マウスピース型矯正は装置を外して飲食を取ってもらう為、特に治療以前と変わりありません。しかし、矯正中は歯根に力がかかっている為痛みを感じやすくなっています。硬いものを食べると噛む力で痛みが出ることも多々あるので、自身のコンディションに合わせて食べるものを調整する必要はあります。
ワイヤー矯正は、歯にワイヤーを通すためにブラケットと呼ばれるボタン型の金具を歯に固定する治療法です。
器具が常についた状態である為、今まで通りの食事の摂り方は難しいです。
前述したように、特に制限はありませんが、装置が外れたり、器具まわりに付着して掃除が大変になったりすることが考えられます。
来院頻度を増やしたくない、歯磨きに時間をかけたくないという方は外れやすい食べ物を控えたり、食べ方を工夫してみることをお薦めいたします。
〈マウスピース矯正〉
・得に食事制限なし。
ただし、食後は必ず歯を磨いてから装着する必要あり
〈ワイヤー矯正〉
・得に食事制限なし
ただし、器具に負荷がかかると外れるので、来院頻度を増やしたくない場合は食べ方を工夫する必要あり
・粘着性の高い食べ物(ガム、キャラメルetc…)は器具まわりに付着して歯磨きが大変になる可能性あり。控えることをおすすめ
「矯正治療=食事が難しい」といわれる理由
「矯正中は食事が難しいって本当ですか?」
「矯正すると痛みで食べられないんですか?」
このような質問をたびたび見かけます。
やはり矯正治療のイメージが〈痛みを伴う治療〉と思われる方が多いからでしょう。
この章では、矯正治療をすることでなぜ食事が難しいといわれているのか、その理由を深掘りしてみます。
歯が動くと痛みが出る
矯正治療の目的は、正しい位置に歯を動かすためです。
そのためマウスピース型矯正・ワイヤー矯正どちらの治療法でも、歯を動かす治療をすることから多少なりとも痛みを感じることになるでしょう。
歯が動く痛みは、よく「圧迫感がある」と表現されることが多く、通常感じる痛みとは少し違います。
違和感があると、どうしても食事が難しいと感じてしまうでしょう。
噛むたびに痛みが走る
歯を動かす痛みだけではなく、噛んだときにも痛みを感じやすいです。
少しずつ歯を動かすことで噛み合わせが変化し、食べ物を噛むときにズキズキした痛みが走ります。
ただ、常に痛いというわけではなく矯正装置を調整した直後から一週間程度のあいだに痛みを伴うことが多く、それ以降は徐々に緩和していくでしょう。
矯正器具に食べ物が挟まるのでストレスになりやすい
さきほども述べたように、矯正装置をつけると食べ物が挟まったり絡まったりしやすくなります。
いくら食べ方を工夫したとしても絶対挟まらないというわけではないため、慣れない期間はストレスを抱えやすいかもしれません。
ストレスで食事を諦めてしまう方もいることから、体調にも支障が出る懸念があります。
そうならないためにも事前に矯正治療について調べたり、担当医に質問したりしながら情報収集をしておきましょう。
矯正期間中のおすすめ食事内容
冒頭で説明したように、ワイヤー矯正をする場合は食べ物を工夫して食べることが推奨されています。
ですが、いつも食べやすいように工夫し続けることは大変な作業でありストレスの原因にもなりかねません。
以下の食べ物は、矯正期間中に食べやすい物ばかりですので、ぜひ取り入れてみるといいでしょう。
〈おすすめの食べ物〉
- リゾット
- おかゆ
- 煮込みうどん
- 豆腐を使用した料理
- 野菜や果物のスムージー
- やわらかいハンバーグ
- やわらかい具材の煮物
- 煮魚
- ポテトサラダ
- マカロニサラダ
- ヨーグルト
- プリン
- ゼリー
- スープ類
- 味噌汁
矯正装置を調節した直後は痛みが強く出やすいことから、やわらかく、かつ装置に挟まりにくい食べ物がおすすめです。
なるべくストレスなく噛めるように、上記の食べ物を少しずつ食べるようにすると痛みを感じにくいでしょう。
しかし、注意してほしいのが上記の食べ物ばかり食べ過ぎないことです。
矯正期間中は、どうしても歯ごたえのない食事になったり栄養が偏ったりしてしまいます。
矯正装置を調節した直後は上記の食べ物を中心に摂取し、痛みが比較的少ないときは栄養バランスを考えたメニューを食べるように意識することが大切です。
矯正期間中におすすめしない食事内容
反対に、矯正期間中に控えてほしい&避けてほしいというおすすめしない食べ物もあります。
矯正治療中に注意してほしいことは、何と言っても〈矯正装置を壊さないよう配慮する〉こと。
そのためにも硬めの食べ物や、こびりついたり粘りついたりする食べ物、そして絡みやすい食べ物は控えておくほうが安心です。
〈控えたほうがいい食べ物〉
▼硬めの食べ物
- せんべい
- ハード系のパン(フランスパンなど)
▼こびりつく食べ物
- ガム
- キャラメル
- 餅
▼絡まりやすい食べ物
- 繊維性のある食べ物(やさい)
- えのき
- パイナップル
- 春雨
硬めの食べ物は、噛んだときに痛みを感じやすいことから控えたほうがベストです。
ガムやキャラメルなど、矯正装置にこびりついてしまう食べ物は、一度くっつくとなかなか除去が難しく、結果的にストレスの原因につながります。
痛みがないとしても矯正期間中はあまり食べないことをおすすめします。
そして装置に絡みやすい繊維性の食べ物は、注意しながら食べるぶんには問題ありません。
しかし、一度挟まると絡み合った食べ物を除去するたびにストレスがかかりやすいといえます。
矯正期間中はいつも以上に清掃が大切
矯正期間中は、いつもより〈むし歯〉になりやすい傾向にあります。
理由は、歯の表面に矯正装置を固定していることで、汚れが停滞してプラークがたまりやすいからです。
マウスピース型矯正の場合でも汚れのある歯の表面にマウスピースをはめることで、同じようにむし歯にかかるリスクが高まります。
以上のことから、すべてにおいて矯正期間中は歯周疾患に注意する必要があるのです。
では、矯正期間中の清掃をするにあたって、どのような部分に注意して磨く必要があるのか、詳しく解説します。
矯正中の清掃ポイント
「入念なケアをしたほうがいい」と頭では理解できても、いざ清掃しようとするとどこに注意しながら清掃すべきかわからない方も多いでしょう。
矯正期間の清掃で最も意識したい部分は、〈矯正装置と歯の境目〉と〈歯と歯のあいだ〉の2箇所です。
この2箇所は特に汚れが停滞しやすく、放置しやすい部分にあたります。
- 小さめヘッドの歯ブラシをつかい、1本ずつ磨く
- たて・よこ磨きに加えて、ななめ磨きをして汚れを落とす
- 手鏡で確認しながら磨く
- フロスを併用して、歯と歯のあいだの汚れを落とす
- ワンタフトブラシを活用し、奥歯や凹凸部分に当てる
- マウスウォッシュを使用する
普段使いの歯ブラシは、ヘッドの小さいブラシがおすすめです。
大きいヘッドでは矯正装置に対しすみずみまで当てることが難しいため、操作性の良い小さいヘッドがいいでしょう。
また、さらにヘッドの小さいワンタフトブラシやフロスを取り入れると、さらに磨きやすさがアップします。
自分では磨けていると思っていても案外汚れは取れていないことが多いのです。
磨いたあとは、最後にマウスウォッシュで仕上げをすることで歯周疾患や口内炎の予防にもつながるため、ぜひ取り入れてみるといいでしょう。
矯正治療をはじめようか悩んでいる方は当院のカウンセリングを受けてみませんか?
一度、矯正治療をすると年単位で期間がかかることから、食事の面で矯正に踏み出せないという方もいると思います。
しかし、今回紹介した食事内容を参考にすることで矯正中も食事ができることがおわかりになったことでしょう。
「矯正期間は食事ができない」「好きな食べ物が食べられない」というわけではありませんので安心してくださいね。
当院では、治療面だけではなく食事や清掃のことなど、すべてにおいて患者さまからのご相談に対応しています。
少しでも矯正治療にかかわる悩みがありましたら、いつでもご相談ください。
もし矯正治療が気になっているという方は、ぜひ当院のカウンセリングを受けてみることをおすすめします。
まずは、お気軽にご予約してみてくださいね。