投稿日:2023.10.21
歯並びは便秘の原因になるの?
便秘になるとお腹が張って苦しくなったり肌荒れを引き起こしたりと、さまざまな症状が現れるため日頃から気をつけたいものです。
便秘にはさまざまな原因がありますが、実は歯並びも関係していることもあります。
そこで今回は、「歯並びは便秘の原因になるの?」について紹介します。
目次
便秘ってどんな状態?
毎朝スムーズに排便されるのが理想的ですが、3日以上なかったり、毎日あっても排便感がある状態を便秘と言います。
胃や腸で消化された食べ物は大腸に運ばれ「ぜん動運動」と呼ばれる働きによって徐々に固形化し、最終的に直腸へと運ばれます。
しかし、ストレスや加齢、病気、薬の副作用などにより大腸の機能低下や緊張が発生すると便秘を引き起こしてしまうのです。
また、便秘には以下の種類があり、原因や症状によって分けられます。
大腸の機能低下:運動不足や水分不足、極端なダイエットによってぜん動運動が弱まる
大腸の緊張:ストレスや過敏性腸症候群などによって腸が緊張する
薬の副作用:うつ病や喘息、せき止めなどの薬の副作用により大腸の働きが抑制される
病気:腸に腫瘍や炎症、閉塞などがある場合
便秘にはさまざまな原因があり、中には病気が隠れている場合もあります。特に、強い腹痛や嘔吐、発熱、便に血が混じるなどの症状がある場合、内科の受診をおすすめします。
歯並びは便秘の原因になる?
では歯並びは便秘の原因になるのでしょうか。結論から言うと、歯並びと便秘は直接は関係していません。しかし、悪い歯並びによって消化不良や身体の歪みが生じてしまうと便秘につながる可能性があります。
悪い歯並びは噛み合わせが悪く、食べ物を十分に噛むことができません。噛むことは、食べ物を消化しやすいサイズに噛み砕くだけでなく、唾液と混ざり合うことで消化を助ける役割もあります。
十分に噛まれていない食べ物は消化器官に負担がかかり、大腸の働きを遅らせる可能性があります。これが便秘の原因となるのです。
また、悪い歯並びはお口周りの筋肉がうまく良く使えず、片側だけで噛む癖がつくことがあります。その結果、顔の筋肉のバランスが崩れ、首や肩、背中にまで影響し、身体の歪みを引き起こしてしまうことも。特に背中や骨盤の歪みは、内臓にも影響を与え、腸の働きを悪くする可能性があります。
歯並びを治すと便秘が解消される?
歯並びを整えることで、噛む力やお口の筋肉のバランスが整い、身体の歪みが改善される可能性があります。これにより、消化機能が正常化し、腸の動きもスムーズになることで、便秘が改善される可能性があります。ただし、個人差があるため、全ての便秘が歯並びの改善で解消されるわけではありません。
上記でも解説した通り、便秘の原因はさまざまです。食生活の改善や適度な運動など行うことも大切です。
悪い歯並びが及ぼすお口と身体への悪影響
悪い歯並びは便秘の原因になるだけではありません。以下のような悪影響を及ぼす可能性があります。
顔の形が変わる
たとえば、出っ歯や受け口は、あごの位置が前後にずれているため、顔のシルエットが変わる原因になります。また、噛み合わせの悪さにより、顔の筋肉の使い方が変わると顔の形が変わることもあります。見た目に大きく影響するため、コンプレックスを抱えたり、自分に自信が持てなくなったりする方も少なくありません。
発音が不明瞭になる
悪い歯並びは、発音する際に舌が正しい位置につかなくなったり、空気が漏れたりすることで発音が不明瞭になることがあります。サ・タ・ラ行の音が正確に発せられず、相手に何度も聞き返されてしまうことも。特に英語は発音に影響を与えるため、誤解を招いてコミュニケーションがスムーズにいかない場合もあります。
虫歯・歯周病の発生率が高まる
虫歯や歯周病の原因は、磨き残しによるプラークです。歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくい場所が出てきます。それにより、食べかすや歯垢が溜まり、虫歯や歯周病の発生率が高まります。毎日のセルフケアをしっかり行うのはもちろんのこと、定期的な歯科検診でケアを受けることが大切です。
歯石や着色がつきやすくなる
歯並びが悪いと磨き残しが多発し、歯石や着色がつきやすくなります。特にコーヒーや紅茶、ワインなどの色素が強い飲み物は、歯の表面に着色がつきやすいです。また、歯に付着した歯垢は、約2週間で歯石となります。いずれも、歯ブラシでは落とすことができません。
顎関節症になりやすくなる
悪い歯並びによって噛み合わせに問題が生じると、顎関節に負担をかけて顎関節症を引き起こす可能性があります。顎関節症は、口を開ける際に痛みが生じたり、音が鳴ったりする症状のことです。頭痛や耳鳴りの原因にもなります。
悪い歯並びを治す方法
歯並びが悪いと、見た目の印象だけでなく、健康面にも悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、歯並びは自力で治すことができず、歯科矯正が必要です。ここでは、主な矯正治療の方法を3つ紹介します。
表側矯正
表側矯正は、歯の表側にブラケットやワイヤーをつけて歯を動かす、一般的な矯正方法です。歯を動かす力をコントロールしやすいため、精密な動きが可能です。そのため、複雑な歯並びのケースでも、理想的な位置に歯を動かすことができます。ただし、ブラケットが目立つため、見た目の面で気になる方もいるかもしれません。
裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットやワイヤーをつける方法で、表側からは目立ちません。矯正治療を受けてることを周囲の人に知られたくない方に人気があります。ただし、舌に装置が当たるため、最初は発音に影響が出ることがあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを使用して歯を動かす方法です。マウスピースは取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすく、見た目も目立ちにくいのが特徴です。また、痛みや違和感が比較的少ないとされています。ただし、矯正できる範囲が限定されているため、症例によっては対応できない可能性があります。
歯列矯正は大人になってからもできる?
歯列矯正は子どもが行うイメージが強いですが、歯や歯ぐきが健康であれば年齢を問わず受けられます。実際、近年では「大人の矯正」が増えており、中には50歳、60歳から始める方も増えています。
大人は社会生活を送っていることが多いため、見た目に配慮した裏側矯正やマウスピース矯正が選ばれることが多いです。
当院では、目立ちにくい矯正治療を得意としています。矯正治療を始める前にお口の状態をしっかりと把握し、患者さま一人ひとりに合った治療方法を提案しています。無料相談も実施中ですので、気になる方はどうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
歯並びが悪いと食べ物を十分に噛むことができず、消化機能に負担がかかり、便秘を引き起こす可能性があります。また、歯並びの悪さが体のバランスを崩し、腸の動きを悪くすることも。歯並びを整えることで、便秘が解消されるケースもありますが、全ての便秘が歯並びの改善で解消されるわけではありません。しかし、歯並びの悪さは、見た目や発音の問題など、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。悪い歯並びは放置せず、早めの対策をとることをおすすめします。