投稿日:2023.7.8
寝不足なのは歯並びが関係しているかも?!
歯並びが悪いと、睡眠の質に影響を及ぼすことをご存じでしょうか?
睡眠障害は、ストレスや生活習慣が原因といわれることが多いですが、実は歯並びも関係があります。
今回は、歯並びと睡眠の関係性を詳しくお話します。
目次
歯並びが睡眠に及ぼす影響
悪い歯並びはかみ合わせがズレていることが多く、左右の顎への負担のかかり方が違うことで、顎の筋肉や顎の周辺の神経や関節にも負担がかかります。
このような状態が続くと、自律神経が乱されて、交感神経が優位になり睡眠の質が低下することがあるのです。
通常は、朝から夕方くらいまで脳が活発に動くように「交感神経」が優位で、夕方から夜にかけては「副交感神経」が優位になり身体を休ませようとします。
交感神経・副交感神経とは?
自律神経がこの2種の神経で構成されています。
自律神経とは、体内の働きを24時間調整し続けてくれているシステムのようなものです。
例えば、体温一つも一定に保たれているのはこの自律神経のおかげです。
この2種は常に活動していますが、状況や時間帯によって優位にたつ神経が交互に入れ替わります。
交感神経
身体活動が活発な時に優位になる神経です。
心拍数上昇、血管の収縮促進、発汗作用等、身体の様々な器官を活発化させます。
ただ、その一方腸の運動、粘膜分泌活動は抑制されます。
交感神経が優位になっている際は以下のような症状が出ることがあります。
- 頭痛
- 口腔乾燥
- 動悸
- 便秘/下痢
- 肩こり
副交感神経
休息、リラックス状態の時に優位になる神経です。
交感神経とは真逆の活動を促す神経であり、心拍数低下、血管収縮、発汗作用の抑制などが行われます。
また、副交感神経が働いている時は、臓器の活動が活発になる為、消化作用が促進されます。
副交感神経が優位になっている際は、以下のような症状が出ることがあります。
- 涙もろくなる
- だるい
自律神経と歯列と睡眠の関係性
レム睡眠、ノンレム睡眠という言葉を聞いたことがあると思います。
レム睡眠では交感神経が、ノンレム睡眠では副交感神経が優位的に活動しています。
この二つの睡眠タイプを交互にバランスよく繰り返すことで睡眠の質が上がりますが、歯並びが悪い、つまり嚙み合わせが最適ではない状態だと、そもそも負担がかかるというのもありますが、無意識下で食いしばりや歯ぎしりが多くなります。
睡眠中に食いしばっていると言われたことはないでしょうか?
その症状が続くと、交感神経が活発になり、レム睡眠が優位になってしまうことで睡眠タイプのバランスが崩れ、最悪の場合は睡眠障害へと繋がります。
次に、交感神経が刺激されてしまう睡眠障害の代表例をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時にいびきをする、無呼吸を繰り返す疾患のことを「睡眠時無呼吸症候群」と呼びます。ご家族からいびきを指摘されてはじめて気付く方も少なくありません。
この症状は、上気道といわれる空気の通り道が狭くなっている「閉鎖性睡眠時無呼吸症候群」、もしくは脳からの指示がいかなくなってしまう「中枢性睡眠時無呼吸症候群」の2種類に分かれます。
肥満や飲酒、睡眠薬の摂取、あるいは下の付け根が喉の後方へ落ちてしまう「舌根沈下」というものなどが要因として挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群になると以下のような症状がみられます。
- 夜中にいびきが途中で止まる
- 呼吸が止まることがある
- 夜中にトイレに行く頻度が多い
- 長時間、睡眠しても熟睡した感覚がない
- 起床時にすでに疲れを感じる
- 起床時に頭痛がある
- 日中に眠気が襲う
夜中に何度もいびきをしたり無呼吸になったりするため、睡眠の質が低下してしっかり眠れない状況が続きます。浅い眠りが多くなり、日中の疲労をしっかり回復できずに次の日に持ち越してしまうことも。
また、夜中に目が覚めやすくトイレに頻繁に行く方や、よく夢を見る方も睡眠をしっかりできていない可能性があります。
歯並びが悪いと睡眠時無呼吸症になりやすい
歯並びが正常ではない方は、睡眠時無呼吸症になりやすい傾向があります。大人だけではなく、子どもも歯並びが原因で睡眠時無呼吸症になるので、歯並びが悪い方は注意が必要です。
睡眠時無呼吸症のリスクとなる可能性があるかどうかは、歯列不正もひとつの判断基準となります。
原因は、呼吸するときに空気の通り道である上気道が圧迫されたり、遮断されたりするためです。
顎が小さくて歯並びが悪いケースでは、舌が収まるスペースも不足します。そうなると、舌が喉の奥へと落ち込み空気の通りを遮断して、いびきや無呼吸を引き起こすのです。
特に、子どもが睡眠時無呼吸症のケースでは、上下の顎の成長不足が原因とわかっています。(出典:睡眠時無呼吸症における歯科の役割より)
顎が小さすぎると歯がきれいに並びきらずにねじれたり、重なって生えたりすることがあり、結果的に歯並びが悪くなるのです。
上記のことから睡眠時無呼吸症の方は、歯並びが悪いという関係性があるのがわかります。
悪い歯並びは矯正治療で改善して睡眠の質を上げよう
悪い歯並びを矯正治療で改善することで、睡眠の質を上げられる可能性が広がります。
歯並びが悪くて睡眠時無呼吸症になっている子どもに、上顎の成長を促す矯正装置で治療することの有効性が近年、米国で報告されています。(出典:睡眠時無呼吸症における歯科の役割より)
また、かみ合わせのズレにより睡眠障害が起きるリスクがあるため、歯列矯正でかみ合わせを整えることも大切です。
現在、いびきや無呼吸の症状がなくても、歯並びが原因でなり得るリスクはありますので、全身の健康を守るためにも歯並びを改善して質の高い睡眠を手に入れましょう。
矯正装置の種類
昨今では、様々な矯正装置が存在しています。
ここでは、当院でご用意している装置をご紹介致します。
表側矯正(ラビアル矯正)
従来からある、矯正装置の中でも一番有名な装置です。
表に装置が全てつくことから抵抗を感じる方も多いですが、当院でご用意している装置は「審美ブラケット」と呼ばれる、セラミックのカバーがついたタイプになりますので、可能な限り装置を目立たなくしています。
この装置のメリットは、費用が抑えられるという点です。
また、表側矯正は外側に歯を引っ張る力が特徴的に加わる為、歯列を広げて並べてあげたほうが綺麗に仕上がり症例の場合にお薦めです。
裏側矯正(リンガル矯正)
装置が全て裏に着くため、矯正治療をしているとばれにくい、審美性を高めた装置です。
しかし、比較的近年出てきた治療法であり高度な技術が必要の為、まだ得意としているクリニックが少ないのが現状です。
そのため、慣れていないクリニックでは費用が表側矯正の2倍近くかかったり、期間が延びてしまうということが考えられます。
ワイヤー矯正が適用の症例だが、目立たない装置が希望・・・・という方は「裏側矯正専門クリニック」での矯正を検討することをお薦め致します。
また、裏側矯正は歯を口腔内に引っ張る力が特徴的に加わる為、口元を下げたいという方に最適の装置です。
ハーフリンガル矯正
上顎が裏側、下顎が表側と上下で異なる装置を着けるものです。
費用が、表側矯正と裏側矯正と中間であり、上顎が裏側にはいると下顎が表についていたとしてもそこまで頻繁に見えることがない為、「費用を抑えつつ且つ目立たなくやりたい」という方に人気の装置です。
しかし、上下で異なる装置が付いていることから、歯に加わる力の方向も異なります。
上顎が内側に引っ張られ、下顎が外側に引っ張られる力が働く為、歯並びによっては不向きとなることがあります。
マウスピース矯正
近年、若者を中心に人気の装置です。
着脱が可能な装置ということで、ワイヤー矯正よりも気軽に矯正ができる印象が強くついている装置ですが、実際は自己管理が非常に大切な装置になるので、場合によってはワイヤー矯正よりも面倒なことになりかねません。
また、着脱ができてしまうが故に継続的に力をかけることが難しい為、抜歯をして口元を大きく下げるという移動量の大きい治療には不向きです。
適用可能は歯列はワイヤー矯正に比べて少ないと言えます。
ですが、1本1本の向きを調整するなど細かい作業はマウスピース矯正のほうが得意な為、軽度の症例もしくはワイヤー矯正とミックスで使用できると効果を最大限発揮してくれる可能性があります。
まとめ
歯並びが悪いと嚙み合わせも正常ではないことが多く、睡眠時に無意識下で食いしばりや歯ぎしりを日常的に行ってしまっている場合、自律神経が乱れて睡眠障害に繋がる可能性があります。
また、歯列が原因で睡眠時無呼吸症候群を誘発している例もあります。
もし、普段から睡眠障害に悩まされていて、歯列が悪い、嚙み合わせが不安定など感じている場合は是非無料カウンセリングへお越しください。
無料カウンセリングでは可能性のお話をさせて頂き、より詳しい結果を知りたいという場合は精密検査を行っていただくことで歯列の改善方法、仕上がりをご説明しております。