投稿日:2023.5.13
矯正治療はガタガタの歯並びじゃなくても矯正できる?
矯正治療というと「歯並びの悪い人がする」というイメージがあるのではないでしょうか。歯並びや口元にお悩みをお持ちの方は、決して少なくありません。
しかし、悩みの原因は様々です。中には、歯がガタガタと乱れて並んでいなくても、口元にコンプレックスをお持ちの方がいらっしゃいます。
例えば「歯の並び方は整っていると思うけど、口元が出ている」「人からは歯並びがキレイと言われるけど、この部分が少しズレているのが嫌だな」といったお悩みです。
周りの方からすれば何の問題もないように見えても、ご自分が気になる部分があるのなら悩みの種になってしまいますよね。
今回は、軽度の歯列不正や口元の突出感が気になっている場合でも、矯正治療は可能なのかどうかについてお話していきます。
目次
歯並びがキレイでも矯正治療はできる?
ここでは、皆様からご相談いただくことの多い歯や口元についてのお悩みの一例をあげていきます。
目立ってガタガタではないけれど、気になる部分が歯列矯正の対象となるのかどうか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
こんなお悩みも矯正治療の対象です
・歯並びはキレイだけど出っ歯気味
・口元が前に出ている感じがする
・前歯の一部分だけがズレている
・見た目は整っているが噛み合わせが悪い
上記にあげたものはあくまでも一部になりますが、歯の並び方が目立って乱れている場合ではなくても治療の対象となるということをお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここからは、特にご質問の多い2つのケースについて詳しく解説していきます。
口元の突出感は矯正で治した方がいいの?
正面から見た時にだいたい整った歯の並び方をしている場合は、周りの人から「気にするほどではないよ」などといわれがちです。
「歯列矯正するとなると費用もかかるし、このままでもいいのかな…」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんね。
とはいえ軽度の出っ歯や口元の突出感も、気になりだすと気になってしまうものだと思います。
結論からお伝えすると、ガタガタした歯並びではなくても矯正は可能です。むしろ口元が前に出ている方は、治療をして整えた方が良い歯並びともいえます。
なぜなら前歯が前に出ていると、見た目の問題はもちろん、機能面でもたくさんのデメリットが生じてしまうからです。
口元が出ていることで生じるデメリット
軽度の出っ歯や口元の突出感をそのままにしておくと、以下のようなデメリットに繋がります。
①虫歯や歯周病のリスクが高くなる
通常、私たちは鼻で呼吸する『鼻呼吸』をしています。しかし出っ歯や口元が前に出ている症状があると、無意識のうちに『口呼吸』になりがちです。
口呼吸になると、お口の中が乾燥してしまい唾液の『自浄作用(じしょうさよう)』が働きません。結果として細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病になりやすいため注意が必要です。
自浄作用とは?
唾液には多くの役割があり、様々な方法で私たちのお口を守ってくれています。
自浄作用とは、お口の中を清潔に保つための作用です。唾液は、食べかすや細菌を洗い流してくれる役目をしています。
②前歯をケガしやすい
口元が前に出ていると、転倒した時などに前歯をケガしやすくなります。
前歯をぶつけて歯が欠けてしまったり、折れてしまったりすることもあるため気をつけなければなりません。
③奥歯に負担がかかる傾向がある
口元の突出感が気になるケースでは、噛み合わせに不具合があることが多く、奥歯への負担を大きくしてしまう傾向があります。
前歯でしっかり噛むことができないと、奥歯だけで物を噛むことになってしまうからです。
歯には1本1本役割があり、主に前歯は物を噛みちぎる役目を、奥歯は物を細かく擦り潰す役目を果たしています。
噛んだ時に歯に加わる力を、全体でバランス良く受け止めているのです。そのため奥歯だけで噛んでいると、前歯の分も奥歯に負担がかかってしまいます。その結果、奥歯の寿命を縮めてしまうというリスクも考えられるのです。
④顎関節症を発症する可能性がある
噛んだ時に加わる力をバランス良く受け止められず、奥歯にばかり過度な負担かかっていると、顎関節症の発症に繋がってしまう可能性があります。
1度や2度で問題が起きるわけではなく、毎日毎日積み重ねていることでトラブルを引き起こしてしまうのです。
このように口元の突出感や軽度の出っ歯を放置していると、多くののトラブルに繋がる可能性があります。
今は矯正治療を考えていなかったとしても、心当たりのある方はぜひ覚えておいてくださいね。
★顎関節症については《コチラ》に詳細を掲載しています。
出っ歯や口元の突出感の矯正治療の種類
前歯や口元が前に出ていることが気になる場合、その多くは歯列矯正で改善が期待できます。
矯正治療には『ワイヤー矯正(表側矯正)』『裏側矯正(舌側矯正)』『マウスピース型矯正』といった種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
・ワイヤー矯正(表側矯正)
ワイヤーとブラケットという装置を使って歯並びを整えていきます。装置を歯の表側につけるため、見た目が気になりやすいです。
しかし、適応できる範囲が広いというメリットもあります。
・裏側矯正(舌側矯正)
装置を歯の内側につけて行う方法です。装置が見えにくいため、治療中の見た目が気になる方に向いています。
また内側に歯を引っ張る力がかかりやすいため、出っ歯や口元の突出感が気になる場合におすすめです。
・マウスピース型矯正
透明で目立ちにくいマウスピース型の装置を用いる方法です。取り外しが可能で、食事制限や歯磨きの時の煩わしさがありません。
1本ずつ微調整をするという点が得意な為、少量の凸凹の改善におすすめです。
しかし、自己管理型の装置となり、使い方を誤ると治療計画とずれてしまうリスクがあります。
前歯の一部分だけでも矯正で治せる?
全体的にはキレイでも「前歯の一部分だけズレがある」というお悩みをお持ちの方もいらっしゃいます。
池袋駅前歯科・矯正歯科でも「前歯のこの部分だけ治せませんか?」といったご相談いただくことは珍しくありません。
歯列矯正には『部分矯正(ぶぶんきょうせい)』という、装置を部分的につけて気になるところの歯並びを整える方法があります。治療する範囲が少ないと、治療期間も費用も抑えられる傾向があるため、気になるところが部分的な方は手軽に矯正治療を始めやすいでしょう。
ただし、噛み合わせの乱れを整えることはできません。さらに適用範囲は限られており、前歯だけの矯正が可能かどうかは患者様のお口や歯並び・噛み合わせの状態によって異なります。
一般的には、軽度の前歯のズレや歯を動かすスペースがある方は部分的な矯正の適用になる可能性が高いでしょう。しかし、同時に噛み合わせも整える必要のある方が多い傾向にあります。
この点をご理解いただいた上で、ご自身の気になる部分も『部分矯正』の対象になるのかどうか知りたい方は、一度歯科医院で相談してみてくださいね。
★部分矯正についてのブログは《コチラ》
歯並びに気になる部分がある方はご相談ください
今回は、歯並びが目立って悪いわけではなくても矯正治療を受けられるのかどうかについてお話しました。軽度の歯並びの乱れや口元の突出感が気になる方でも、矯正をすることは可能です。気になる部分が改善され、コンプレックスも解消されると、自然と笑顔にも自信が持てるようになりますよね。
また少し歯並びが乱れているだけに思えても、実際に歯科医院で相談してみると矯正治療をした方が良いということも少なくありません。
池袋駅前歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりの歯並びに適用できる矯正方法や、ご要望をかなえるためにどのような方法が良いのかなどをご提案することが可能です。
わかりやすい丁寧な説明と、患者様に寄り添ったカウンセリングを心がけておりますので、口元にお悩みのある方は気軽にお問い合わせください。