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投稿日:2025.9.24

IPRと抜歯、矯正ではどっちがいい?それぞれの違いや選び方を解説

はじめに:IPRと抜歯、どっちが正解?

黄色い疑問マーク

矯正治療というと、歯を抜かなければならないイメージをお持ちの方も少なくないと思います。「歯列矯正したいけれど、抜歯はしたくない」と一歩踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。歯をキレイに並べるためにはスペースが必須ですが、その方法として次の2つがあげられます。

 

①IPR(歯と歯の間を削る方法)

②抜歯

 

結論として、どっちがいいのかは患者様一人ひとりの歯並びの状態によって異なります。

今回は、抜歯せずに矯正治療をするIPRと抜歯矯正の違いや判断基準などについて解説していきます。「抜歯したくない」と迷っていらっしゃる方はぜひご覧くださいね。

 

IPRとは?どんな方法?

歯列矯正 非抜歯 ストリッピング

IPR(アイピーアール)とは、歯を削って歯を並べるためのスペースを確保する方法です。

抜歯せずに歯列矯正ができるという点が大きな特徴です。

 

 歯と歯の間を0.2〜0.5mmほど削る処置

IPRは、歯の外側にあるエナメル質の部分のみを少量削る処置です。

歯を削るというと「しみたり痛みが生じたりするのではないか」とご不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、削る量は一箇所につき0.2〜0.5mmほどとわずかで麻酔も必要ありません。そのため、痛みやしみる症状が生じることはないとされています。

一箇所で確保できる隙間はほんのわずかですが、何ヵ所も削ることで歯を並べるためのスペースが作れるのです。

 

 IPRのメリット・デメリット

歯を抜かずに歯を並べるスペースが作れるIPRですが、メリットもデメリットもあります。具体的には以下のようなものです。

 

【メリット】

歯列矯正 IPR メリット

・抜歯の必要がない

IPRで対応できるケースでは、歯を抜かなくても歯列矯正で歯並びを整えることができます。健康な歯はできれば残しておきたいものです。

 

・比較的簡単な処置でスペースが確保できる

比較的短時間で処置することができます。

 

・歯列への影響が少ない

他の歯並びへの影響が少なくて済みます。

【デメリット】

歯列矯正 IPR デメリット

・確保できるスペースは限られる

一箇所につき0.2〜0.5mmと削る量はごくわずかのため、何箇所か合わせても数mm程度のスペースしか確保できません。そのため、歯並びの乱れが著しい場合には適応できない可能性が高くなります。

 

 抜歯矯正とは?どんなケースで選ぶのか

抜歯矯正とは、歯を抜くことでスペースを作る方法です。歯並びの乱れが著しく、歯を並べるためのスペースを大きく作る必要があるケースで選択されます。

 

 第一小臼歯などを抜歯して大きなスペースを確保

歯列矯正 抜歯 ワイヤー矯正

抜歯矯正では、上下左右の第一小臼歯を1本ずつ抜くことが多いです。

歯並びがガタガタと大きく乱れていたり、前歯が前方に出ていて内側に大きく引っ込めたい、口元の突出感が気になる場合などに行います。

 

 抜歯矯正のメリット・デメリット

抜歯矯正のメリット・デメリットは以下の通りです。

 

【メリット】

歯列矯正 IPR メリット

・大きく歯を動かすことができる

十分なスペースが確保できるため、歯を大きく動かすことが可能です。歯並びの乱れが大きいケースに有効です。

 

・Eラインを改善することができる

横顔の美しさの指標を表す「Eライン」があります。Eラインとは「鼻先と顎先を結んだ線」のことでこの線上または少し内側に唇が位置する状態が美しい横顔の条件だとするものです。抜歯矯正では歯を内側に引っ込めるなどの動きも可能なため、横顔の印象も改善されます。

 

・仕上がりを安定させられる

限られたスペースに歯を無理に並べると、最終的な歯並びの仕上がりに限りが生じます。しかしスペースがしっかり確保できれば、歯並びの仕上がりを安定させることができます。

 

【デメリット】

歯列矯正 IPR デメリット

・処置のハードルが高い

抜歯処置をするとなると、抵抗を感じてしまう方もいるでしょう。

 

・痛みや腫れが生じる可能性がある

抜歯に伴う痛みや腫れが生じることもあります。

 

・治療期間がやや長くなる

歯を抜いた傷口が治るまでには時間が必要です。そのため、抜歯をしない場合よりも治療期間がやや長くなる傾向があります。

 

実際の医院での回答(実例)

Q:「IPRと抜歯、どっちの方がいいんですか?」

A:「患者様の歯並びによって異なるため、どちらが適しているのかは精密検査を受けていただき診断の上お伝えいたします。抜歯をした方がスペースが多く確保できますが、歯並びの乱れが軽度の場合などはIPRで対応可能なケースもあります。」

 

IPRで済む人・抜歯が必要な人の違いは?

歯列矯正 疑問 ワイヤー矯正

この項では、IPRで対応できるケースと抜歯が必要なケースの例をあげていきます。

最終的な診断は、歯科医院で精密検査を受けた後に治療計画を立てお伝えする形になりますので、あくまでも一つの目安としてお考えください。

 

IPRで済むケース

・軽度のガタガタ

歯並びが乱れているが、軽度の場合。

 

・前歯に隙間がある

前歯に隙間があり、歯を並べるスペースとして利用できる場合。

 

・口元の突出が少ない

出っ歯や受け口などによる口元の突出感が少ない場合。

 

抜歯が適しているケース

・歯列不正が著しい

歯並びの乱れが著しい場合。

 

・出っ歯

上の顎または上の前歯が前方に出ている場合。

 

・八重歯

犬歯が目立って外側に出ている場合。

 

・お顔の印象を改善したい

歯並びだけではなく、お顔の印象も変えたいと思っている場合には、歯並びを大きく変えることになります。そのためにはスペースを十分に確保する必要があります。

 

 判断基準は「精密検査と治療計画」

池袋 矯正 出っ歯

IPRと抜歯のどっちがいいかは、精密検査や治療計画を立てた上で決定していきます。

精密検査では、以下のような検査をしていきます。

 

・パノラマX線撮影

・セファログラム撮影

・CT撮影

・歯型模型の作製(口腔内スキャン)

・お口の写真撮影

・お顔の写真撮影

 

従来は、歯型を取る際には型取りの材料を使うことが一般的でした。しかし、現在では小型のカメラで撮影することでお口の状態を立体的に再現できる「口腔内スキャナー」を取り入れている医院が増えています。これにより、患者様のご負担を少なくしながら精密検査をすることも可能になっています。

 

上記を元に、歯と骨のバランスや歯・顎の大きさ、噛み合わせや機能面のバランスなどを総合判断していきます。

それから患者様一人ひとりの歯並びに適した矯正方法の治療計画を立てていくのです。

 

IPRだけにこだわるのは危険?

「できるだけ歯を抜きたくない」というお気持ちは分かりますが、そのためにIPRにこだわり過ぎてしまうことにはリスクが伴います。理由は、以下の通りです。

 

抜歯を避けたい気持ちはわかりますが…

抜歯矯正が適している状態なのに、無理にIPRだけで矯正を進めようとすると「歯が並んだように見えるが、噛み合わせのバランスが悪い」といったことも生じます。

噛み合わせのバランスが悪いと、整えた歯並びが元に戻ってしまう「後戻り」が起こりやすくなるため注意が必要です。

 

また歯を動かせる範囲が限られてしまうため、最終的な歯並びの仕上がりにも差が出てしまいます。せっかく時間と費用をかけて歯列矯正をしても、後から後悔してしまったり再治療をすることになりかねないのです。

このような事態を防ぐためにも「ご自分に適した処置がどちらなのか」を重視して選ぶべきだといえるでしょう。

 

まとめ:IPRと抜歯、どちらがいいかは人による

池袋 歯列矯正 嚙み合わせ

今回は、抜歯せずに矯正治療をするIPRと抜歯矯正の違いや判断基準などについてご説明しました。

患者様が「治療のゴールをどこに置くか」によって、IPRと抜歯のどっちがいいかは変わってきます。大切なのは、歯を「削る・抜く」ことそのものではなく、ご自分にとって最適な方法で歯並びの美しさと歯本来の機能を得られる方法を選ぶことです。

歯列矯正に興味がある方やご検討されている方は、ぜひ矯正歯科で相談してみてください。

 

池袋キュア矯正歯科では、随時矯正カウンセリングを実施しております。詳しい治療計画などについては精密検査を行った上でお伝えする形になりますが、患者様にとってよりベストな矯正方法をご提案いたしますのでどうぞご安心ください。

ご予約は24時間承っておりますので、気軽にご活用いただけたらと思います。

ご予約は⇒【コチラ】から

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