投稿日:2022.11.19
舌磨きで口臭を防ぐ! 舌苔の正しい対処法
皆さん、こんにちは、池袋駅前歯科・矯正歯科です。
「口腔ケア」というと、多くの人は歯磨きを思い浮かべるでしょう。
しかし、口の中を清潔に保つためには歯を磨くだけではなく、舌を清潔に保つことも重要です。
舌のお手入れを怠ると、口臭や口腔内の健康に悪影響を及ぼすこともあります。
矯正装置を装着していると、さらに口腔内のお手入れが行き届きにくい状態となります。
舌を適切にケアすることで口腔内の健康を守り、口臭を予防できます。
今回は、舌苔の原因から、舌苔が及ぼす健康被害、そしてお手入れの方法まで詳しく解説していきます。
舌苔(ぜったい)とは?
舌苔は、舌の表面に付着している白色や黄色の物質のことで、多くの人が経験する口腔内の現象です。
この舌苔ですが、見た目が悪いだけでなく、放置すると口臭の原因となります。
舌苔は主に以下のものから構成されています。
- ・細菌
- ・食べ物のかす
- ・剥がれた口腔粘膜細胞
- ・白血球
- ・代謝産物
舌苔は、口臭を引き起こす主要な原因のひとつとされています。
細菌が舌の表面で増殖し、タンパク質を分解する際にガスを発生させます。
このガスが不快な臭いを引き起こし、口臭の原因となります。
さらに、舌苔をそのままにしておくと、口の中の細菌が増え、虫歯や歯周病を引き起こすリスクも高まります。
矯正装置が付いている場合は、よりリスクが高まってしまいます。
また、舌苔の量が少量であれば特に問題はありませんが、厚くなると味覚の感度が鈍くなり、食事の楽しさが損なわれてしまいます。
そのため、適切に除去する必要があります。
舌苔はなぜつくの?
舌苔が形成されるには、いくつかの原因があります。
・不十分な口腔ケア
口腔内のケアが不十分だと、舌苔が蓄積しやすくなります。
特に就寝中は唾液の分泌量が減少するため、定期的な口腔ケアがないと、これらの物質が蓄積し、舌苔が形成されてしまいます。
・唾液の分泌量の減少
唾液には「自浄作用」があり、口腔内の細菌や食べ物のかすを洗い流す役割を果たします。
しかし、唾液の分泌量が減少すると、これらの物質が洗い流されず舌の表面に残り、舌苔が形成されます。
なぜ唾液は出にくくなってしまうのか?
5つの主な原因を説明します。
加齢
年齢とともに唾液腺の機能が低下し、唾液の分泌量が減少します。
薬の副作用
抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬などが唾液の分泌を抑制することがあります。
口呼吸
口呼吸は口腔内を乾燥させ、唾液の作用を低下させます。
脱水
水分摂取が不十分だと、唾液の産生が減少します。
ストレス
精神的なストレスは唾液の分泌を制限することがあります。
・歯列不正
歯並びがガタついていたり、出っ歯、受け口の場合は舌が正しいポジションにないため、舌苔がつきやすい状態となります。
本来、舌は上顎に位置していますが、歯列不正などで舌が下に落ちてしまうと、舌の表面が上顎に触れないため汚れが舌の表面に停滞しやすくなります。
・喫煙
喫煙も舌苔の形成に大きく影響を与えます。
タバコの有害物質が舌の表面に付着し、唾液の分泌を抑制することで口腔内が乾燥します。
また、ニコチンが血流を減少させ、舌の自浄作用が低下します。
・ストレスや疲労
身体的・精神的なストレスは免疫システムに影響を与え、口腔内の細菌バランスを崩す可能性があります。
また、ストレスは交感神経が優位に働くため、唾液の分泌を減少させる要因にもなります。
舌苔と口臭の関係
舌苔が口臭の主要な原因であることは多くの研究で明らかになっています。
舌苔に含まれる細菌がタンパク質を分解する過程で、悪臭を放つガスが生成されます。
このガスには、以下のような成分が含まれています。
- ・硫化水素:卵が腐ったような臭いを放ちます。
- ・メチルメルカプタン:腐ったキャベツのような臭いを生じます。
- ・ジメチルサルファイド:口臭特有の悪臭を引き起こします。
これらの物質が原因で、強い口臭が発生します。
舌磨きを行うことで、これらの物質の生成を抑制し、口臭を予防することができます。
舌磨きのメリットは?
口臭の予防
臭いの原因となる細菌は舌苔の中に多く潜んでいます。
この細菌がタンパク質を分解する過程で悪臭物質を生成します。
この悪臭物質が口臭の原因となるため、舌苔を除去し口臭を予防します。
口腔内衛生の向上
舌の表面に付着した細菌、食べ物の残りや剥がれた粘膜細胞を取り除くことで口腔内を清潔に保ちます。これにより、虫歯や歯周病のリスクも軽減されます。
味覚の改善
舌苔が何層にも分厚く付着していると、味蕾(みらい)の働きが阻害され、味覚が鈍くなることがあります。
そのため、舌苔を除去し味覚感度を維持・改善するこよで、食事をより楽しめるようになります。
全身の健康サポート
口腔内の細菌数を減らすことで、これらの細菌が血流に入って引き起こす可能性のある全身の炎症リスクを軽減します。
審美的効果
きれいな舌は見た目も良く、自信を持って会話することができます。
唾液分泌量の増加
舌を磨くことで、唾液の分泌が促進され、口腔内の自浄作用が高まります。
正しい舌のお手入れ方法
舌磨きは、トラブルを避けるために正しい方法で行うことが重要です。
準備
まずは、舌を湿らしておくことが大切です。
舌が乾いた状態でブラシを使うと、舌を傷つける恐れがあります。
舌を軽く出す
鏡の前で口を開け、舌を軽く前に出します。
舌を大きく出しすぎると、嘔吐反射を引き起こす可能性があるので、無理のない範囲で行いましょう。
奥から手前に向けて磨く
ブラシを舌の後方から前方へ向けて優しく動かします。
この時、力を入れすぎないように注意しましょう。
繰り返し磨く
奥から手前に2〜3回程度、磨くことが推奨されます。回数は少なくて十分です。
しっかりうがいをする
舌磨きが終わったら、口の中に浮いた汚れや細菌をきちんと除去するために、ブクブクうがいを行いましょう。
清掃用具の洗浄
使用後は、ブラシをしっかり洗い、乾燥させて保管します。
舌磨きの際の注意点
適度な力加減
強く磨かず、適切な力加減で操作することが大切です。
力を入れて磨いてしまうと舌の表面を傷つけてしまい、表面が赤くなったり、痛みを感じたりする場合があります。
力を抜いて優しく磨くようにしましょう。
清掃用具の選び方
舌を磨く道具として舌専用のブラシを準備することを推奨します。
歯ブラシを使用する場合も、柔らかい毛のものを選ぶのがおすすめです。
清潔な道具の使用
使用後はしっかりと洗い、乾燥させて保管しましょう。
定期的に交換することも大切です。
異常時は歯科医に相談
舌磨きをしている時に出血や強い痛みがある場合は、すぐに歯科医に相談しましょう。
舌の状態に異変を感じた場合も相談することをおすすめします。
まとめ
口臭の予防や口腔内を清潔に保つために、舌も合わせてケアをすることを心がけましょう。
正しい方法で適切な頻度で行うことで、より健康的で清潔な口腔環境を維持することができます。
また、舌苔は口の中だけでなく全身の健康にまで影響を与えます。
そのため、歯磨き、フロスの使用、マウスウォッシュの利用などに加えて舌磨きも組み合わせて総合的なケアを行うことがすすめられます。
舌のケアは毎日ではなく週に2〜3回程度行うのがポイントです。
これくらいの頻度が、口腔内を清潔に保つために理想的とされています。
力任せに磨くと舌を傷めてしまう可能性があるため、適度な回数を守ることが大切です。
矯正装置が付いていると口腔内の清掃が困難になり、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。
しかし、舌も合わせて清潔に保つことでこれらを予防することが可能です。
ただし、個人の口腔状態や生活習慣によって適切な頻度は異なる場合があるので、歯科医に相談すると良いでしょう。
歯並びでお悩みの方はぜひ当院のカウンセリングでご相談くださいね。