投稿日:2023.7.10
矯正中に目立つ歯の着色汚れ!原因は?対策は??
「着色がついて矯正治療が余計に目立ってしまう」とお悩みではありませんか?
着色はむし歯や歯周病のように病的な問題はありませんが、審美性や清潔感を大きく左右するため、気にしている方は多い印象です。
矯正治療中の着色汚れの原因や対策方法を分かりやすくまとめましたので、ぜひご参考ください。
目次
矯正中に着色汚れがつきやすい4つの原因
矯正治療中に着色汚れがつきやすい原因は、大きく分けて4つ存在します。それぞれくわしくみていきましょう。
歯ブラシの毛先が歯面に当たりにくい
固定式のワイヤー矯正は、装置があることで歯ブラシの毛先が歯面にあたりにくく、通常よりも磨き残しが多くなる傾向にあります。
色汚れは歯垢と同じで擦らないと落とせません。歯ブラシの毛先の位置を確認しながら磨くことが大切です。
また、矯正治療前まで電動歯ブラシをお使いの方も多いですが、ブラシが回転するタイプの電動ブラシは器具に引っかかってしまう可能性がある為お薦め致しません。
矯正用のゴムやレジンに色がつく
ワイヤー矯正で使用する透明のゴムは色が染み込みやすく、コーヒーやカレーなど色のつきやすいものを口にするとすぐに黄ばんでしまいます。また、マウスピース矯正で使用するアタッチメントもプラスチック素材なので着色がつきやすいです。
一度色がつくともとには戻らず、透明にするには付け替えが必要です。
▽着色がつきやす飲食物の一例
・カレー
・色の濃い煮物
・コーヒー
・ワイン
・濃いお茶
「着色がついたから」という理由で装置を着けかえるということはできません。
ワイヤー矯正のゴムは3週間程過ぎると効果が弱まることから毎回の治療で付け替えをします。
しかし、マウスピース矯正のアタッチメントは治療計画の中で指示ある、あるいは外れてしまったりしない限りは付け替えをしません。
加えて言うと、マウスピース自体もかなり着色がつきやすいのでアタッチメント同様に注意が必要です。
装置と歯の境目に汚れがたまりやすい
ワイヤー矯正では歯に装置を貼り付けますが、その境目には溝が存在し、歯垢や着色汚れが溜まりやすい傾向にあります。
溝には通常の歯ブラシの毛先が入らないため、完全に落としきることは難しいでしょう。
唾液で洗い流せない状態が続く
マウスピース矯正では装置をはめることで歯が唾液に触れにくくなります。唾液には歯の表面に付着した汚れを洗い流す「洗浄作用」がありますが、装置をつけている間はその効果が得られず、結果的に着色がつきやすくなります。
装置をつけながらの飲食は、装置内に色の濃い食べ物や飲み物がたまって着色やむし歯の原因になるため、絶対にやめましょう。
矯正中の着色汚れを予防するには?
矯正治療中の着色汚れを防ぐには、お手入れ方法や食事方法に気をつける必要があります。
簡単にはじめられるものばかりですので、ぜひ今日から試してみましょう。
頻繁にうがいや歯磨きをする
頻繁なうがいや歯磨きは、矯正治療中でなくても効果的な着色の予防法です。1日に何度も力いっぱい磨くと歯を擦り減らす恐れがあるため、その点は注意しなくてはいけません。
着色成分が定着する前に、水で洗い流すだけでも違います。
できる限り、着色成分を摂取後は水を沢山飲むように意識してみましょう。
うがいを積極的に行い、通常の歯磨きで落ちない着色は歯科医院のクリーニングで専用の機械を使って落とすやり方がおすすめです。
矯正用歯ブラシを使って装置のまわりまで丁寧に磨く
矯正用の小さい歯ブラシを使うと、隅々まで汚れを落とすことができます。固定式のワイヤー矯正の場合は、必須アイテムといってもいいでしょう。
装置の上の部分と下の部分はワイヤーがないため、通常の歯ブラシを使ってきれいにできますが、ワイヤーの真下や歯並びがデコボコしている部分は毛先が当たりにくいことから注意が必要です。1本用の歯ブラシを合わせて使って、清潔に管理しましょう。
装置を装着しながら飲食しない
マウスピース矯正の場合、装置をつけながらの飲食は「水」以外禁止です。
審美性を下げないためにも、装置は正しく使いましょう。
着色対策!ケア商品のご紹介
矯正中の口腔内ケアにお薦めの商品の一例をご紹介します。
タフトブラシ
ワイヤー矯正用の歯ブラシです。
通常の歯ブラシとは違い、先端が筆先のように細くなっている束状の歯ブラシです。
この歯ブラシを使えば、器具回りの細かい溝や歯と歯茎の境目等もしっかりと磨くことができるため、着色予防に加え、虫歯・歯周病予防にもなる優れモノです。
歯ブラシは、毛先が乱れてきたら替え時です。
このブラシの場合にも同様のことが言え、目安は1~2ヶ月と言われています。
フロス
矯正中は歯間にすき間ができます。
そこに汚れがついたままにすると着色に繋がりますし、虫歯・歯周病のリスクが上昇したり、汚れが歯石になることで隙間が閉じれなくなってしまったり等、様々なデメリットに直結します。
歯ブラシで取り除けない隣接部分はフロスでしっかりケアをすることをお薦めします。
ワイヤー矯正中の方は、ワイヤー矯正用の取っ手付きフロスが市販で販売されています。
洗口液(うがい薬)
うがい薬には、口臭対策に特化したものなどが近年は多く見受けられますが、矯正中は何もしていない方よりも虫歯や歯周病になるリスクが高いことから、殺菌効果の高いうがい薬を使用することをお薦めします。
ホワイトニング歯磨き粉
正確に言うと、ステイン除去効果のある歯磨き粉です。
この類の歯磨き粉は、歯面に付着した汚れを浮き上がらせて除去する効果が通常の歯磨き粉よりも高い為、少しでも着色を軽減したいという方にお薦めです。
ホワイトニング可能なタイミングは?
矯正治療をすることで歯に対する審美意識が高まり、ホワイトニングを強く希望する方も多いです。
結論から言うと、基本矯正中はホワイトニングができません。
ホワイトニングの種類ごとにご説明します。
ホームホワイトニング
自宅でマウスピースに薬剤を注入し、一定時間マウスピースを着用することで少しずつ白くしていく方法です。
この方法は、マウスピースを使用するということでワイヤーがついたままでは装着することができません。また、薬剤を塗布するのは歯の表面です。
歯の表面に装置がついている場合は、装置付着部分だけ薬剤が歯面に浸透せず、まだらに色が抜ける可能性があります。
オフィスホワイトニング
院内で強力な薬剤を歯面に塗布し光を照射することで白くしていく方法です。
この方法は、歯の表面全体に直接薬剤を塗布する為、ホームホワイトニング同様に歯の表面に装置が付いている場合は、装置付着部分に薬剤が塗布できず、まだらに色が抜ける可能性があります。しかし、マウスピースのように歯全体を覆うようなものではないので、裏側矯正であれば矯正中もホワイトニングは可能です。
ですが、裏側矯正の方でも好きなタイミングでできるわけではありません。
このホワイトニングの方法は、薬剤を塗布した部分に光を照射することで化学反応を起こして漂白していくという仕組みの為、歯の凸凹が取れてからホワイトニングを行わないと、歯が重なってしまっている部分は光が届かず、色が抜けない可能性があります。
上記のように、条件が揃えば矯正中もできないことはありませんが、条件はかなり厳しいですし、無理に矯正中に行うとあまり良い結果にならない可能性が高くあります。
矯正中は、前述した口腔内ケアで補って頂き、矯正終了後にホワイトニングを行うことをお薦め致します。
矯正中の着色汚れに困ったら当院までご相談を
着色汚れは、お手入れ方法や食事方法を工夫することでリスクを抑えられます。歯を1本1本丁寧に磨いて、色のつきやすい飲食はできるだけ控えましょう。
当院では、着色汚れを機械的に落とすことはもちろん、リスクを抑えるためのアドバイスも行っております。患者様にあった方法をご提案しておりますので、当院に通院中でお困りの方はお気軽にご相談ください。