投稿日:2023.5.6
お口の中が健康な人ほど病気になりにくい?
「お口の健康って、全身の健康と関係あるの?」
「歯周病って、歯ぐきが腫れるだけじゃないの?」
「歯並びが悪いと、どうなるの?」
お口の健康は、全身の健康に大きく影響しています。
たとえば、歯周病は、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病などのリスクを高めます。また、噛み合わせが悪いと、消化不良や脳への刺激不足などを引き起こす可能性が。
そこで今回はお口の中が健康な人ほど病気になりにくいかについてお話します。
目次
お口が健康な人ほど病気になりにくいってホント?
お口は食べ物を摂取する場所だけでなく、全身の健康状態を反映する重要な部位です。お口が健康な人ほど病気になりにくいということが、最近の研究で明らかになってきています。
近年、歯周病菌が血管に入り込むことで動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まることが分かってきました。また、糖尿病の人は歯周病が悪化しやすく、逆に歯周病が糖尿病の症状を悪化させるという悪循環も生まれます。
さらにアルツハイマー病や肺炎、早産など、一見お口とは関係なさそうな病気との関連性も指摘されています。
歯周病と全身の健康との関係
歯周病は、30代では7割以上の方が患っていると言われるほど、私たちにとって身近な病気です。しかし、歯周病を「歯ぐきが腫れるだけ」と安易に考えてはいけません。悪化すると顎の骨を溶かし、歯がグラグラして、最悪の場合、抜け落ちてしまう恐ろしい病気なのです。
さらに、歯周病は、お口の中だけの問題にとどまりません。歯周病菌が増えて歯ぐきの炎症が悪化すると、歯周病菌は血管を通して全身をめぐり、さまざまな病気のリスクを高めます。
特に、糖尿病との関係は深く、歯周病が悪化するとインスリン抵抗性を高め、血糖値が上昇しやすくなります。逆に糖尿病の方は歯周病が悪化しやすく、互いに悪影響を及ぼし合う悪循環に陥ってしまうのです。
また、歯周病菌は血液を介して全身をめぐるため、脳梗塞や心筋梗塞など、動脈硬化が原因で引き起こされる疾患のリスクを高めることも指摘されています。
このように、歯周病は全身の健康に大きな影響を与える可能性があります。健康を保つためには、歯周病をきちんと治療し、予防することが重要です。
しかし、歯周病は自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうことも少なくありません。そのため、定期的な歯科検診を受け、お口の中の状態をチェックすることが大切です。
定期検診でお口と全身の健康を維持しよう
「まだ大丈夫」と、つい後回しにしてしまいがちな歯科検診。しかし、お口や全身の健康を保つためには、定期的な検診がとても大切です。
定期検診では、歯科医師や歯科衛生士がお口の中を隅々までチェックしてくれます。具体的には、以下の項目を確認します。
虫歯のチェック
早期発見であれば、簡単な治療で済むことが多い虫歯。小さな虫歯も見逃さないように隅々までチェックします。
歯周病のチェック
歯周ポケットの深さを測り、歯周病の進行度合いを調べます。
歯石除去
歯磨きでは落としきれない歯石を専用の器具で除去します。
歯のクリーニング
歯の表面を磨き、汚れや着色を落とします。施術後は歯がツルツルになるので気持ちも爽快です。
ブラッシング指導
正しい歯磨きの方法を指導し、磨き残しを防ぎます。
患者さんの中には「どれくらいの頻度で通えばいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
理想的には、3ヶ月~半年に1回の頻度で受診するのがおすすめです。ただし、歯周病の治療中の方や妊娠中の方、糖尿病など全身疾患をお持ちの方、あるいは口腔ケアに不安がある方は、より頻繁に受診する必要があるかもしれません。
ご自身の状況に合わせて、歯科医師・歯科衛生士に相談してみましょう。
歯並びと全身の健康との関係
「歯並び」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?美しい笑顔?きれいな歯並びは確かに魅力的ですが、実はそれだけではありません。歯並びは、全身の健康にも深く関わっているのです。
しっかりと噛むことは、食事のエネルギーをきちんと取り込むためにとても大切です。食べ物を細かく砕くことで、消化吸収を助け、胃腸への負担を軽減します。
逆に、噛む力が弱かったり、歯並びが悪くてうまく噛めないと、胃腸に負担がかかり、消化不良を起こしやすくなります。また、噛むこと自体が負担になると、食欲が減退し、バランスのよい食事を摂ることが難しくなってしまうことも。
さらに、自分の歯でしっかり噛むことは、脳への刺激にも繋がることが分かっています。噛む動作は、脳の血流を促進し、認知機能の維持・向上に役立ちます。そのため、歯並びが悪い、歯周病で噛めないなど、お口の中に不具合があると、認知症のリスクが高まる可能性も指摘されているのです。
このように、歯並びは全身の健康に大きく影響します。噛み合わせが悪い、歯が抜けているなど、お口の中に不具合がある方は、できるだけ早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
噛み合わせの不具合には矯正を
「歯並びが悪いと、見た目が気になる…」そう思っている方は多いのではないでしょうか?しかし、噛み合わせの不具合は、見た目だけの問題ではありません。
前述したように、噛み合わせは全身の健康にも影響を及ぼします。しっかりと噛むことができなければ、消化不良や栄養不足、さらには脳への刺激不足にも繋がる可能性があります。
また、一度悪くなった噛み合わせは、自然に戻ることはありません。そのため、噛み合わせの不具合を感じたら、早めに矯正治療を検討することが大切です。
お口の中は、一人一人違います。歯並びや骨格、生活習慣もさまざまです。そのため、患者さま一人ひとりのご希望と歯並びの状態を考慮し、きちんと合った方法で歯並びを整えていくことが重要になります。
当院では適切な矯正方法をご提案いたします。
当院では、患者さま一人ひとりのご希望に寄り添い、最適な矯正治療をご提案いたします。
ワイヤー矯正
従来からある矯正方法で、幅広い症例に対応できます。
マウスピース型矯正
透明なマウスピース型の装置を使用するため、目立ちにくく、取り外しが可能です。食事や歯磨きの際も邪魔になりません。装着時間をきちんと守れる方に向いています。
裏側矯正
装置を歯の裏側に装着するため、表からは見えません。人前に出ることが多い方に向いています。
部分矯正
一部分の歯並びだけを矯正したい方におすすめです。治療期間も短く、費用も抑えられます。
コンビネーション矯正
マウスピース型矯正とワイヤー矯正といっの矯正方法を組み合わせた治療法です。
外科矯正
あごの骨のずれが大きいなど、歯の移動だけでは改善が難しい場合に、外科手術を併用する方法です。専門の医療機関と連携して治療を行います。
まとめ
お口の健康を保つことは、全身の健康に繋がることがお分かりいただけたでしょうか?
歯周病は、動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病などのリスクを高めます。噛み合わせが悪いと、消化不良や脳への刺激不足などを引き起こす可能性があります。
毎日の歯磨きはもちろん、定期的な検診、そして歯並びや噛み合わせの改善など、お口のケアをしっかり行うことでさまざまな病気のリスクを減らし、より健康的な生活を送れるでしょう。
特に噛み合わせの不具合によるお口のトラブルは、自覚症状が少ないまま進行してしまうことが少なくありません。「矯正なんて必要ない」と安易に考えず、ぜひ一度、お口の状態をチェックしてみませんか?
当院では、患者さま一人ひとりのお悩みやご希望に寄り添い、最適な治療をご提案いたします。まずはお気軽に、カウンセリングへお越しください。