投稿日:2023.3.6
成人後に歯並びが悪くなることってあるの?
「小さい頃は歯並びがキレイだったのに、ここ数年でガタガタしてきた気がする」
実は、当院へご相談にいらっしゃる患者様の3割ほどがこういったお悩みをお持ちです。
結論からお伝えすると、成人後も歯並びががたつくことはあります。
歯並びが悪くなると、見た目が悪くなるだけでなく、虫歯や歯周病、顎関節症、消化不良、肩こりなど、様々な体の不調を引き起こす可能性があります。
本記事では、成人後に歯並びが悪くなる原因と、矯正治療をするメリットについて解説します。
目次
成人後に歯並びが悪くなる主な原因
「子供の頃はキレイな歯並びだったのに、いつの間にかガタガタに……」「せっかく矯正治療で美しい歯並びを手に入れたのに、成人後に変化してしまった」このような経験ありませんか?その原因はさまざまです。
親知らずが生えてきた
特に20代の方で、このケースが多く見られます。
親知らずは、一番奥に生えてくる歯で、通常は10代後半から20代前半に生えてきます。しかし、現代人は顎が小さくなってきているため、親知らずが生えるための十分なスペースがない場合が多く、さまざまな問題を引き起こすことがあります。
たとえば、スペースが不足していると、親知らずが斜めに生えてきたり、歯ぐきの中に埋まったまま横向きに成長したりすることがあります。このような場合、親知らずが他の歯を圧迫し、歯並びを乱してしまうのです。
「親知らずが他の歯に強く当たっている状態」が続くと、その歯は毎日少しずつ押され続け、最終的には歯並びがずれてしまいます。
痛みを感じたりするケースもありますし、歯茎の中に埋まっている親知らずは、歯ブラシが届きにくいため、虫歯や歯周病のリスクも高めてしまうこともあります。
食いしばり・歯ぎしり
仕事や人間関係のストレス、噛み合わせの不調から無意識のうちに歯を食いしばったり、ギリギリと歯ぎしりをしたりしてしまう方もいるでしょう。こうした「食いしばり」や「歯ぎしり」は、自分では気づかないうちに習慣化しているケースが多いです。
「食いしばり」とは、上下の歯を強く噛み合わせる行為。無意識に長時間続けていると顎や歯、そして周囲の筋肉に大きな負担がかかります。一方、「歯ぎしり」は、睡眠中に上下の歯をこすり合わせる行為。ギリギリという音とともに歯がすり減ってしまうこともあります。
歯にとっては大きな負担となり、歯がすり減って知覚過敏になるだけでなく、歯並びが乱れたり、顎関節症を引き起こしたりする可能性もあるのです。
虫歯の治療を途中で放置してしまった
「虫歯治療の途中だけど、もう痛くないし、面倒くさいから行かなくていいかな」といって放置してしまう方もいるでしょう。
たとえば、大きな虫歯で神経を抜く治療が必要になり、5~7回通院が必要だったとしましょう。治療を中断した歯は、再び虫歯菌に侵食されるリスクが非常に高くなります。せっかく綺麗にした部分も蓋がされていない状態なので、あっという間に虫歯が再発してしまうのです。
また、きちんと処置されていない歯の周りは炎症を起こしやすく、歯茎が腫れたり、出血したりすると、当然、歯を支える力も弱まってしまいます。結果、歯がグラグラと揺れ始め、最終的には歯並び全体が乱れてしまうのです。
なんらかの理由で歯と歯の間に大きなすき間がある
生まれつき歯が足りない方や虫歯などで抜歯した方など、理由はさまざまですが、歯と歯の間に大きな隙間があるとトラブルを引き起こす可能性があります。
隙間ができた部分は刺激がなくなるため、長い時間をかけて骨が徐々に体に吸収されていきます。すると、歯茎も下がり始め、隣の歯を支える力が弱まってしまうのです。その結果、歯はどんどん隙間へ傾斜していくというわけです。
成人後に歯並びを治すのは遅い?
「歯並び、気になるけど、今さら矯正なんて」と諦めていませんか?また、特に困ってないし…」と放置している方もいるでしょう。
確かに、日常生活で大きな支障がないと歯列矯正の必要性を感じにくいかもしれません。また、子供の頃に比べて骨の代謝が遅くなっているため、治療期間が長くなる傾向があります。
しかし、歯列矯正は決して「若い人のためのもの」ではありません。歯や歯ぐきが健康であれば、年齢に関係なく美しい歯並びを手に入れられます。
そして、近年では目立ちにくい矯正装置や、痛みの少ない治療法も開発されているので、以前よりもずっと気軽に矯正治療を受けられるようになっています。
「もっと早く始めていればよかった」と後悔する前に、まずは歯科医院で相談してみることをおすすめします。
成人後に矯正する3つのメリット
大人になってから始める矯正治療は、以下のようなメリットがあります。
虫歯・歯周病予防につながる
歯が重なっていたり、隙間が狭かったりする部分には、歯垢(プラーク)がたまりやすく、どれだけ丁寧に磨いていても完全に除去するのは難しいです。
この磨き残しが虫歯菌にとって絶好の住処になってしまい、食べカスに含まれる糖分をエサにして酸を作り出し、歯を溶かしてしまうことで虫歯になります。また、歯垢は時間が経つと固まって歯石になり、歯周病の原因に。
矯正で歯並びを整えることで、歯ブラシが届きやすくなり、これらのリスクを軽減できます。
顔のゆがみや肩こりなど全身への影響抑制
たとえば、無意識に左右どちらか一方でばかり噛む癖があると、その側の顎の筋肉ばかりが発達し、反対側の筋肉は衰えてしまいます。すると、顔の筋肉のバランスが崩れ顔の歪みにつながる可能性があります。
また、奥歯で強く噛みしめたり、歯ぎしりをする癖があると顎の筋肉だけでなく、首や肩の筋肉にも負担がかかり、緊張状態が続いてしまうことも。その結果、肩こりや頭痛といった症状が現れることがあります。
第一印象が変わる
第一印象を左右する要素の一つに「歯並び」があります。初対面の人と挨拶を交わすとき、自然と目線は口元にも向かいますよね。歯並びが整っていると清潔感や好印象を与えます。
一方、ガタガタの歯並びだと、どうしても相手に与える印象はマイナスになりがちです。もちろん、第一印象は見た目だけで決まるわけではありませんが、清潔感のある美しい歯並びは、相手に好印象を与える大きな武器になることは間違いありません。
就職活動やビジネスシーン、プライベートな人間関係など、さまざまな場面でプラスに働くはずです。
まとめ
海外では歯の美しさや健康に対する意識が高く、歯列矯正が一般的です。しかし、日本ではまだまだ「歯が痛くなったら歯医者に行く」という方が多く、予防歯科の意識が低いのが現状です。
しかし、歯は一度失ったら二度と生えてくることはありません。一生涯使い続ける大切な体の一部であり、その価値は10億円にも相当すると言われています。
「8020運動」をご存知でしょうか?これは、「80歳になった時に自分の歯を20本残そう」という運動です。健康な大人の歯は親知らずを除いて28本あります。年齢を重ねるにつれて歯を失うリスクが高まるため、80歳で20本以上の歯を残すことは、実は容易ではありません。
「将来、入れ歯で生活したい」と思う人はいないでしょう。そうならないように今~未来まで変えていくのが歯列矯正です。
すこしでも早く終われるよう、後回しにはせずに早めに矯正を始めることをおすすめします。
当院では矯正相談を受付けておりますので、歯並びが気になる方はお気軽にご相談ください。