投稿日:2023.4.22
歯にすき間があると口臭の原因に?
皆さん、こんにちは、池袋駅前歯科・矯正歯科です。
みなさんは口臭の原因は何だと思いますか?
よく挙げられるがのは「加齢」です。
加齢もひとつの要素として考えられますが、年齢が20代、30代と若い場合でも口臭が発生していることがあります。
なぜでしょう?
口臭は他人から指摘しにくいため、気づいていない可能性があります。
今回は、若い人でも口臭が発生してしまう原因のひとつである「開咬」についてお話ししたいと思います。
目次
開咬ってなに?
開咬は、歯科では「オープンバイト」と呼ばれることがあり、これは前歯や奥歯が正しく噛み合わない噛み合わせの異常を指します。
通常、歯は噛んだ時に上の前歯が下の前歯に少し覆い被さるのが正常な状態です。
しかし、開咬では奥歯で噛んだ際に上下の前歯が離れ、前歯がしっかりと噛み合わないため、食事中に奥歯に過度な負担がかかり、歯にダメージを与える可能性があります。
稀に、奥歯に空間ができている場合もありますが、前歯での症例が一般的です。
さらに、開咬の方は口周りの筋肉が衰え口呼吸になりやすく、その結果、口の中が乾燥して口臭が発生することもあります。
開咬になる原因は?
開咬になる原因は大きく2つに分類されます。
まず一つ目は遺伝による先天的な要因と、二つ目は日常生活での悪習慣による後天的な原因が大きく関係しています。
顎の大きさや位置のズレは両親や祖父母から遺伝することがあります。
また、後天的な要因としては子供の頃からの癖や、日常的に無意識に行っている癖が、開咬の原因となる可能性があります。
このように歯並びに影響を及ぼす誤った癖のことを「悪習癖」と言います。
開咬を引き起こす主な悪習癖を紹介していきましょう。
- ・長期にわたる指しゃぶりやおしゃぶりの使用
- ・悪習癖(舌突出癖や低位舌、咬唇癖など)
- ・口呼吸
指しゃぶり
幼児期に長期間指しゃぶりやおしゃぶりを使用していると、上下の前歯の間にすき間ができてしまいます。
これらの癖は歯や顎の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
指もしくはおしゃぶりをくわえていると、上の前歯は外側に、下の前歯は内側の方向へ圧力が加わるため、上下の前歯同士が離れてしまう結果になります。
舌癖(舌のポジション)
舌を前に押し出す癖や、舌の位置が下にある場合、上下の前歯が離れてしまう原因になってしまいます。
舌は通常上顎に触れているのが正しいポジションとされていますが、舌が下に落ちていたり、舌を前に押し出す癖があると、上の歯や下の歯が前に押し出され、開咬を引き起こすリスクが高まります。
舌癖は悪習癖の中でもよく見られる癖で、開咬以外にも出っ歯など様々なリスクの原因にもなり得るため、早期の対応が及び改善のためのトレーニングが必要不可欠です。
舌癖の矯正治療への影響についてはこちら>>>
口呼吸
口呼吸の習慣が続くと、上顎や下顎の正常な成長に影響を及ぼし、開咬を引き起こす原因となります。
口呼吸により、舌が上顎に接触せず下に落ちることで、上顎が十分に成長せず、結果的に正常な噛み合わせができなくなります。
このように、口呼吸により口周りの筋肉が衰え、さらに口呼吸が習慣化することで悪循環に陥ることがあります。
また、アレルギーや鼻炎によって鼻呼吸が難しくなると、口呼吸が習慣化し、それが開咬の原因となることも考えられています。
開咬が及ぼす影響
開咬は口腔内だけでなく、全身にも悪影響を与える可能性があります。
どんな影響を及ぼすのか説明していきます。
しっかり噛めない
自分の歯を鏡で見ると分かるように、歯にはいろいろな形があります。
前歯のように細くて小さい歯が奥に行くにつれて大きくなっているのが確認できると思います。
歯にはその形によってそれぞれ役割を持っています。
前歯は食べ物を噛み切る時に使い、奥歯は噛み切った食べ物をすりつぶす時に使います。
上の前歯が下の前歯に少し覆い被さるように位置しているのはこのためです。
例えば、ハサミを思い出してみてください。
物を切るために2つの刃が少しズレていますよね?
前歯も同様に噛み切るために少しズレているのが通常とされています。
開咬では、前歯が噛み合わないため、物を噛み切ることができません。
そのため、きちんと咀嚼できず消化不良を起こし、消化器官に負担をかけてしまう可能性があります。
口臭の原因となる
開咬は、自然に唇を閉じることが難しいです。
意識をすれば閉じることはできても、普段無意識のうちに口が開いてしまっているかもしれません。
口が常に開いていると口の中が乾燥してしまい、細菌が繁殖し口臭を発生させます。
また、正しく噛み合わないことで、唾液の作用である「自浄作用」がうまく働かず、汚れが残りやすくなります。
この汚れもまた、口臭の原因となる可能性があります。
歯周病や虫歯になりやすくなる
開咬は、噛み合う歯の本数が少ないため通常噛み合うことで作用する唾液の自浄作用が機能せず、汚れが溜まりやすい状態になります。
さらに、口が閉じにくいことにより口が空いた状態が継続するため、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病に罹患してしまう可能性があります。
発音が不明瞭になる
前歯が離れていることによりうまく発音ができない場合があります。
例えば「サ行」「タ行」などは発音が困難になる可能性があります。
サ行の音を発音するときは、舌を前歯の裏側や上あごに軽く接触させ、空気がその隙間を通ることで音が出ます。
開咬の場合は、空気が漏れやすくなり、発音が難しくなることがあります。
一方で、タ行の音は、舌を前歯の裏側または上顎に一度しっかりと接触させた後、舌をすばやく離すことで発音されます。
しかし、開咬である場合、舌が上顎に触れることが困難なため発音が不明瞭になります。
噛み合わせの集中
本来全体で満遍なく噛めることが理想ですが、前歯が噛み合わないため、自然と奥歯を使うことが増え、一部の歯に過度な負担がかかります。
そのため、噛み合った時に力が分散されず、通常以上の負担が集中します。
その結果、歯に大きなダメージを与え歯が欠けてしまったり、割れてしまう恐れがあります。
開咬の治し方は??
開咬の程度にもよりますが矯正治療で治すことができます。
顎の変形が認められる場合には、外科手術が必要になりますが、歯並びにのみ問題がある場合には矯正治療で改善することができます。
歯の傾きや位置を正しい位置に戻してあげることで、全体の歯でしっかり噛み合う歯列を得ることができます。
また、部分矯正だけでは改善の見込みが低いため全体矯正できちんと治療する必要があります。
歯列矯正で綺麗な歯列を手に入れても、悪習癖により後戻りする可能性は高いです。
そのため、開咬の原因が悪習癖である場合はその癖を治すための訓練が必要です。
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まとめ
開咬とは、上下の歯の間にすき間ができる噛み合わせの異常です。
この状態は口呼吸を引き起こしやすく、口内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなるため、口臭の原因となる可能性が高いです。
また、歯が正しく噛み合わないことで、唾液の自浄作用が十分に働かず、口内に食べ物のカスや汚れが残りやすくなるため、口臭だけでなく、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
開咬は、先天的要因である遺伝や、舌癖、口呼吸といった悪習癖が関与しており、改善するには矯正治療が必要です。
また、長期的に安定した歯並びを得るために歯を並べるだけでなく習慣付いてしまった悪習癖を治す心がけも大切です。
こういった歯並びを矯正することで口の中が清潔に保たれやすくなり口臭の改善が期待できます。
そして虫歯や歯周病などのさらなる口腔トラブルの予防にもつながります。
もし、上下の歯が噛み合わず矯正治療を考えられている場合は、矯正専門の歯科医院できちんと検査を行い、自分に合った適切な治療方法を見つけましょう。
歯並びでお悩みの方はぜひ当院のカウンセリングでご相談くださいね。
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