投稿日:2023.4.17
デンタルフロスと歯ブラシどちらが先?
「デンタルフロスと歯ブラシはどっちを先にするのが正解なの?」と気になっていませんか?
補助用具の一つであるデンタルフロスは、汚れの取り残しを防ぐ効果があり、虫歯や歯周病といったお口トラブルの予防に役立ちます。しかし、お手入れの正しい順番が分からず、なんとなくで使っている方も少なくありません。順番が違うことで問題があるのかどうかについても気になるのではないでしょうか?
こちらのページでは、デンタルフロスと歯ブラシの正しい順番や、フロスの種類、注意点などを分かりやすくまとめました。お手入れの質を上げたいという方はぜひご参考ください。
目次
デンタルフロスのあとに歯ブラシをするほうが良い
歯ブラシをしたあとにデンタルフロスを通すと、汚れがでてきて驚いたという経験をしたことはありませんか?
デンタルフロスは、歯と歯の側面の汚れを除去する目的がありますが、歯ブラシを先にするとデンタルフロスによって移動した汚れが根元に残ってしまう可能性があるため、注意が必要です。デンタルフロスで歯の接触点や側面の汚れを根元に移動させて、そのあとに歯ブラシの毛先で取り除くほうが汚れの取り残しを防げます。
フロスはどんなものを使うべき?
フロスは種類によって使いやすさや汚れの落としやすさが異なります。自分に合ったタイプを見つけるためにも、色々と試してみましょう。
主な違いは以下の3つです。
取っ手の有無
フロスには取っ手のついているものとついていないものが存在します。どちらも市販で購入でき、商品によって値段はさまざまです。
取っ手がついているF字タイプ
前歯に通しやすく、奥歯には通しにくいタイプです。奥歯に通すときは頬を大きく広げる必要があり、角度を間違えるとうまく通すことができません。頬が広がりにくい方や親知らず部分に通したい方には、Y字タイプかデンタルフロスがおすすめです。
歯の少ないお子様に使用する場合はFタイプでも問題ありません。まずはフロスの刺激に慣れることからはじめましょう。
一度使用したフロスには汚れが付着しますので、再利用はおやめください。
取っ手がついているY字タイプ
前歯と奥歯両方に通しやすいタイプです。歯列に沿って入れられるため、頬を大きく広げる必要がありません。
取っ手を横に向けると前歯に通すことができます。F字よりも売られている商品の数が少なく、取り扱っていないお店もあるので心配な方は事前に確認しておきましょう。基本的にはF字タイプと同じように使い捨てです。
取っ手がついていないデンタルフロス
糸だけのタイプです。
使う指の向きを変えることで前歯と奥歯両方に通せます。指に巻き付けた糸を調節すると、清潔な状態に切り替えられるので、同じ部分を使いまわしたくないという方にはとくにおすすめです。切り取った分はほかのタイプと同じように使い捨てになります。
取っ手がついているタイプよりも慣れるまでに時間がかかるので、できるだけ早めに挑戦しておくといいでしょう。
ワックスの有無
ワックス有りのほうが滑りがいいので歯の接触点に通しやすく、フロス初心者の方にも向いています。しかし、ワックスがついていることで汚れを絡みとるすき間が少ないため取り残しがおこる可能性があり、何回か往復するなど工夫が必要です。
フロスに慣れてきた方や、汚れの除去率を優先したい方には「ワックス無し」がおすすめです。
香りの有無
香りは汚れの除去率に影響しません。お気に入りの香りをみつけることでお手入れが楽しくなり、習慣化もしやすくなるでしょう。
歯並びが悪いとフロスが難しくなる!?正しい通し方について
歯並びが崩れていると、通常よりもフロスが通しにくくなることがあります。とくに歯の重なりや位置異常がみられる叢生は、歯の向きによって通し方に工夫が必要なため、慣れるまでに時間がかかるケースがほとんどです。歯並びを整えるとフロスを通しやすくなりますので、お手入れをしやすくしたい方はぜひ矯正治療をご検討ください。
フロスの正しい通し方は「のこぎりを引くように」
のこぎりをひくイメージで、上下ではなく前後に力をかけるのがフロスの正しい通し方です。通すときに真下に力を入れて勢いよく入れると、歯ぐきに強くあたって傷がつく恐れがあるため注意しましょう。フロスを歯ぐきにあてる必要はなく、根元まで通ったら左右の歯の側面にフロスを沿わせて根元から歯の先まで数回往復するように動かすのが、汚れをしっかり取るポイントです。歯の接触点を通っただけでは、側面の虫歯は予防できませんので忘れないようにしましょう。
フロス後の歯磨きで気をつけること
フロスをして汚れが根元に移動しているため、歯磨きが歯冠(歯の頭の部分)で止まっていては意味がありません。歯ブラシの毛先の位置が根元にもあたっていることを確認しながら磨くようにしましょう。毛先が歯ぐきにあたることでマッサージ効果も期待できます。
根元の磨き残しは歯科医院の歯周検査でチェックされやすいため、検査の結果を良くしたい方にもおすすめの方法です。
歯並びが乱れていると、フロス同様に歯ブラシもうまくあてられないということが起こります。
★歯並びの乱れによる歯磨きのしにくさについては「コチラ」に情報をまとめていますのでご参考ください。
フロスをすると歯ブラシのみで済ませるときとどう変わる?
歯ブラシのみでは全体の6割程度しか汚れを除去できません。フロスを通すことで除去率を9割近くに上げられるので、3割も変わることになります。
歯科予防がすすんでいる先進国では、小さいころから歯ブラシとセットでフロスを使っており、永久歯だけでなく乳歯の虫歯も少ないのが特徴です。乳歯の虫歯は永久歯にも影響するため、できるだけ早めの習慣化をおすすめします。
フロスはお口トラブルの早期発見にも役立つ
フロスが引っかかる部分は、虫歯ができていたり、詰め物や被せ物に問題がおこっていたりすることがあります。歯科医院でも、フロスは適切な診断をするために欠かせない道具の一つです。レントゲンには写らない小さなトラブルを発見することも少なくありません。
自覚症状がないトラブルも多いため、引っ掛かりを感じたら放置はせずに早めに歯科医院へご相談ください。
フロスに加えて歯間ブラシも使った方がいい?
歯間ブラシは歯の根元のすき間に通す道具で、すき間がない場合は無理に通す必要はありません。フロスで代用可能です。ただし、前歯にすき間がなくても奥歯もそうとは限らないため、まずは歯科医院で全体の状態を調べてもらいましょう。歯間ブラシが必要なすき間が1つでもある場合は、そこに汚れがたまりやすく、歯周病のリスクも高めです。歯ブラシとフロス、歯間ブラシの3種類を習慣づけて、しっかりと予防しましょう。
歯ブラシの前にフロスを通して清潔なお口を維持しよう
歯ブラシの前にフロスを使用するほうが、汚れの除去率を上げられます。フロスには取っ手の有無、ワックスの有無、香りの有無などいくつか種類があるため、自分に合ったものを見つけて1日1回通すようにしましょう。
フロスは、間違った通し方をすると歯ぐきを傷つける恐れがあります。上下ではなく前後に力を入れながらのこぎりをひくイメージでゆっくり下ろすようにしてください。側面に沿わせて動かすことも忘れないようにしましょう。
歯並びが原因で磨きにくい、磨き残しがあると感じていらっしゃる方は、是非カウンセリングへお越しください。
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