マウスピース(インビザライン)装着中のスポーツ・トレーニングは可能?
矯正治療中にスポーツやトレーニングが可能かどうかは、運動を日常的に楽しむ方やプロを目指すアスリートにとって、非常に重要な関心事です。特に、マウスピース型矯正(インビザライン)を選択した場合、装置の特性や使用状況が競技や運動パフォーマンスにどのような影響を与えるかを理解しておくことが必要です。
マウスピース型矯正は、取り外しが可能で日常生活に影響が少ないことが特徴です。そのため、装置を装着したまま多くのスポーツが楽しめるだけでなく、従来の金属ブラケット矯正に比べて衝撃による怪我のリスクも低いと言えます。本記事では、競技別の注意点、装置の扱い方、さらにはスポーツ中の飲み物の選び方に至るまで、詳しく解説します。
目次
スポーツ別の注意点
接触を伴うスポーツ
スポーツ用マウスガードの重要性
瞬発的な力が必要なスポーツ
瞬発力が必要な競技における対策
マリンスポーツ
スキューバダイビングの注意点
サーフィンの注意点
その他のスポーツにおける注意点
ジムでのトレーニングとマウスピース型矯正
スポーツ中に気をつけたい飲み物の選び方
スポーツドリンクのリスク
推奨される飲み物
スポーツドリンクを飲む際の手順
スポーツ中の飲み物に関する追加のアドバイス
矯正治療中の装置ケア
矯正治療と運動の心理的効果
マウスピース型矯正のメリットを最大限に活用するために
マウスピース型矯正についてのよくある質問
マウスピース矯正治療中でもスポーツは続けられる
矯正治療中に運動を中断する必要はありません。むしろ、適度な運動はストレス軽減や健康維持に役立ち、矯正治療の長期間にわたるストレスを軽減する手段にもなります。
マウスピース型矯正の装置は、滑らかなプラスチック素材で作られており、金属ブラケットと違って口内を傷つけるリスクがほとんどありません。これにより、日常的な運動やトレーニングを続けることが可能になります。ただし、スポーツの種類や運動の強度によっては、特別な注意が必要な場合もあります。
スポーツ別の注意点
マウスピース型矯正(インビザライン)は、多くのスポーツと相性が良い矯正方法ですが、競技や活動の種類によっては特定の注意が必要です。ここでは、接触スポーツ、瞬発力を必要とするスポーツ、そしてマリンスポーツに分けて詳しく解説します。
接触を伴うスポーツ
ラグビーやアメリカンフットボール、サッカー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツでは、顔や口元への衝撃が避けられません。このようなスポーツでは、衝突や転倒の際に歯や口腔全体に大きなダメージを与える可能性があります。
マウスピース型矯正装置は滑らかなプラスチックでできているため、金属ブラケットと比較すると衝撃による口内損傷リスクは低いです。しかし、装置が破損したり、歯に強い衝撃が加わったりすることもあるため、追加の保護としてスポーツ用マウスガードの併用を強く推奨します。
スポーツ用マウスガードの重要性
スポーツ用マウスガードは、特に衝撃が多い競技で歯や顎、口腔内を守るために設計されています。マウスガードを使用することで、衝撃が緩和され、装置の損傷リスクや歯の脱臼などの深刻なトラブルを予防できます。矯正中の場合は、歯並びに合わせた特注のマウスガードを作成することで、装置や歯への影響を最小限に抑えることが可能です。
瞬発的な力が必要なスポーツ
ウェイトリフティングやスプリント、テニスなど、瞬間的に大きな力を発揮するスポーツでは、無意識のうちに歯を強く噛みしめることがあります。この動作は矯正装置に直接的な負荷を与えるため、装置の変形や破損の原因となる可能性があります。
瞬発力が必要な競技における対策
1. 意識的に噛みしめを減らす練習
トレーニング時に噛みしめを意識的にコントロールすることが有効です。これにより、装置への負荷を軽減できます。
2. 矯正歯科で相談
噛みしめが強い方は、矯正歯科で追加の保護装置や専用カバーを作成することを検討してください。
また、ウェイトリフティングのような動作では、集中力と体幹を強化するトレーニングを併用することで、歯への過剰な力を避ける技術を習得できます。
マリンスポーツ
スキューバダイビングやサーフィンなど、海や水中で行うスポーツは、マウスピース型矯正装置を装着したまま楽しむことが可能です。しかし、これらのスポーツには独特のリスクがあります。
スキューバダイビングの注意点
ダイビングの際には、レギュレーターを噛むことで呼吸を確保しますが、噛む力が強すぎると矯正装置が変形したり破損したりする恐れがあります。このリスクを軽減するためには、以下の対策を講じることが重要です。
1. 適切なレギュレーターの選択
矯正装置と違和感なくフィットするレギュレーターを選びましょう。柔らかい素材のマウスピースが推奨されます。
2. 装置を外す
長時間の潜水が予定されている場合、装置を外して潜ることも一つの選択肢です。ただし、治療の効果を維持するためには装着時間を確保する必要があるため、潜水後すぐに装着する習慣を忘れないようにしてください。
サーフィンの注意点
波の衝撃や転倒時の怪我を防ぐため、口元を守る工夫が必要です。スポーツ用マウスガードの併用や、転倒時の正しいフォームを学ぶことがリスク軽減に繋がります。
その他のスポーツにおける注意点
・ボクシングや格闘技
これらのスポーツでは、顔への直接的な衝撃が頻繁に起こるため、矯正治療中は特に注意が必要です。競技中は必ず特注のマウスガードを装着し、歯と装置を保護しましょう。
・ゴルフやヨガ
衝撃が少ないこれらのスポーツは、矯正装置との相性が非常に良いです。ただし、屋外のスポーツでは脱水症状を防ぐための水分補給を心がけましょう。
ジムでのトレーニングとマウスピース型矯正
ジムでの運動は比較的リスクが低いと言えます。ランニングマシンやヨガ、軽い筋トレなどでは、特にマウスピース型矯正装置を意識する必要はありません。ただし、以下の点に注意してください。
・ウェイトトレーニング
重い負荷を扱う場合、歯を強く食いしばる癖があると装置が破損する可能性があります。
・高強度インターバルトレーニング(HIIT)
急激な呼吸や噛みしめが発生するため、装置のフィット感に注意してください。
スポーツ中に気をつけたい飲み物の選び方
運動中の水分補給は健康維持やパフォーマンスの向上に欠かせません。しかし、マウスピース型矯正(インビザライン)装置を装着している場合、飲み物の選択には注意が必要です。特に、スポーツドリンクのような飲料は糖分や酸が多く含まれているため、装置の隙間に残ると虫歯を引き起こすリスクがあります。
スポーツドリンクのリスク
スポーツドリンクは、運動中に失われる電解質やエネルギーを補給するために設計されています。しかし、その甘味や酸味を生み出す成分が、矯正治療中の口腔環境に悪影響を及ぼすことがあります。具体的には以下のようなリスクがあります。
1.糖分の影響
糖分は口内の細菌にとって栄養源となり、酸を生成します。この酸がエナメル質を溶かし、虫歯の原因となります。特に矯正装置の隙間に糖分が残ると、ブラッシングが不十分な場合に虫歯リスクがさらに高まります。
2.酸の影響
スポーツドリンクに含まれるクエン酸やリンゴ酸などの酸は、エナメル質を直接侵食します。これにより歯が弱くなり、虫歯や知覚過敏のリスクが増大します。酸が多い飲料は矯正中に避けるべき飲み物の一つです。
推奨される飲み物
矯正治療中は、基本的に水を選ぶことが推奨されます。水は糖分や酸を含まず、口腔内を中性の状態に保つのに最適です。また、水分補給としても効果的で、長時間の運動やトレーニング中の体温調節にも役立ちます。
ただし、「どうしてもスポーツドリンクを飲みたい」という場合には、以下の手順を守ることでリスクを最小限に抑えることができます。
スポーツドリンクを飲む際の手順
1. 装置を一時的に外す
スポーツドリンクを摂取する前に、マウスピースを外してください。装置を外すことで糖分や酸が装置の隙間に入り込むのを防ぎます。
飲み終わったらすぐに歯磨きをする
スポーツドリンクを飲んだ後は、可能な限り早く歯磨きを行いましょう。歯ブラシを持ち歩けない場合は、水でしっかり口をすすぐだけでも効果があります。
再装着前に装置を洗浄する
再び装置を装着する前に、流水で装置をしっかり洗いましょう。これにより、装置に付着した糖分や酸を取り除き、虫歯のリスクを軽減できます。
スポーツ中の飲み物に関する追加のアドバイス
1.フレーバー付きウォーターの注意点
「ヘルシー」に見えるフレーバー付きウォーターでも、実際には糖分や酸が含まれている場合があります。ラベルを確認し、成分表に糖類や酸が含まれていないものを選びましょう。
2.炭酸水の選択
無糖の炭酸水は一見安全に思えますが、炭酸の成分によってわずかながら酸性を示すことがあります。頻繁に摂取する場合は、マウスピース型矯正装置への影響も考慮してください。
3.スポーツ後に摂取するもの
運動後に摂取するプロテインシェイクやリカバリードリンクにも糖分が含まれる場合があります。スポーツ後の栄養補給時には、必ず歯磨きと装置の洗浄をセットで行いましょう。
矯正治療中の装置ケア
矯正治療中の運動を安全に続けるためには、装置の適切なケアが欠かせません。
1. 定期的なチェック
装置に損傷や変形がないか確認しましょう。
2. 装置の清掃
運動後は装置を流水で洗浄し、清潔を保つよう心がけます。
3. 適切な保管
外した装置は専用のケースに保管し、紛失を防ぎます。
矯正治療と運動の心理的効果
運動は体だけでなく、心にも良い影響を与えます。矯正治療中は、見た目や装置の違和感からストレスを感じることがあるかもしれません。しかし、適度な運動は心の健康を保ち、治療期間中の気分の落ち込みを防ぐ助けになります。
リラクゼーション効果
ヨガやピラティスは、呼吸を整え、ストレスを軽減する効果があります。
エンドルフィンの分泌
運動により「幸福ホルモン」とも呼ばれるエンドルフィンが分泌され、ポジティブな気分を促します。
マウスピース型矯正のメリットを最大限に活用するために
マウスピース型矯正は、スポーツやトレーニングと両立しやすい矯正方法です。しかし、装置の特性を理解し、適切に使用することが求められます。不安や疑問がある場合は、必ず歯科医院に相談してください。
池袋駅前歯科・矯正歯科では運動を行う方の矯正相談も受け付けております。
治療中もアクティブな生活を送りながら、笑顔と健康な歯並びを手に入れることを目指しましょう。