投稿日:2022.6.18
親知らずのせいで歯並びが悪くなる?歯列矯正で抜くケースとタイミングについて
こんにちは。
池袋駅前歯科・矯正歯科です。
いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
みなさん親知らずは聞いたことがあると思いますが、実は親知らずが歯並びに関係しているのをご存知ですか?以前は歯並びがよかったのに、だんだんとデコボコしてきたと感じるかたもいらっしゃるかと思います。
もしかしたらその原因は、親知らずかもしれません。今日は歯並びが悪くなる原因の一つである「親知らず」について解説します。
目次
親知らずとは
親知らずとは、前から8番目、一番奥に生える永久歯のことです。
「第3大臼歯」や「智歯」とも呼ばれています。
親知らずは、一般的に15歳ごろから生え始めますが、生まれつきない方や4本全て生えない方、斜めに生えてくる方もいます。
そのため、親知らずがあるかどうかは、レントゲンを撮ることでわかります。
親知らずのせいで歯並びが悪くなる?
歯並びが悪くなる原因はさまざまですが、親知らずも関係していることもあります。
親知らずが真っ直ぐに生えている場合、歯並びに影響を与えることは少ないとされています。
しかし、親知らずが埋まっていたり斜めに生えていたりすると、手前の歯が前に押されてしまい前歯がデコボコしてくることがあります。前歯以外にも奥歯も外側にどんどん押されてしまい、噛み合わせがずれてしまうことも。
また、親知らずが生える年齢になっても生えるための十分なスペースがないと、他の歯に圧力をかけてしまう可能性があります。
ただ、親知らずを抜歯したからといって歯並びが改善されるわけではありません。
歯並びが悪化する原因の一つを取り除くことができますが、悪くなった歯並びをきれいに整えるためには歯列矯正が必要になります。
親知らずは抜かないとだめ?
お口の中には親知らず以外に上下で28本の歯があります。
かみ合わせは上の歯14本・下の歯14本でしっかりとかみ合っていれば、親知らずはなくても問題ありません。
しかし、親知らずがあることで残りの歯がむし歯になりやすくなってしまったり、噛み合わせを崩してしまうこともあるので、目で見えるほど生えてきた親知らずは抜歯したほうが良いです。
ただ親知らずが生えてくる途中で歯茎が炎症を起こして腫れて痛むことがあり、炎症が強いと口が開かなくなることもあります。
そのような場合は抗生剤や痛み止めを飲んで炎症を落ち着かせた後に、親知らずを抜歯するのが一般的です。
また親知らずがむし歯になってしまった場合も抜歯が必要です。
親知らずがむし歯でなくても、手前の歯の治療をするために抜歯が必要なこともあります。
歯列矯正で親知らずの抜歯が必要なケース
歯列矯正は、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要になることもあります。
通常は前から4・5番目に生えている小臼歯のいずれかを抜歯することが多いです。
しかし、以下のケースでは親知らずの抜歯が必要になります。
あごが小さい
あごのサイズが小さいと歯と歯の間に十分なすき間がなく、歯並びが乱れる原因となります。
また、矯正治療で歯を動かすためのスペースが確保できていない状態です。そのため、抜歯によって必要なすき間を作るために親知らずを抜くことがあります。
親知らずがかみ合わせに影響している
親知らずがあることにより上下の歯が正しく噛み合わない、前の歯を押しているなど、歯並びと噛み合わせに影響している場合、抜歯が必要になることがあります。親知らずを抜くことで、歯並び全体を大きく動かすことが可能です。
後戻りのリスクが高い
現時点で他の歯に影響がなくても、歯ぐきの中に埋まっている親知らずは、抜歯の対象になることもあります。
特に、未発育の親知らずが横向きに位置しており、隣接する歯に移動し、圧力をかける恐れがある場合、矯正治療後の後戻りのリスクを高める可能性があります。
そのため、予防的に抜歯することも少なくありません。
歯列矯正で親知らずの抜歯が不要なケース
歯列矯正で親知らずの抜歯が不要なケースは以下の通りです。
親知らずがまっすぐに生えている
親知らずがまっすぐに生えており上下の歯がしっかりと噛み合って、なおかつ虫歯のない状態の場合は、抜歯の必要はありません。
親知らずの状態によっては矯正治療で動かすこともあります。
また、トラブルを起こしていない場合、将来的に虫歯などで失われた歯の代わりに移植やブリッジの土台として活用することができます。
親知らずが完全にあごの骨の中に埋まっている
親知らずが完全にあごの骨の中に埋もれており、他の歯に悪影響を与えていない場合、そのまま残しておくことがあります。
歯列矯正で親知らずを抜くタイミングは?
矯正治療で親知らずを抜くタイミングは、状況によって異なります。
たとえば、親知らずがまだ生えていない(埋まっている)若年層で矯正治療を開始するケースでは、親知らずが他の歯に影響を与える前に、予防的に抜歯を行うことがあります。
一方で、既に親知らずが生えている場合は、抜歯をしてから矯正治療を開始するのが一般的です。
とは言え、すべての親知らずが抜歯されるわけではありません。親知らずがあごの骨の中に埋まっていて他の歯に影響を与えない場合や、まっすぐに生えていて上下でしっかり噛み合っている場合は、抜歯する必要は必ずしもありません。
歯列矯正で親知らずを抜くデメリットは?
歯列矯正治療における親知らずの抜歯には、以下のようなリスクを伴うことがあります。
痛みと腫れ
抜歯は外科的な処置であるため、手術後には一時的な痛みや腫れが生じる可能性があります。
特に、親知らずがあごの骨に深く埋まっていたり、歯の根っこが複雑な形をしている場合は処置が困難になりがちで、結果として痛みや腫れが強く出たり、回復に時間がかかることがあります。
そのため、抜歯後は適切なアフターケアが重要となり、歯科医師の指示に従って痛み止めや抗生物質を飲みましょう。
感染のリスク
抜歯後の傷口は感染しやすい環境です。
適切なアフターケアを怠ると、細菌感染を引き起こし、傷口の周囲が腫れ、場合によっては顔の他の部分にも影響を及ぼすことがあります。
また、抜歯後に血餅(けっぺい)と呼ばれるかさぶたが形成されないと、骨が露出するドライソケットが生じることがあります。
強い痛みを生じるため、抜歯後は傷口に触れるような行為を避け、強いうがいも控えましょう。
下歯槽神経の損傷
また、下の歯の親知らずには、「下歯槽神経(かしそうしんけい)」と呼ばれる神経の近くに位置しています。
抜歯時にこの神経を誤って傷つけてしまうと、頬や唇の感覚が鈍る可能性があります。
そのため、親知らずを抜歯する際は、このようなリスクを軽減するためにレントゲンや歯科用CTを用いて、正確に歯と神経の位置を把握します。
矯正治療するときはどうしたらよいのか?
矯正治療をする際は、親知らずを抜くことがあります。たとえば、親知らずを抜いて後ろに歯を動かす場合は装置を付ける前に必ず抜歯が必要です。
ただし下の親知らずは生えている位置によっては抜歯後に唇の痺れなどが出る場合があるため、抜歯のリスクと抜歯しない場合のリスクを検討する必要があります。レントゲン撮影や歯科用CTなどを用いて、親知らずを含むすべての歯の位置や歯の根っこの状態を確認します。
矯正専門の歯科医院では通常、抜歯を行いません。そのため、親知らずの抜歯が必要と判断した場合、紹介状を発行し、かかりつけの歯科医院や口腔外科で抜歯を行うことになります。
矯正治療を考えているが、どうしたらよいか分からない方はまずは矯正の先生に相談するのが良いでしょう。抜歯の必要性やメリットやリスクについて説明してくれます。
まとめ
親知らずは歯並びや噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。
特に斜めに生えて他の歯に圧力をかけている場合は、歯並びや矯正治療に悪影響を与えることがあります。
そのため、問題があれば抜歯することを勧められることも多いです。
ただし、抜歯にはリスクも伴うため、親知らずの抜歯を勧められた場合は、歯科医師との相談を通じて十分に理解した上で判断しましょう。
当院では矯正カウンセリングを行っております。
正確な抜歯本数やタイミングは有料の精密検査後のご説明となりますが、カウンセリング時点でも可能性のご説明を致します。
矯正治療をお考えの方は一度カウンセリングへお越しください。