投稿日:2023.5.10
矯正中に虫歯があったらどうする?
「矯正治療中に虫歯になったらどうしよう…」
「矯正装置をつけたまま、虫歯治療はできるの?」
「治療期間が延びたりしない?」
矯正治療を始めたいけど、虫歯がある場合はどうすればいいのでしょうか?
結論から言うと、虫歯がある場合は、基本的に先に虫歯治療を済ませてから矯正治療をスタートします。
本記事では、矯正前・矯正中に虫歯があった場合の対処法、虫歯予防の重要性について解説します。現在矯正中の方、これから矯正を開始する方はせひ参考にしてください。
目次
矯正をはじめたい!けれどむし歯がある場合はどうなる?
結論から言うと、虫歯がある場合は、基本的に先に虫歯治療を済ませてから矯正治療をスタートします。なぜなら、虫歯を放置したまま矯正治療を行うと、さまざまな問題が発生するリスクがあるからです。
まず、矯正装置を装着すると歯ブラシが届きにくくなり、小さな虫歯が大きな虫歯に発展したり、新たな虫歯が発生したりする可能性が高まります。
また、矯正中は定期的に通院する必要がありますが、虫歯治療のために予定外の通院が必要になると、結果的に治療期間が延びてしまう可能性があります。治療期間が長引くと費用面でも負担が増えることも。
そのため、矯正治療をスムーズに進めるためには、事前に虫歯をしっかり治しておくことが大切です。虫歯治療が完了したら歯科医師が改めてお口の状態をチェックし、矯正治療を開始できるかどうかを判断します。
ワイヤー矯正中にむし歯ができたら?
ワイヤー矯正中に虫歯ができてしまった場合は、虫歯の大きさと矯正治療期間にもよりますが、できるだけはやめに治します。
矯正装置がついていない全く関係ない場所の虫歯に関しては、そのまま治療をしてもらってかまいません。
矯正装置やワイヤーが干渉する虫歯の場合は、一時的にワイヤーやブラケットを取り外す必要があります。
矯正中にワイヤーを取り外すことは一見大変そうですが、一般的な処置なので過度に心配する必要はありません。
ただし、取り外し・再装着の手間がかかるため、治療期間が多少延長する可能性があることは理解しておきましょう。場合によっては、虫歯治療後に治療計画の微調整が必要になることもあります。
ワイヤー矯正中は、装置が付いているため歯磨きがしにくく、虫歯リスクが高まります。だからこそ、毎日の丁寧なブラッシングと、歯科医院での定期的なクリーニングが重要です。
【ワイヤー矯正】
「表側矯正」について
「裏側矯正」について
「ハーフリンガル矯正」について
マウスピース型矯正中にむし歯ができたら?
マウスピース型矯正はカスタムメイドのマウスピースを使って歯を動かしていく治療法です。そのため、虫歯治療などで歯の形が変わってしまうと、マウスピースが合わなくなり、矯正治療に支障をきたす可能性があります。
理想的なのはマウスピース型矯正を始める前に既存の虫歯を全て治療しておくこと。しかし、実際には矯正中に新たな虫歯ができてしまうケースも少なくありません。虫歯の大きさや位置、矯正治療の進行状況によって対応は異なります。
軽度の虫歯の場合は矯正治療を継続しながら様子を見る
初期の小さな虫歯であれば、マウスピース型矯正を継続しながら様子を見ることができます。ただし、これはあくまで歯科医師の判断に基づくものであり、自己判断で治療を先延ばしにするのは危険です。
場合によっては、一般歯科でマウスピースの形に合わせて詰め物をすることもあります。ただし、マウスピースのフィット感が悪くなり、歯の動きに影響が出た場合は、マウスピースの再作製が必要です。
中等度~重度の虫歯の場合は矯正治療を一時中断
痛みなどの症状があるなど虫歯治療が優先される場合は、矯正治療を中断する場合があります。
ただ、マウスピース型矯正中は歯の移動に伴う痛みや知覚過敏で水がしみることがあります。これらの症状は矯正治療の初期によく見られる一時的なものですが、虫歯が原因で痛みが出ている可能性も否定できません。少しでも気になる症状があれば自己判断せず、すぐに歯科医師に相談しましょう。
マウスピース型矯正のマウスピースは、歯にぴったり密着することで矯正力が働きます。虫歯治療によりマウスピースがきれいにはまらない場合は再度スキャンが必要です。その場合、矯正期間が長引く可能性がありますのでご注意ください。
虫歯予防をしましょう!
矯正治療が順調に進み、歯並びが整ってくると、これまで歯の重なりで見えなかった部分が露わになり、そこで初めて虫歯が発見されるケースも少なくありません。
矯正前に虫歯チェックを行っていても隠れた虫歯までは見つけるのが難しい場合もあるのです。
せっかく歯並びを治して見た目を変えるために頑張っているのに、虫歯になって治療痕でお口の中に金属が沢山みえていたらもったいないですよね。
そのため、矯正中はいつも以上に丁寧な歯磨きを心がける必要があるのです。
矯正治療が終わった後は保定期間に入り、期間中は、歯の後戻りを防ぐために「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着します。当院では、マウスピース型のリテーナーを使用しています。
マウスピース型のリテーナーは、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際には取り外せます。しかし、装着したまま糖分の多い飲み物を飲んだりすると、虫歯のリスクが高まってしまうので注意が必要です。
虫歯を予防するためにも食事や間食の後は必ず歯磨きを行い、リテーナーも丁寧に洗浄してから再装着するようにしましょう。
また、矯正前・矯正中・矯正後も毎日の歯磨きを丁寧に行うことが大切です。鏡を見ながら1本ずつ丁寧に磨き、虫歯予防に努めましょう。
矯正歯科でも虫歯治療は可能?
矯正歯科では虫歯や歯周病などの一般的な歯科治療を行っていない場合がほとんどです。矯正歯科は、歯並びや噛み合わせを専門とする歯科医院であり、虫歯治療などの設備が整っていないことがあります。
そのため、矯正中に虫歯が見つかった場合は、矯正歯科から別の一般歯科に紹介されることになります。しかし、中には矯正歯科でも虫歯治療を行っている歯科医院もあります。そのため、矯正治療を始める前に虫歯治療の可否について確認しておきましょう。
虫歯治療は、健康保険の適用範囲内であれば保険が適用されます。ただし、矯正治療自体は保険適用外となるため、虫歯治療と矯正治療でそれぞれ費用が発生しますので注意が必要です。
※当院は一般歯科を行っていないため、虫歯の治療は行っていません。
まとめ
矯正中に虫歯がある場合は、基本的に先に虫歯治療を済ませてから矯正治療を始めます。
また、矯正中は、装置が付いているため歯磨きがしにくく、虫歯リスクが高まるため注意が必要です。
ワイヤー矯正中に虫歯ができた場合は、一時的にワイヤーやブラケットを取り外して虫歯治療を行い、マウスピース型矯正中に虫歯ができた場合は、軽度であれば矯正治療を継続しながら様子を見ます。中等度~重度であれば矯正治療を一時中断して虫歯治療を行うことが多いです。
矯正中に虫歯にならないためにも毎日の丁寧なブラッシングと、歯科医院での定期的なクリーニングで虫歯を予防しましょう。
当院ではカウンセリングを行っています。「虫歯があるけど矯正できる?」といった疑問も丁寧にお答えいたしますので、どうぞお気軽にご予約ください。
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