投稿日:2025.10.15
下の歯はそのままでいい?全体矯正すべき理由と後悔しない選択法
目次
はじめに:よくある疑問「下の歯も矯正しないとダメ?」

こんにちは!池袋キュア矯正歯科です。
歯並びが乱れているところが上の歯だけの場合「気になるのは上の歯だけなのに、下の歯も矯正が必要なの?」「上の歯だけ矯正して、下の歯はそのままでもいい?」などと思われる方は少なくないでしょう。
当院のカウンセリングにいらっしゃる患者様からも、非常に多くいただくご質問です。
本記事では、気になっていなくても下の歯も矯正するべき理由や判断ポイントなどについてわかりやすく解説していきます。
上下の歯はセットで噛み合っている

気になる歯並びが上だけであっても、片方だけではなく上下合わせて矯正治療をすることが望ましいでしょう。なぜなら、上下の歯はセットで噛み合っているからです。
この項では、詳しい理由をご説明していきます。
見た目だけでなく、噛み合わせが大切
歯は、見た目だけ整っていればいいわけではありません。なぜなら、歯には「食べ物を噛む」という役割があるからです。
見た目を優先して上の歯だけを矯正すると、噛み合わせが変わって噛みにくくなってしまう可能性があります。
歯並びがキレイでも、物を上手く噛めないのであれば本末転倒ですよね。歯列矯正をする際は、上下の噛み合わせのバランスがとれているかどうかも重要なポイントになるのです。
下の歯が動かないと、上の歯の動きに制限がかかる
上の歯を理想の位置に移動させたい時、下の歯が動かせないことはデメリットになります。なぜなら、上の歯の移動範囲に制限が生じてしまうからです。
理想的な位置に歯を移動させられないと、上手く噛めなくなる可能性があります。また最終的な歯並びの仕上がりに満足できない、といったリスクにも繋がります。
歯並びが著しく悪い場合や、大きく乱れている場合には、全体的に歯列矯正をしないと改善が難しいでしょう。
実際の質問と回答(実例)
Q:「上の歯は矯正したいのですが、下の歯の歯並びは特に気になっていません。それでも、下の歯まで矯正しないといけないのですか?」
A:「患者様の歯並びや噛み合わせの状態によっては、部分的に矯正する『部分矯正』をすることも可能です。ただし、部分矯正はあくまでも見た目だけを整えるものなので、噛み合わせを整えることはできません。歯並びの乱れが著しく抜歯が必要な場合などは、上下合わせて全体的な矯正をすることが望ましいでしょう。」
抜歯をともなう矯正では、上下の調和が必要

矯正治療をするに当たって、抜歯が必要となる矯正方法を『抜歯矯正(ばっしきょうせい)』といいます。
歯が重なって生えている・顎が小さいといったケースでは、そもそも歯が並ぶためのスペースが足りません。その場合は、上の歯だけの歯列矯正は難しく、抜歯矯正や全体矯正の適応となるでしょう。歯を並べるスペースを確保するために、歯を抜く必要があるからです。
抜歯スペースは上下の歯の動きを設計するための“資源”
抜歯をすると、歯があった部分には大きな隙間ができます。この隙間を利用することで、乱れた歯を理想的な位置に移動させ整えていくことが可能になります。
この時に片方の顎だけ動かすと、噛み合わせにアンバランスが生じてしまい、しっかりと合わせることができません。上下両方の歯を同時に動かしていくことで、歯並びだけではなく噛み合わせも整えることができるようになるのです。
抜歯矯正は「全体の設計図」があってこそ効果を発揮する
抜歯矯正では、部分的ではなく全体的な設計をすることが求められす。歯並びの乱れや噛み合わせのバランスを整えることはもちろん、出っ歯を改善して口元の突出感を改善するなど、お顔の印象まで考慮して改善していくからです。
一方、部分矯正は「設計自由度が低い」といえるでしょう。限られたスペースの中で、限られたようにしか歯を動かすことができないからです。その結果、中途半端な仕上がりになってしまう可能性があります。
部分矯正で済むケースと、そうでないケース
『部分矯正(ぶぶんきょうせい)』とは、文字通り部分的に歯列矯正をすることです。
この項では、部分矯正で対応できるケースとできないケースについてご説明していきます。
部分矯正が可能なケース
・軽度の前歯のガタつき
・軽度の出っ歯
・部分的な後戻りの改善
・噛み合わせには問題がない
部分矯正が不向きなケース
・すきっ歯
・歯並びの乱れが大きい
・抜歯が必要である
・噛み合わせに乱れがある
・奥歯の位置に問題がある
・上下のバランスがズレている
上記にあげたケースからわかるように、部分矯正は誰にでも適用できるわけではありません。患者様の歯並びや噛み合わせの状態によって、適応できるケースとできないケースがあるのです。
「勿体ない矯正」を避けるために大切なこと

歯列矯正は、部分矯正でも全体矯正でも、それなりの期間と費用が必要な治療です。
せっかく始めたのに、結果に満足できなかったり、後々やり直すことになっては非常に勿体ないでしょう。
それを避けるためには、次の2つの点を重視して決めていくことが大切です。
見た目だけでなく「機能面のゴール」も意識
矯正治療の目的には、噛めることや噛み合わせが安定することも含まれています。歯列矯正というと、つい見た目の歯並びだけに気を取られてしまいがちですが、機能面での改善も視野に入れて検討するようにしましょう。
一時的な希望より、長期的な結果重視
歯列矯正の期間は平均して2年前後と、決して短い期間ではありません。「早く歯並びを整えたい」と思われる方は、たくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、目の前のことだけしか考えずに安易に部分矯正を選択してしまうと、後々後悔してしまうケースは少なくありません。
もし再治療をすることになった場合は、時間的な負担も費用面での負担も大きくなってしまいます。希望を持つことは大切ですが「自分に合った方法は何か」また「どのような方法を選べば将来的にも良い状態を保てるのか」という点からも考えるようにしましょう。
精密検査で判断するのが最も確実

下の歯を矯正せずに部分矯正で対応できるのか、全体矯正をした方が良いのかという判断は、精密検査をした上で決めていくことになります。なぜなら「上の歯の矯正だけで問題ないのか?」「部分矯正と全体矯正のどちらが適しているか?」という判断に関しては、個人差が非常に大きいからです。
精密検査によって一人ひとりの歯並びや噛み合わせの状態を把握し、患者さんのご要望も考慮して歯科医師が診断と治療計画の立案を行っていきます。
精密検査で行う検査は、一般的に以下のようなものです。
・口腔内、顔面写真撮影
・レントゲン撮影(パノラマ、セファロ)
・歯科用CT撮影
・歯型の採取(型取り、口腔内スキャン)
このように、精密検査では様々な検査を行います。もしご不安や希望などがあれば、矯正治療を検討されている歯科医院で事前にしっかり相談するようにしましょう。
まとめ:下の歯も矯正するべきかは、治療設計次第

今回は、下の歯並びが気になっていなくても矯正するべき理由や、判断ポイントなどについてご説明しました。
「気になっている部分を部分矯正で治せるなら、部分矯正がいい」と考えておられる方も少なくないと思いますが「下の歯並びは気にならない=矯正しなくていい」とは限りません。矯正治療は見た目だけを整えるのではなく、機能面での改善も目的のひとつだからです。
矯正治療を行う際には、手軽さや費用面の問題だけではなく「自分にはどの矯正方法が合っているのか」という点からも考えるようにしましょう。
歯並びの気になる方や部分矯正・全体治療をお考えの方は、まず精密検査を受けてみてくださいね。
池袋キュア矯正歯科では、矯正カウンセリングを随時行っております。ご予約は24時間いつでも承っておりますので、どうぞ気軽にご活用ください。
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