投稿日:2023.8.14
カリエール矯正とは?その仕組みと特徴
池袋駅前歯科・矯正歯科です。
カリエール装置と聞いてピンとくる方は少ないのではないでしょうか。
一般的なワイヤー矯正やマウスピース型矯正などは、なんとなくイメージできてもカリエール装置はなかなか目にする機会もないため、ご存じない方も多いでしょう。
ですが、この装置は矯正治療において大切な役割を果たしてくれます。
そこで今回は、カリエール装置がどのような症例に適しているのかや、その特徴やメリットなどを詳しく説明していきます。ぜひ参考にしてみてください。
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目次
そもそもカリエール装置とは?
カリエール装置は、矯正治療の一環として使用される装置の一つです。
その主な目的は、歯を後方に移動させることで、噛み合わせや歯並びを整えることです。
特に、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)といった症例で使われることが多く、効率的に歯を動かせるのが特徴です。
装置は細長い金属製で、上下どちらかの犬歯と第一大臼歯に取り付けられます。
この装置にゴムを装着し、犬歯と反対側の奥歯に引っかけることで、ゴムの収縮力を利用して歯を計画通りに動かします。
これにより、歯列全体のバランスを整えやすくなり、矯正治療をスムーズに進めることが可能です。
どうしてカリエール装置は人気なの?
カリエール装置は、主に本矯正がスタートする前に使用されます。
歯を並べるためのスペースの確保を目的とした事前矯正で使われます。
カリエール装置を用いたのち、本矯正を行なった場合と、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正を単独で行なった場合とでは、矯正期間に明らかな違いが生じることが分かっています。
もちろん、カリエール矯正を用いた方法の方が、本矯正で装置を装着している期間が平均して約30%も短縮されるという報告が出ています。
さらに、カリエール装置は犬歯と奥歯である第一大臼歯にまたがって装着されるため、前方から目立ちにくいこともメリットとして挙げられます。
見た目にも影響を及ぼしにくいため、矯正前にある程度奥歯を動かしておいて、本矯正をスタートさせることで、前歯に矯正装置を装着している期間を短くすることができるのも人気の一つです。
矯正をしていることをあまり周りに知られらくない方や、見た目が気になる方にとっては嬉しい矯正治療方法のひとつであると言えます。
さらに、本矯正前にカリエール装置で事前矯正を行なった場合、非抜歯で矯正治療を進めることが可能なケースがあります。
従来では、抜歯によって歯を並べるスペースを確保していましたが、カリエール装置で犬歯より奥の歯を後方へ移動させることでスペースを確保できるようになりました。
もちろん適応症例には限りがありますので、使用できるかどうかは詳しい検査のもと診断する必要があります。
なぜカリエールを装着するのか?
カリエール装置を使用する主な目的は、大きく分けて以下の2つです。
スペースを作るため
歯並びが悪い原因の一つにスペースが足りないことが挙げられます。
このスペースは、歯の両サイドを薄く削って歯自体を少し補足するディスキング、もしくは抜歯でスペースを作ります。
しかし、口腔内の状態によって、非抜歯で対応が可能なケースは、本矯正前にカリエール装置によってスペースを作ります。
歯を並べる作業をスタートさせる前に、犬歯から後方の歯をまとめて後ろへ下げます。
そうすることで、抜歯をせずと歯を並べるためのスペースが確保でき、後の治療をスムーズに行うことが可能です。
正常な噛み合わせにするため
もうひとつの目的は、奥歯を正しい位置に動かして噛み合わせを整えることです。
奥歯の位置が整うことで、上下の歯がしっかりと噛み合い、全体の歯並びをより美しく、機能的に改善するための土台が作られます。
カリエール矯正を使用するタイミングとは?
カリエール矯正を使用するタイミングはワイヤー矯正やマウスピース型矯正を行う間に、事前強制として使用されます。
カリエール矯正を始めてから大体2ヶ月〜6ヶ月かけて歯を後方へ動かしていき、十分なスペースを確保できたら、本矯正へとステップアップします。
歯が動くペースには個人差があります。
その理由の一つとして、カリエール装置で歯を動かすには「ゴムかけ」を行う必要があるからです。
ゴムかけは原則1日20時間以上の装着が求められます。
食事と歯磨きの時以外は基本的にゴムかけをした状態で日常生活を送っていただきます。
ゴムを装着した時間と比例して歯の動きも変わってくるので、「サボってなかなかつけることができなかった」場合は、歯の動きも計画通りに進まないことがあります。
患者さん自身の協力が必要になってくることを覚えておきましょう。
カリエールが適応される条件は?
軽度から中等度の不正咬合
カリエール矯正は、軽度から中程度の不正咬合に特に有効です。
たとえば、下顎が前に出ている「下顎前突」や、上顎が突出している「上顎前突」の症例では、上下の奥歯と前歯の位置関係を整えることで、噛み合わせを改善できます。
これにより、矯正治療全体の効率を高めることが可能です。
あまりに歯のガタ付きが大きい場合は、装置を取り付けることが困難なため、重度の歯列不正には適していません。
第一大臼歯が萌出済み
カリエール装置は、歯を動かすために力をかける装置です。
この力を支えるためには、強力で安定した支点が必要です。
第一大臼歯は、歯列の中で最も強く安定した位置にあるため、カリエール装置の力をしっかりと受け止める役割を果たします。
もし第一大臼歯が萌出していない場合、装置を固定するポイントが不十分になり、治療効果が得られにくくなるのです。
カリエール矯正治療の方法
カリエールは犬歯と第一大臼歯にまたがってつける矯正器具です。
後ろに下げたい方の顎にカリエール装置を歯科用接着剤で固定します。
このカリエール装置は患者さん自身では取り外しできません。
そして、反対側の顎の奥歯にボタンをつけ、カリエール装置のついた犬歯から反対の歯列につけたボタンにゴムをかけます。
このゴムかけは患者さんご自身で行なっていただく作業となります。
カリエール矯正を行なって2〜3ヶ月ほどで歯が動いているのが実感できます。
この矯正を2〜6ヶ月ほど行なっていただき、十分にスペースを確保できたらカリエール装置を取り外します。その後は、歯を並べたり噛み合わせの調整をするための本矯正を行います。
まとめ
カリエール矯正は、歯並びを整える本格的な矯正治療の前に行うことが一般的です。
主な目的は、歯を並べるためのスペースを確保することで、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)のように、歯を後方に動かしたい場合に特に効果を発揮します。
この治療では、犬歯と第一大臼歯に装置を装着し、後方の歯を一括して後ろに移動させることで、効率的に歯を並べるためのスペースを確保します。
カリエール矯正の魅力として、非抜歯で治療が進められる可能性があること、そして治療全体の期間を短縮できることが挙げられます。
ただし、適応症例には限りがあり、重度の歯列不正には適さないことや、第一大臼歯が萌出していることが条件となる点には注意が必要です。
カリエール装置を装着してから2~6か月程度でスペースが徐々に確保され、その後装置を取り外して本格的な矯正治療に移行します。
非抜歯で矯正治療を希望する場合は、まず矯正専門の歯科医院で検査を受け、カリエール矯正が適しているか診断してもらうことをおすすめします。
一度矯正相談を受けてみると良いでしょう。
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