投稿日:2025.11.12
出っ歯・口元の突出が気になる方へ|矯正で下がるまでの流れとチェックポイント
みなさん、こんにちは。
池袋キュア矯正歯科です。
歯並びの状態によって口元の印象は大きく変わりますが、特に出っ歯などにより口元に突出感がある方は歯列矯正での変化が大きいです。
しかし序盤は変化を感じず「いつ口元は下がるのか?」「見た目の変化はいつ現れるのか?」など、不安になることがあります。
口元に変化が出る時期は中期~後期であり、序盤ではほとんど口元の突出感は解消しません。
- 歯並びの凹凸
- 口元の後退
- 噛み合わせ
矯正治療はこの流れで改善されるので、焦らず乗り越えましょう。
もっと詳しくわかるように、治療の進行状況や見た目が変わるタイミングを解説していきます。
目次
口元が「下がる」仕組み

口元が下がる仕組みを具体的に説明していきます。
1)歯の位置と唇(軟組織)の関係
出っ歯や口ゴボの場合、前歯を正しい位置への移動や抜歯を行い、抜いたスペースに前歯を後退させることで、唇も内側に入るので口元の突出感が解消されます。
2)骨格と歯列
口元の印象は歯だけでなく、上下顎の骨格や噛み合わせの関係も見た目に影響しています。
出っ歯や受け口などの場合、噛み合わせが正常になることで顎の位置も適切になり、フェイスラインや顔全体の筋肉のバランスが整い、口元が引き締まります。
重度な骨格が原因である症例は、歯列矯正だけでは大きな変化が期待できないことあります。
理想的な見た目になるには、外科手術の併用が必要になる可能性があるので、歯科医師に相談し、自分に合った治療計画を立てることが重要です。
◎Eライン・横顔の見え方
歯列矯正で歯の位置や傾きが改善されると、唇の位置も鼻よりも内側に入り、Eラインが整います。
理想的な横顔は、鼻先から顎先の直線の内側に唇が入っている綺麗なEラインですが、あくまでも目安であり、日本人は比較的少ないです。
日本人は欧米人と比べると鼻が低く、顎が後退しているので下唇が前に出やすい傾向にあります。
顔の骨格によって個人差があるので、目安程度に考えると良いでしょう。
なぜ序盤は下がらないのか

歯列矯正には正しいプロセスがあり、段階を踏んで口元が下がっていきます。
初期から後期までのプロセスを詳しく説明していきます。
1)第1段階:凹凸をほどく整列
初期では「レベリング」と呼ばれる、ガタガタしている歯並びの凹凸や傾きなどを調整し、歯のアーチを綺麗に整えていく工程です。
歯の向きや高さを揃えて、治療がスムーズに進むための土台作りを行っています。
歯の状態によって異なりますが、一般的には半年~1年程度かかります。
2)第2段階:前歯の後退(突出の改善)
中期では前歯を後退し、口元の突出感を改善する工程です。
「アンテリアリトラクション」と呼びますが、多くの場合は抜歯をしたスペースを利用することが多いです。
特に出っ歯や口ゴボは抜歯を行う方が口元の突出感の改善や、口元の変化は大きいです。
3)第3段階:噛み合わせの微調整と安定化
後期は噛み合わせの最終調整と歯列の安定化、口腔機能の向上が目的である「ディテーリング」と呼ばれる工程に入ります。
偏った噛み合わせは肩こりや頭痛など全身の健康面に影響し、顔の歪みやたるみなど見た目の問題にも関わります。
そのため正しい噛み合わせに調整し、矯正後の後戻りを防ぐために歯並びを定着させます。
中期~後期に変化が出る理由
初期は歯並びの凹凸を整えることで歯の高さが均一になります。
揃うことで歯並びは綺麗見えますが、歯と歯の重なりが解消されて1本1本の歯の存在感が大きくなるので、口元のボリュームは一時的に増すことがあります。
ボリュームが落ち着くには、最も変化を感じられる中期~後期に理由があります。
治療開始から1年程度経過すると、前歯を後退させる「アンテリアリトラクション」が進行します。
さらに効率よく歯を動かすために、必要に応じてゴムかけやミニスクリューを埋め込むことで、中期以降に成果が見えやすいです。
下がりやすい/下がりにくい条件

口元の突出感の改善には、“前歯が奥に下がりやすいか”が重要になってきます。
下がりやすい方と下がりにくい方の条件をまとめました。
〈下りやすい条件〉
・前歯が前突している
・スペース確保のために抜歯をする予定
・固定源となる臼歯が安定している
〈下がりにくい条件〉
・上顎の過成長や下顎の劣成長など、骨格的な要因も関与している
・口唇に厚みがある
・口呼吸や舌癖など悪習癖があると、歯は動きにくい
・抜歯をしない場合は綺麗に並べるスペースが少ない
前歯の移動距離が大きいほど口元が下がりやすいです。
しかし歯のスペースの有無や、口呼吸や舌で歯を押すなどの習慣的な癖の有無などによって個人差は出てきます。
癖は無意識に行っているので自覚しにくいですが、歯の動きに影響するので、癖がある場合は早めに改善しましょう。
◎抜歯・非抜歯での考え方
1)抜歯矯正
抜歯をすると前歯が後退するスペースを確実にスペースが確保できるので、口元は下がり、矯正治療の効果を感じることができるでしょう。
2)非抜歯矯正
抜歯矯正は前歯後退に有利な一方、非抜歯矯正は歯を抜かずに歯根の傾きなどを中心に調整します。
歯並びは綺麗に整列しますが歯列弓が大きくなるので、口元の後退量は限定的になります。
いつ下がる?タイミングと期間の一般的目安

全体矯正の場合、中期~後期にかけて変化を感じることが多いですが、装置や年齢、努力次第で歯の動きは変わります。
以下のことに気を付けると効果を感じやすくなります。
<歯が動きやすい方の特徴>
・年齢が若くて新陳代謝が活発
・虫歯や歯周病のない健康な歯
・歯ぎしりや口呼吸、舌癖など悪習癖がない
・歯科医師の指示を守る
歯列矯正は骨の細胞が入れ替わることで歯が動くので、骨のターンオーバーを促すことが矯正治療をスムーズに進めることに繋がります。
バランスの取れた食事や十分な睡眠など、規則正しい生活を心掛けましょう。
個人差があるので「必ず○ヵ月で下がる」という断言はできないため、あくまで参考程度にして下さい。
装置別の違い:マウスピース/ワイヤー

矯正装置には大きく分けて「マウスピース」か「ワイヤー」の2種類がありますが、使用方法や使用感など全く異なります。
治療のプロセスは両者同じなので、効果に差はないです。
しかし装置によって合う・合わないの相性があるので、装置別に違いを説明します。
◎マウスピース矯正

マウスピース矯正
マウスピース型の矯正装置のため、自分で取り外しができます。
食事や歯磨きの際にも外すことができるので、快適さと清潔さを得られます。
しかしマウスピースの装着時間は1日20時間以上であるため、食事と歯磨き時以外の時間は基本的に着けたままで、装着前には必ず歯磨きをすることがとても重要です。
装着時間が短い場合には十分に歯が動かないので、自己管理が成功のカギになります。
現在はマウスピース型矯正の種類が豊富ですが、基本的に前歯のみの移動や軽度な歯並びにのみの適応が多いです。
インビザラインでは全体矯正も可能で、歯を効率よく動かし完成度を上げるために、アタッチメントやエラスティックを併用することもあります。
◎ワイヤー

ワイヤー矯正は歯に固定しているので取り外しはできませんが、自分で装着の有無や装着時間を管理する手間がないので失敗することは少ないです。
ワイヤーの力を利用して、歯の軸を動かしたり歯列をまとめて後退させること、歯茎に小さなネジ(ミニスクリュー)を埋め込んで効率的に歯を動かすことができるので、治療期間の短縮にも繋がります。
今日からできる「下がりやすくする」日常のコツ

効果を感じる下がりやすくする日常のコツは、以下の通りです。
1)マウスピースの装着時間厳守
指示通り、マウスピースの装着時間とゴムかけの徹底を行う。
2)MFT(口腔機能療法)
口の周りの筋肉を正しく使うことは治療中や、終了後も歯並びの後戻り防止や全身の健康に影響するため、舌や唇・頬など口腔周囲筋のトレーニングを行う。
3)悪習癖の改善
口呼吸や舌癖、頬杖など日常的に歯並びに悪影響を与える癖があると、歯が動きにくく、後戻りもしやすいので気を付ける。
4)定期通院での経過写真・説明の活用
定期な通院で経過の写真や説明があるとモチベーションが上がりやすくなり、可視化により不安の解消にも繋がる。
自分で歯の写真を撮って見返すことも効果的。
よくある質問(FAQ)
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Q1:どれくらい下がりますか?
A:患者様のお口の状態・治療計画で異なります。診断結果に基づく目安を初診時にお伝えします。
Q2:非抜歯でも下がりますか?
A:可能な範囲で後退しますが、歯の移動量に限界が出ることがあります。事前に歯の動きをシュミレーションすることができるので、患者様が納得できる治療法をご提案します。
Q3:Eラインは必ず整いますか?
A:個人差があります。横顔は鼻・顎・唇の形にも影響されます。軽度の歯並びは変化を感じにくいですが、出っ歯や口ゴボの場合は変化を感じやすいでしょう。
Q4:途中から下がらないと判断されたら?
A:計画の再評価(癖の是正・アンカレッジ強化)等を検討します。
相談時に確認したいチェックリスト

相談時に確認することをまとめましたので、参考にして下さい。
þ抜歯/非抜歯の判断理由
þ口元後退の見込み量と根拠(判断資料)
þ装置の種類と協力度(装着時間・ゴムかけ)
þ治療期間の目安とリスク/費用・通院頻度
まとめ

矯正治療では歯並びの凹凸改善が初期にあり、口元が下がるのは中期~後期が一般的です。
序盤で下がらないのは、正しい順序で進んでいるサインでもあるので安心してください。
当院では診断資料に基づいて複数の治療案をご提示し、見た目の変化についても丁寧に説明することを心掛けています。
まずはお気軽にご相談下さい。
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