投稿日:2025.10.8
矯正の為に歯を抜かれたくない?小臼歯を抜く理由と安全性
目次
はじめに:抜歯が「怖い」「後悔しそう」と感じる方へ

こんにちは!池袋キュア矯正歯科です。
歯を抜きたくないとお考えの方は多くいらっしゃいますが、矯正治療において小臼歯を抜くことはむしろ「リスクが少ない処置」という考えもあります。
とはいえ、多くの方が「歯を抜くのはちょっと…」「抜歯は不安」と感じるのは、とても自然なことです。
本記事では、小臼歯を抜歯する理由や安全性などについて詳しく解説していきます。
なぜ「小臼歯」がよく抜かれるのか?

小臼歯は前歯と奥歯の間にある小さい奥歯のことで、上下左右合わせて8本あります。
歯列矯正をする上で抜歯が必要とされるケースでは、主に第一小臼歯を抜くことが多いでしょう。
小臼歯の役割と位置
小臼歯の位置は「前歯の真ん中から数えて4・5番目」の歯で、それぞれ『第一小臼歯(だいいちしょうきゅうし)』『第二小臼歯(だいにしょうきゅうし)』と呼ばれています。
なぜ抜歯をする際に小臼歯が選択されるのかというと、他の歯に比べて噛み合わせにおける役割が小さく、咀嚼機能への支障も少ないからです。
さらに見た目への影響が少なく、歯を動かすために必要なスペース確保が効率的にできるという利点もあります。
矯正治療の抜歯を椅子取りゲームに例えると
顎の骨が小さいなど何らかの原因で歯が並ぶスペースが不足している場合、歯は重なり合って生えるしかないため、ガタガタ乱れた歯並びになってしまいます。
これを椅子取りゲームに例えると「座席が足りない状態」です。座席が足りなければ、全員が椅子にピッタリ収まることはできません。全員が座れる状態にするには、ゲームの参加人数を減らすか、椅子を増やすしかないでしょう。
歯並びも同様です。スペースの大きさに対して歯が並びきれない場合には、抜歯をするか、抜歯をせずにスペースを作るしかありません。
つまり、抜歯は「人数(歯)を減らして全員が座れる(歯が並べる)スペースを確保する」ために必要なことだといえるでしょう。
実際の質問と医院の回答(実例)

Q:「もう生えてこないのに永久歯を、抜いても問題ないのですか?」
A:「はい。ただし抜く歯はどれでもいいわけではなく、小臼歯です。小臼歯は大臼歯と犬歯の間にあり、中間的な役割をしているため一番リスクが少ない歯だといえます。」
小臼歯を抜くメリットとは?

小臼歯を抜くメリットとして、次のようなものがあげられます。
効率的にスペースが確保できる
歯並びを整えるために必要なスペースを十分に得られるため、無理なく歯を移動することができます。
横顔やEラインを整えやすい
出っ歯などの場合は、前歯を大きく内側に引っ込める必要がありますが、スペースがしっかり確保できていると前歯を内側に十分に移動させることが可能になります。そのため、横顔の美しさの基準である『Eライン』や口元の印象も整えることができるのです。
再治療や後戻りのリスクを減らせる
スペースが足りていないところに無理に歯を並べようとすると、最終的な仕上がりに制限が生じたり、噛み合わせのバランスを十分に整えられないといった傾向があります。
また歯や歯ぐきに負担がかかったり、後戻りしやすいなどのトラブルの原因にもなるでしょう。
一方で「抜歯しない矯正」も選択肢として増えている

従来は抜歯をしてスペースを作ることが主流でしたが、マウスピース型矯正が浸透してきた現在では「抜歯しない矯正」が選択されるケースも増えています。
抜歯をせずに矯正する方法としては、以下のようなものがあります。
代表的な非抜歯矯正方法
①IPR(アイピーアール)
正式名称は『Interproximal Reduction』といい、歯の側面を少し削りスペースを確保する方法です。『ディスキング』ともいわれます。
歯の外側のエナメル質の部分を「一箇所につき0.1〜0.5mm程度」削ることで、歯を並べるためのスペースを確保する処置です。歯を削るというと「しみたり痛みが出たりするのではないか?」とご心配される方もいらっしゃいますが、削る量はごくわずかで症状が出ることは基本的にありません。
②顎を拡げる
『拡大装置(かくだいそうち)』を使って、顎の大きさを拡大する方法です。顎を広げることによって、歯を並べるスペースを作っていきます。
③歯科矯正用アンカースクリュー
歯科矯正用アンカースクリューは「チタン製の小さなネジ」のようなもので、顎の骨に埋め込んで利用します。主に歯を後側に動かしたい時に固定源として用いられます。
これにより、従来は動かすことが難しいとされていた方向に歯を動かすことが可能になりました。
抜歯しないメリットとリスク

抜歯せずに歯列矯正をするメリットは、次の通りです。
・歯を残すことができる
・抜歯をする場合に比べて治療期間が短い傾向がある
・お顔の印象に大きな変化がない
・精神的、心理的な負担が少ない
上記のように抜歯をせずに矯正治療をするメリットはたくさんありますが、患者様の歯並びの状態によっては、噛み合わせ不良や後戻りの可能性が高まるなどのデメリットも考えられます。「歯を抜きたくない」という理由で非抜歯矯正を選択することには、リスクもあるのです。
歯列矯正を行う際には、自分には抜歯するのとしないのとではどちらが適しているのか、しっかり確認するようにしましょう。
※非抜歯矯正については、以下の記事で詳しくお伝えしています。
【抜歯しない歯列矯正はあるの?】
抜歯矯正か非抜歯矯正かはどうやって判断する?

ここまで抜歯矯正と非抜歯矯正についてお話してきましたが、どちらの方法が適しているのかは患者様一人ひとり異なります。そのため、具体的に治療方法をお知りになりたい場合には『精密検査』を受けていただくことになるでしょう。
精密検査では「お口やお顔の写真撮影・レントゲン撮影・CT撮影・歯型の採取」などを行い、歯並びや噛み合わせの状態を詳しく把握していきます。その結果を元に、お口の状態やスペースの必要性の有無などを診断し、治療計画を立てていくのです。
近年は口腔内スキャナーを取り入れている歯科医院も多く、従来の型取りの材料を使用しなくても治療が進められるようになってきました。口腔内スキャナーは、小型のカメラでお口の中を撮影することで、デジタル化した立体的な画像として再現できる機械です。
お口の状態をデジタル化することで、同時に最終的な歯並びの状態をシミュレーションすることも可能になっています。
「できるだけ歯を抜きたくない」という感情はあって当たり前です。矯正治療をお考えの際には、事前にしっかり相談するようにしましょう。
まとめ:抜歯は理解すれば怖くない選択肢

今回の記事では、矯正治療で小臼歯を抜歯する理由や安全性などについてご説明しました。
小臼歯の抜歯は「安全にスペースを確保する方法」の1つです。現在は抜歯をせずに歯列矯正をする方法も増えていますが、最終的には「抜歯するかどうか」ではなく、効果や安定性を考慮して選ぶことが重要になります。
ご不安な方はシミュレーションを行っている医院を選ぶなど、安心して治療を始められる環境を探してみてください。
池袋キュア矯正歯科では、矯正治療を検討中の方やご興味のある方に向けて随時カウンセリングを実施しております。「歯列矯正はしたいけれど、抜歯はしたくない」「私には抜歯する矯正と抜歯しない矯正、どちらが向いているの?」という方はぜひ当院のカウンセリングをご活用ください。
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