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ブログ

投稿日:2022.5.6

ワイヤー矯正とマウスピース矯正について

こんにちは、池袋駅前歯科・矯正歯科です。

いつも当医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

矯正治療と聞いて思い浮かべるのは、歯に装置をつけて行うワイヤー矯正ではないでしょうか。しかし、近年ではマウスピース矯正が大きく進化しており、抜歯を伴う矯正治療であっても、マウスピース矯正だけで十分に対応できるケースが増えています。

 

そこで今回はワイヤー矯正とマウスピース矯正について、前編と後編にわけて解説。前編では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の概要、それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

ワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正とは、歯に金属やセラミック製のブラケットを装着し、それらを細いワイヤーを繋ぐことによって歯を動かす方法です。曲げられたワイヤーが元の形状に戻る力を利用して、歯を正しい位置に動かしていきます。

 

また、装置を歯の表面につける表側矯正と、より目立ちにくい歯の裏面に装置をつける裏側矯正の2種類があります。

 

ワイヤー矯正は、歯の凸凹を治すことが得意であり、治療速度も速いです。ほぼ全ての症例に対して対応可能であるため、軽度~重度の歯並びや噛み合わせの乱れに対しても対応できます(骨格の問題による歯並びの乱れは除く)。豊富な実績があり、多くの歯科医院で採用されているメジャーな矯正方法です。

マウスピース矯正とは

透明 マウスピース

マウスピース矯正とは、透明なプラスチック製のマウスピースを使用して歯を段階的に動かしていく方法です。約1~2週間ごとに形の異なるマウスピースに交換し、少しずつ歯を理想の位置へ動かしていきます。

 

マウスピース矯正が透明で目立ちにくいため、治療を受けていることがほとんど分かりません。そのため、見た目を気にする方や、目立つ矯正装置を避けたい人に選ばれています。

 

ただ、マウスピース矯正は比較的軽度~中等度の歯並びや、ある程度の歯のねじれには適していますが、噛み合わせが深いケースや重度の歯並びの問題には向いていません。また、歯のねじれを治す場合には時間がかかることがあります。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正のメリット・デメリット

マウスピース矯正とワイヤー矯正のメリットとデメリットをまとめてみました。

ワイヤー矯正のメリット

  • 受け口や出っ歯など、幅広い症例に対応できる
  • 表側矯正は比較的低コストで受けられる
  • 裏側矯正は装置が外からはほとんど見えない
  • 裏側矯正は矯正中のホワイトニングが可能

 

ワイヤー矯正は、豊富な実績があり幅広い症例に対応できる柔軟性を持っています。矯正治療の進行状況を定期的にチェックし、必要に応じて微調整ができるのもワイヤー矯正のメリットです。

 

裏側矯正は、装置を歯の裏側につけるため、外からはほとんど見えません。一方で、表側矯正では装置が目立つ可能性がありますが、セラミックなどの透明または歯の色に近い素材を使用することで目立ちにくくすることが可能です。

ワイヤー矯正のデメリット

  • 痛みや不快感が出る場合がある
  • 治療当初は発音しにくい(2週間~1ヶ月程度)
  • 費用がマウスピース矯正に比べて高い
  • 食べ物が挟まりやすく、歯磨きしにくい
  • 表側矯正はブラケットとワイヤーが目立つため、見た目に影響が出る

 

歯が動き始めると慣れるまでは痛みや不快感が生じることがあります。また、裏側矯正の場合、ブラケットやワイヤーが舌に触れることで、発音しにくさを感じることがあります。この状態は、2週間~1ヶ月程度で慣れることがほとんどです。

 

ブラケットとワイヤーが歯に固定されているため、食べ物が挟まりやすく、歯磨きが難しくなります。これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。

 

また、マウスピース矯正に比べて費用が高くなる傾向にあり、特に裏側矯正は歯科医師の技術と一人ひとりに合った装置が必要なため費用が高額になります。

マウスピース矯正のメリット

  • 取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすい
  • 通院回数が裏側矯正より少ない(1~3か月に1度の来院)
  • 透明で目立たないため、見た目への影響が少ない
  • 比較的痛みが少なく、装着時の違和感が少ない

 

マウスピース矯正は、食事や歯磨きの際に外すことができるため、矯正前と同じようにできます。透明なマウスピースを使用するため、装着していても目立ちにくく見た目への影響が少ないのがメリットです。

 

また、マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて痛みが少なく、装着時の違和感も少ないため、日常生活も快適に過ごすことが可能です。

マウスピース矯正のデメリット

  • マウスピースを1日20時間以上使わないと歯が動かない
  • 自己管理が求められる
  • 適応範囲が限定されている

 

マウスピース矯正を成功させるためには、1日に20時間以上の装着が必須であり、この条件を満たさないと歯を効果的に動かすことができません。このため、患者さん自身の自己管理能力が求められます。

 

また、マウスピース矯正は適応範囲に限りがあるため、重度の歯並びや噛み合わせの乱れには対応できない場合があります。

 

しかし、ブラケットとワイヤーが外から見えるため、審美的な観点から不利になりがちです。さらに、ブラケット周りの清掃が難しく、口腔衛生の維持が困難になるため、虫歯や歯肉炎のリスクが高まるというデメリットもあります。

 

ワイヤー矯正を選択する際にこれらの点を踏まえることが重要です。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正どっちがいい?

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もともと矯正歯科と言えばワイヤー矯正が主流です。歴史を遡っても、ワイヤー矯正は約120年(エッジワイズ法が確立されて)マウスピース矯正は25年(アライン・テクノロジー社の設立)から、ワイヤー矯正の方がはるかに歴史が古いといえます。だからと言ってワイヤー矯正が一番良い方法と言う訳ではありません。どちらがいいかは歯並びの状態やライフスタイルなどによって異なります。

 

当院では、患者様がマウスピース矯正を希望していれば、マウスピース矯正の説明を中心にしております。

 

確かに、マウスピース矯正は見た目の影響が少なく、日常生活での快適性が高いため、多くの患者様からの希望があります。しかし、お口の中の状態によってはマウスピース矯正では時間がかかったり、仕上がりがワイヤー矯正に比べて劣る場合があります。そのような場合は、ワイヤー矯正のご案内をすることもあります。

 

矯正治療のカウンセリングをする上で、大事なのは患者様のご希望を伺うことと、お口の中の状態から最適な治療方法を説明することだと考えています。

 

友達がマウスピース矯正で歯並びをキレイにしたから、自分もマウスピース矯正をやりたいとおっしゃる患者様もいらっしゃいますが、人それぞれ骨格や歯並びの状態が同じではありません。マウスピース矯正を強く希望している場合でも、その治療法が適切でないと判断される場合は、ワイヤー矯正のメリットや、なぜそれがおすすめなのかを丁寧にご説明します。

まとめ

矯正装置にはそれぞれメリットとデメリットがあり、お口の状態やライフスタイルによって適した治療方法を選択することが重要です。

 

繰り返しになりますが、私たちの目標は、カウンセリングや診断(検査結果)を通じて、患者様にとって最適な治療方法を提案することです。治療法の選択にあたっては、患者様の歯並びや噛み合わせの状態、ライフスタイル、治療に対するご希望など、多角的な視点から最良の解決策を見つけ出すことを第一に考えています。

 

今回は、「ワイヤー矯正とマウスピース矯正」についてお話をさせていただきました。後編では矯正歯科の選び方や当院の矯正方法、治療の流れについて述べたいと思います。