投稿日:2025.2.5
抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる?原因と予防方法について
皆さん、こんにちは。
池袋駅前歯科・矯正歯科です。
歯を抜いて矯正をした方の中に「歯が下がりすぎてしまった」というトラブルを抱えている方がいます。
せっかく時間も費用もかけて矯正治療したのに、そのようになってしまったらとても残念ですよね。
治療する前に抜歯の必要性や治療計画を的確に理解していないと、口元が下がりすぎてしまうトラブルに直結してしまいます。
治療を後悔のないものにすべく今回は抜歯矯正で気をつけるべきポイントをお伝えします。
矯正に抜歯はなぜ必要なの?
矯正って歯を抜くというイメージが強いと思いますが全員が抜歯を必要とするわけではありません。
では、どんな歯並びの人が抜歯対象なのか見ていきましょう。
歯のガタガタを治す矯正(歯が重なり合っている)
歯が大きすぎて、あるいは顎にスペースが足りなくて歯が重なり生えている方は、歯並びを整える為のスペースを作るために1~2本の歯を抜歯することがあります。
出っ歯の矯正(前歯が突出している)
前歯が大きく突出している場合、噛み合わせが悪くなることがあります。このような場合、歯を引っ込めるために抜歯して出来たスペースを使って口元を下げる場合が多いです。
深い噛み合わせを治す矯正(過蓋咬合)
上の歯が下の歯を覆いすぎてしまう「過蓋咬合」の場合、噛み合わせのバランスを取るために歯を抜歯してスペースを作り、歯を引き出すことがあります。
顎の位置に問題がある場合の矯正
顎の位置が問題で、歯並びや噛み合わせを改善するために顎のバランスを整える必要がある場合、抜歯が選ばれることがあります。成人矯正の場合外科手術と合わせて抜歯が行われることもあります。
顔のバランスに対する改善の為の矯正(横顔、Eライン)
Eラインを整えるために、歯並びだけでなく顔のバランスも考慮して抜歯矯正を行うことがあります。また抜歯矯正をすることによって上唇や下唇の位置を調整することで、口元のバランスが良くなり、顔全体の印象が向上します。
この様に抜歯矯正はスペースをしっかり確保できるため、歯の大幅な移動が可能になり口腔内の変化を期待できます。
抜歯矯正のリスク
では抜歯矯正のリスクや注意点にについてみていきましょう。
ほうれい線が深くなる
抜歯によって歯を後ろに移動させることで、口元が引っ込んで見えることがあります。特に、上の前歯を後退させる場合、口元が下がったり、顔の印象が変わることがあります。元の口元が出ている印象がある場合は良いのですが、元の口元が特に出ていない場合は抜歯矯正を行うと下がりすぎている印象になりほうれい線が深くなったり人中が伸びた印象になる場合があります。治療前に自分が希望する見た目について矯正医としっかりと話し合い、治療計画に反映させることが重要です。
口元が貧相に見える
歯並びを整える過程で、唇の位置や形状にも影響が出ることがあります。上顎が後ろに引っ込むと、唇が閉じにくくなり、口元が下がることで唇のボリューム感が失われ、貧相に見えることがあるのです。
矯正の治療期間が非抜歯に比べると長い
抜歯矯正では非抜歯矯正に比べると、歯を移動させるために治療に時間がかかります。歯の移動がスムーズに進まない場合や予期せぬ問題が発生した場合、より治療が長引くことがあります。
歯根吸収(歯の根が短くなる)
抜歯矯正では歯に強い矯正力がかかることによって歯の根っこ(歯根)が吸収されてしまうことが稀にあります。歯根吸収は歯が短くなり、歯の支えが弱くなる可能性があります。抜歯後の矯正で歯が大きく動くことが予想される場合、歯根吸収のリスクを避けるために慎重な調整が必要です。
歯の根の露出
矯正によって歯が大きく動くと、歯の根元が露出してしまい知覚過敏が起こる原因になる場合があります。適切な治療計画を立て、歯の移動を段階的に行うことで、こうしたリスクを最小限に抑えることができます。
抜歯後の回復期間
抜歯後の回復には多少の時間がかかる場合があります。歯を抜いた部分が痛んだり、腫れることがありますが、通常は数日から1週間程度で治まります。しかし、回復の過程で感染症が起こることもあり得るため、抜歯後は適切なアフターケアが必要です。
患者の年齢や骨の状態によるリスク
特に成人の場合、骨の成長が終わっているため、骨が硬くなっていて歯を動かすのに時間がかかり治療期間が長くなる場合があります。治療を進める前に、骨の状態や歯の動きが可能かどうかを詳しく診断してもらうことが大切です。
矯正で口元が下がりすぎてしまう原因
下の歯の過度な後退
一部の矯正治療では、下顎の位置を後ろに引く治療が行われます。これが過剰に行われると、口元が下がって見えることがあります。下顎の後退は、顔のバランスを崩すことがあり、特に口元が突出している場合や、逆に引っ込んでいる場合に目立つことがあります。
矯正の力のバランス
矯正治療では、歯を動かすために力を加えます。この力が歯に与える影響の方向や強さが不適切だと、歯だけでなく口元の位置にも影響を与えることがあります。特に、下の歯を過剰に引っ張りすぎたり、上下のバランスを無視して治療が進められると、口元が下がることがあります。
矯正装置の種類や使い方
使用する矯正装置の種類によっては、特に下顎や顎の位置に影響を与えることがあります。例えば、バンドやワイヤーの調整具合が悪いと、下顎が不自然に動くことがあり、結果的に口元が下がりやすくなります。
治療の進行状況やタイミング
矯正治療の過程で、上顎や下顎の成長に差がある場合、治療中に顔のバランスが一時的に崩れることがあります。特に成長期の子供や若年者において、顎の成長を考慮せずに過度に力を加えると、口元の位置が変わってしまうことがあります。
骨や顎の構造
もともとの骨や顎の構造が、口元の位置に大きな影響を与える場合もあります。例えば、下顎が後退している人や、上顎が前に出ている人では、矯正によるバランス調整が難しく、治療中に口元が下がってしまうことがあります。
このような問題を避けるためには、矯正治療を開始する前に、顔全体のバランスや顎の構造を十分に評価することが重要です。矯正専門医としっかり相談し、治療計画を立てることで、顔のバランスを崩さずに美しい仕上がりを目指すことができます。
口元が下がりすぎないようにする予防方法
治療計画をしっかり立てる、確認する
当院では治療開始前に3Dシミュレーションで歯のビフォーアフターを確認することが出来ます。
歯を下げる量など無理がないかを確認することが出来ます。
適切な矯正装置の選択
矯正治療には、ワイヤーやブラケット以外にも、インビザラインなどの透明なマウスピースを使用する方法もあります。これらは、口元に与える影響を最小限に抑える場合がありますので、治療法の選択肢についても相談してみてください。
下がりすぎた口元は元に戻せる?
抜歯を伴う大掛かりな矯正治療の場合は、口元が引っ込みすぎてしまったと感じてから引っ込んだ歯列を元に戻すことはとても難しいです。抜歯をして大きく歯を動かした人は、隙間がなく綺麗に並んだ歯並びをを再度、前方に動かすことになるので、歯間が大きく開いたりして歯並びが乱れてしまう為、完全に治せなかったり被せ物などの追加の治療が必要になる可能性があります。矯正中歯を下げていく期間にはご自身でも口元の変化を日に日に確認していただくと気づいた時には下がりすぎていた!ということは防げるので治療中はぜひ口元の変化を一緒に確認しながら進めていきましょう。
まとめ
「矯正で口元が下がりすぎた…」とならないためにも、しっかり検査やシミュレーションを受け、治療をはじめるまえ、治療中などじっくり先生と、希望や悩み、疑問などを話してみてください。
せっかくお口の健康や、口元をきれいにするためにはじめた歯列矯正でトラブルが起こらないようにするためにも、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
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